夏 2

その想いは、故郷に近づくにつれ、ますます強くなっていった。


そして故郷へ着いた時は、もうすっかり後悔していて、今からでもすぐに神戸へ引き返そうと思った。


しかし、そうは出来なかった。


駅には母と妹と弟が待ちわびていた。


「兄ちゃん、ぼく1キロ泳げるんだよ」


「へえ。じゃ、競争しようか」


「うん。いつ?」


「明日がいいな」

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