春 6

その夜ベッドに入ると、彼は、今日一日の出来事を思い浮かべて見た。


食堂でのこと、病院で思いもかけず彼女に会ったこと…。


そうしていると、何故かしら妙に興奮して来て、なかなか寝つかれなかった。


しかし、それもしばらくの間だけで、ほんの少しではあるが、彼女と近づきになれたという想いが、彼の心を占めると、いつしか安らかな眠りへと誘われて行った。

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