少女期

第9話 祝福を受ける時

月日が経つのも早いもので既に私がこの世界に転生してから

7年の月日が経っていた。


そう7年が経った…てことは!今年は!私が!大神殿で!…

祝福を受ける年!そして祝福を受けるのは明日、私イリスが生まれた

12月の1日です!


ああ!とても楽しみです!さぁ明日は王都の大神殿で祝福を受けるようなので、朝が早いですからもう寝ましょう!


…………これで私が魔王討伐メンバーかハッキリする……





★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


チュンチュン


「うーん…」


まるで私を起こすような鳥の鳴く声が聞こえる。


バサバサバサ!


「!…ふぁ〜…んん、はあー…よし!王都にいく準備だ!」


チーン、呼び鈴をならすと直ぐ様私付きのメイドさんが二人やってきた。


「おはようございます、イリスお嬢様!寝起きのイリスお嬢様最高です!」


このお決まりの挨拶をしたこちらのメイドさんは、シア。


「おはようございますお嬢様。…これは、イリスお嬢様教 メイド隊 序列7位として

映像記録宝珠に収めなければならないわね…!」


後半部分に不穏な言葉が聞こえたけど大丈夫かな。

こちらの不穏なことを言ったメイドさんは、チェリー。


シアとチェリーはいつも私の身の回りの世話を

してくれているメイドさんです。


ああ因みに映像記録宝珠っていうのは、その名の通り映像を記録する宝珠の事で

一個10万ギルから20万ギルほどの値段でとても高価なものなのです。


あ、ギルっていうのはこの世界のお金の単位で、1ギルは日本円でいうところ

1円に位置する。


話が逸れましたがそう、とっても高価なものなのですよ!

ですがうちのお屋敷にはそんなものが何百個と常備されているのです。


なぜ常備されてるかって?そんなの決まってるじゃないですか!

私を撮るためですよ!以前気になってお父さんに聞いてみたら

「え?決まってるじゃないか、イリスの可愛いところを撮るために

決まってるじゃないか」と当然だろ?みたいな顔で言われた。

その時私はその顔を見て決意しました。


将来絶対に阻害魔法を覚えようと…


そして今日その目的は果たされる!

ふっふっふー…さあみんな今に見てなさいよ!

近い内に絶対阻害魔法をおぼえちゃうからね!


「お嬢様?どうかされましたか?」

考え事をしてた私に声を掛けたのはシアでした。

「!う、ううん!ちょっと考え事してただけ!」

焦って答えて、慌ててる私を見たチェリーさんは

「…かふっ!慌ててるお嬢様可愛いすぎます…ですが仲間の為にも

ちゃんと記録しなくては…」

「チェリーさん!大丈夫ですか!?くっ流石イリスお嬢様…序列7位のチェリーさんをいともたやすくやるなんて…!」

「シア…気を付けて気を抜いたら……やられ…る…わよ…」

「チェ、チェリーさああん!!」

というやりとりをしながらバッチリ撮られました。


く、くやしい〜!絶対に阻害魔法を覚えてやる〜!


「さ、お嬢様王都に行く為の支度ををしましょうか」

「うん!チェリー!よろしくね!」


「「かふっ!可愛すぎますううう!」」

もう病気だねこれ〜


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


支度が終わり、今私は屋敷の前に停まってる馬車に来ている。

馬車の近くには既にお父さんとお母さん、メイド長のシャルさん、後クロードさんの息子さんのパロディさんもいた。

他にも数十人と周りにいた。


そういえば今回王都には誰を連れて行くのかな。聞いてみるか!


「ねえねえお父さん、王都には誰を連れて行くの?」

「ああ、イリスに行ってなかったね。えっとね、僕とリーナは当然として…

まず一人目はシャル。」

名前を呼ぶと「よろしくお願いしますね、イリスお嬢様」と挨拶された。

それに対してシャルに「うん!よろしくね!シャルさん!」と満面の笑みでいうと

シャルさんが吐血した!


すると周りから「た、隊長がたった一撃で!」「あの隊長がお嬢様の笑顔を

見ただけで!?」などという声が聞こえてきた。


まあいいや…次いってみよう!

「お父さん次は?」

「えっとね二人目はクロードの息子のパロディ」

「はい、イリスお嬢様何卒よろしくお願いいたします」

「うんよろしくね!パロディ!」


返事をすると、パロディさんはとても嬉しそうでした。


「うん後は二人なんだけど〜…あ、きたきた」

と、お父さんが屋敷の方を指差した。

「?」

指指した方を向いてみると小走りで走ってくる人達がいた。

シアとチェリーだった。

「お父さん、最後の二人ってシアとチェリーのこと?」

「そうだよ〜、初めて王都に行くんだし仲の良いシアとチェリーが

いた方が安心出来るかなと思ってね」

「やったー!シア、チェリー!よろしくね〜!」

「「はうう!可愛すぎますよおおおお!」」


息ぴったりだなぁ二人共〜


そしてメンバーが集まるとお父さんが

「それじゃあいこうか!」

と宣言した。



★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



屋敷を出発して4時間程で王都には着きました


因みに私は馬車では寝ていたのですが、なんかシア&チェリーに

沢山映像を取られてた気がする。


早く阻害魔法を覚えなければ!


