第6話 話した結果…

わたしお父さんに話すことにした。

自分のことについて、詳しくは魔法が現在使える事について。


お父さんがどんな反応をするかは分からないが、魔王が既に生まれている可能性が

あるなら話しておくべきだろう…


そして私は覚悟を決めてお父さんに打ち明けた。


「お父さん、話したいことがあるの」


お父さんは私の雰囲気が変わったことが分かったのか、

さっきまでの態度を改めて優しい表情になり言った。


「なんだい?」

「実はね私魔法が使えるの…」

「っ!!?」


お父さんにとっても衝撃だったのかとても驚いていた。

私は気にせず言葉を続けた。


「だから多分私は勇者、賢者とかの5職の内のどれかの素質があると

思うんだ。」

「………………………」

お父さんは珍しく黙って聞いていた。

だが次第にお父さんがワナワナと震えだして言った。


「イリス…イリスは本当に魔法が使えるのかい?」

「うん、つかえる…」

「そっか…」

「…………」

「ふふ…そっかそうだったのか…今日一日のイリスの動きが変だったから

どうしたんだろうとは思っていたけど…そっか魔法が使えたからだったのか!」

「お、お父さん?気づいてたの?」

「変だったのは気づいてたけど魔法が使えるのは気づいてなかったよ、

じゃなきゃこんなに驚かないよ」


お父さんは苦笑しながらそう言った。

私はそっかといい、でもねと言葉を続けた。


「でもね、私がこのことをお父さんに伝えたのはね勇者とかどうのこうの

って事が伝えたかったからじゃないの」


と、私がそこまで言うとお父さんは私の考えてる事を知っていたかのように

さらりと言った。


、の事だよね?」

「…!…よくわかったね…」

「わかるよ、イリスの事だもの、イリスは優しい子だもんね。

多分、この国の世界中の人達が!みたいな事を考えたから僕に話して

くれたんでしょ?」

「そこまでバレちゃってたの!?なんかすっごく恥ずかしいんだけど…」

お父さんはニコニコしながら言い放った。

「大丈夫!そんなイリスも最高に可愛いよ!!」

とお父さんがまた親バカ発言をしてきて私は気が抜けた。

「なんかすごく拍子抜けしたんだけどぉ…」

「ははは!お父さんがそんなこと気にすると思ったかい!

気にする訳ないじゃないか!ははは!」

「でもそこまでわかってるんだったらどうするの?」

「ん?魔王のことかい?そうだね〜…一応イリスの事は魔王が

活発に行動しだすまでかジョブを授かる時まで秘密にしといて、

魔王が生まれてるかもしれない事は僕が理由をつけてそれとなく

陛下に進言しとくよ。多分陛下も僕の言葉だったらちゃんと調査

したりすると思うからね」

「そっかそれを聞いて安心した…因みに私はどうすればいいかな…?」

「え?今まで通り生活してればいいじゃないか?」

「ほえ?」


思わず変な声が出たが私はお父さんに聞いてみた。


「あ、安全な場所に隔離したりしないの?」

「するわけないでしょ!それはそうでしょ?我が家の大事な大事なお姫様だよ?

そんなお姫様の嫌がることをするわけないじゃないか。

たとえ国を敵にしてもイリスの嫌がることはしないよ」

「そっか…ありがとうお父さん」

「どういたしまして」


そして私は安心したからなのか、お父さんの言葉がうれしさからなのかは

分からないがちょっとの間だけ泣いていた……


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


外からは小鳥のさえずりが聞こえ、カーテンからは光が差していた。


「ん…まぶし……」

そこはイリスの部屋だった。どうやらイリスは昨夜泣き終わると同時に

寝てしまったらしい。多分お父さんが運んでくれたのだろう。


イリスは起きて周囲を見渡そうと思い、掛け布団をめくろうとすると

掛け布団に変な重みがあった。私はびっくりして直ぐに異様な箇所探すと

原因は直ぐに分かった。


「お、お父さん?」

そうお父さんが椅子に座り、ベッドに頭を置いて寝ていたのだ。

なのでイリスは揺すって起こしてあげる事にした。


「お父さん、起きて」

揺すりながら声を掛けてみたが、

「い〜やクロードイリスはここが可愛いんだよ〜…」

と寝言を言っている。


…夢の中まで私のことを話しているの…?流石の私もちょっと

引くかな〜…あはは…はあ…


そんなことより早く起こしてあげなきゃお父さん今日も仕事あるだろうし…



「お父さん、お父さん!朝だよ!起きて!!」

「うぅん…?イリスゥ?」

「そうだよお父さん早く起きて!今日も仕事じゃないの!?」

「イリス…?…!まさか今僕は世界中のお父さんがされたいことランキング

トップ10にはいる朝娘に起こして貰うをして貰ってるのか!?」

「ランキングがどうとかは知らないけど…そうだよ私、イリスが起こしてます!

なので早く起きてください!」

「フッ…そうか僕は今イリスに起こされてるんだね…

僕はもう死んでもいいかもしれない…」

「変なこと言ってないで早く起きてー!」


そしてお父さんを起こすのに20分近くかかったのだった…


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「いや〜イリスごめんごめん」

「別にいいですよ」

私は苦笑しながら答えた。

「ただねイリス一つわかってほしいんだ…朝娘に起こして貰うのはね!

世界中の「お父さん」

私は笑顔で言い放つ。

「もう一生起こしてあげないよ?」

「ごめんなさい…」


あ!そんなことしてる場合じゃなかった!お父さんに屋敷の人に、

私のこと話すか聞かないと!


娘にそんなことで片付けらるお父さん可哀想…(By raimu)


「それよりもお父さん私のこと屋敷の人に話すの?」

それよりもって…まあいいけど……

なんか聞こえた気がするけど気にしない

「そうだね屋敷の人くらいには話しといてこれからの事も話しとこうか。」

「りょーかいでーす」

「よしじゃあ朝食を食べる時に話そうか」

「うんじゃあ食堂にいこ!」


そして私たちは部屋からでて食堂に向かった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る