夏 3

午後8時頃、彼は寝床に入った。


別に疲れていたわけではなく、ただ一人になりたかったのだ。


一人になると、孤独が彼を襲って来た。


彼は暗い浜辺に出た。


手にはハモニカを持っていた。


彼は砂浜に腰を下ろすと、ハモニカを心ゆくまで吹いた。


彼の好きな曲や、いやにしんみりした古い曲が流れて来て、波の音に消されて行った。

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