さあそんなこんなで王都にやってきました!

今私は大神殿に行く時に通る道を馬車で通っているのですが…

いや〜すっごい活気です。そりゃ王都だからなんだろうけど

それでも私は初めて来たので今とってもワクワクしてます!


行き交う人々に、お店の店主さんの野太い声、そして何より美味しそうな

ご飯やスイーツの匂い!

ハアアアア〜…美味しそうだなあ、後で食べれるかなぁ、いえば

連れて来てくれるかなぁ…いや何が何でも連れてこさせよう!


そう決心した私はシア&チェリーに「後どれくらい?」と

聞くと

チェリーが

「もう直ぐですよ。あ、ほらもう直ぐ目の前です」

私は窓を開けて外を見ました

「うわああ〜、大っきい〜!チェリー、シア!大神殿って

あんなに大きいんだね〜!」

「「はうう、目新しいものを見てはしゃいでるお嬢様「イリスお嬢様」

可愛すぎますううう!!」


よしこの二人に話を振るのは当分やめとこっと。


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


さあさあやってきたよ大神殿!!

お父さんいわく、祝福の儀を受ける前に大神官様のところに

行くらしい。なので取り敢えず大神官様の執務室にお父さん達と向かうことにした



ちょっと歩いて大神官様の執務室前までやってきました。

早速お父さんがノックしました

「大神官様、レオ・クレッタです」

「どうぞ」

「失礼します」

ドアを開けると椅子に優しそうなおじいちゃんが座っていました。

「久しぶりだねレオ君、其方のお嬢さんが今日祝福を受ける

君の娘かね?」

「お久しぶりですキルギーさん、そうです私の大事な大事な

目に入れても痛くない娘のイリスです」

「初めましてキルギー様、レオ・クレッタの娘のイリス・クレッタです

よろしくお願いいたします」

「ふぉっふぉっふぉ、ご丁寧にありがとうイリス君、君のことは君のお父さんから

沢山聞いてるよ。確かにとても可愛らしいねレオ君が溺愛するのもわかるね」

「お戯れを、私などそれほど可愛くなどありませんわ」

「ふぉっふぉっふぉ、君にそんなことを言われたら他のご令嬢が

かわいそうに見えてしまうね」

「そんなことございませんわ、私より可愛らしい人なんて他にいくらでも

いますわ」

「ふぉっふぉっふぉまあそうゆうことにしとこうかのう」

「むうう〜…」


私が不満気に頬を膨らますとキルギーさんはより一層優しそうな笑顔になり

「ふぉっふぉっふぉ」と笑ってました


「さてそれじゃあイリス嬢の祝福の儀を行うとしようか。てことで

大神殿の祝福の間にいこうか」



★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


そして歩いて向かった先には広めの神様の像がある部屋がありました。

そこには祝福の儀を受ける子達が沢山いました。


「さあここが祝福の儀を行う場じゃよ」

そう言うとキルギーさんは部屋の中心の方に歩き

「イリス嬢こちらへいらっしゃい」

と言いました。

私が一番最初なのか…大丈夫かな色んな意味で

「は、はい」

私は少し緊張しながら呼ばれた方へ向かいました。

「ここで祈りを捧げてて、私が創造神さまにお話し終わったら

多分創造神さまの声が聞こえてくると思うからそのまま祈りを捧げててね」

「は、はい、わかりました」

「うむよろしい、では早速やっていこう。さあ祈りを」

「は、はい」


キルギーさんが語りかけ始めた。


はああ、ドキドキするぅ〜

えっと祈りを捧げてキルギーさんの言葉が終わったら

創造神様の声が聞こえてきてそれで色んなものを貰えるんだよね。

ワクワクするなあー、私は勇者メンバーのジョブの可能性がるんだよね

周りに人いっぱいいるけど大丈夫かな。


あ、キルギーさんの語りがおわりそうだ


「我らが主よ、今こそこの者にジョブと加護を与え給え!」


その瞬間私は意識が途切れた



★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



目をさますとそこは見知らぬ場所で、だがとても神秘的な感じがする場所だった。


意識がハッキリすると目の前にはおうぎ形のテーブルの椅子に座っている

7人の老若男女がいた。


まず初めに口を開いたのは真ん中の白い長い髭のおじいちゃんでした。


「まずは初めましてだな、儂はこの世界の創造主グラン、人々からは創造神、

グランなぞと呼ばれておる。君はイリスだね?いや、月城蒼華というべきかな?」


















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