第8話 イリスの魔獣狩り見学

「うん魔獣だよ」


レナード兄さんは軽く言いますけど、魔獣って普通にヤバイんですよ?

魔人よりはまだマシですけど、それでも十分人類の脅威になるんです。


それを兄さんは「たかが魔獣だよ?」みたいな顔をしているけれど

バカなんじゃないでしょうか?私を溺愛しすぎて頭のネジが2,3本抜け

てるんじゃないかな?むしろ2,3本で済んでたらいいほうかもしれないな


話がレナード兄さんの頭についてになってしまったので戻しますね。

えっと魔獣についてでしたよね


「兄さん魔獣の討伐に来てたの?」

「うん、ここら周辺の森に魔獣特有の魔力反応を王都の感知系の魔導士が

感知したんだ」

「姉さん本当?」

レナード兄さんは時々あてにならないのでユナ姉さんにも確かめる。

「ふふ大丈夫よ、兄さんの言っている事は本当よ」

「そっか」

姉さんとそんな会話をしていると

「え、二人ともひどくない?結構傷ついたよ?」

私達二人はそれに対して声を合わせて言った

「「大丈夫だよ!兄さんのメンタルはとっても打たれ強いから!」」

「二人ともひどいよ…」


「それよりも兄さん、魔獣の方は今日行くんでしょう?急いだ方がいいんじゃない?」

「うーん、でも今回の討伐対象の魔獣は魔獣の中でも一番弱いやつだからそこまで危険ではないから急ぐ必要性はそこまでないんだよねー」

「一番弱い魔獣って?」

「ああ、それは大猪だよ」

「へえそうなんだ、じゃあどうするの?」

「うーん、別に急ぐ必要性はそこまでないんだよねー…

そうだ!イリス見に来ないかい!?そうだ!それがいいよ!…」


★ ★ ★ ★ ★


そんなこんなで今私は屋敷の近くの森に来ています


私今かなりわくわくしてるんですよ!だって間近で魔獣を見られるんですよ!

もう楽しみで楽しみで!


でももうかれこれ30分くらいは森の中を歩いてるんですけど全然

魔獣と遭遇しないんですよねー、ホントにいるのかな〜…?


「兄さん大猪ホントにいるの?」

「大丈夫だよもうそろそろ見つかるよ…っと噂をすれば…

ほらイリスいたよ」

「!!」


ほんとだ!見た目は普通の猪の三倍くらいで特徴といえばツノが

3本あるってところと普通の猪よりも禍々しいってところかな…


「兄さんなんか禍々しいね」

「!イリス流石だねその通り、魔獣ってのは普通の魔物とは違って

魔人の影響下にある魔物の事を言うんだ、だから魔獣は魔人の恩恵を

受けているから禍々しいオーラが出ているんだけども…普通はある程度の

レベルがなければ感じないはずなんだけどな〜」

「そ、そうなんだ」

「ま、サクッとやってくるからそこで見ててね」

「はーい…」


私は大猪と兄さん&姉さんの攻防を見ていたが、それは兄さん達が

大猪を圧倒してものの数分で終わった。


そうして私の魔獣討伐見学は終わった。


はあー、私も将来あんなの倒せるようになれるのかな〜

楽しみのような…楽しみじゃないような…


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る