第20話 何がナーロッパだ、ヨーロッパ人名以外を出せこの野郎(アウトレイジ)


「勇敢な人~~~~!!」


 部屋の片隅でうずくまっている人影は俺を確認した瞬間に青い顔を見せながら俺の肩を掴んで揺すってきた。店主のルートヴィヒだった。


「賢明な人人、そのよう、あなたは、店、あなたの縮み、発言、私が恐れすぎて、あなたがここに正気にいるはずがない時のものするに来る!! 私は恐れた!!」

「分かった分かったから、取り敢えず俺を掴んで振るのやめろって」

「もし軽食が出されるならば、あなたが不満を言い、私は恐れすぎる!」

「俺は何も言ってないだろ!?」


 翻訳魔法が相変わらず微妙なせいか、会話が噛み合っていない状態になっていた。ルートヴィヒは助けを求めるような目でこちらを見ながら、未だに肩を高速で振っていた。


「もし再び私が賢明な人人と会うならば、それは厄介で、私はあなたに卸売りの購入と来てほしい!!」

「賢明な人人ってもしかして、大賢者のことか?」


 ルートヴィヒは激しく頭を振った。大賢者の何が彼をそこまで怖がらせているのかは良く分からない。だが、彼が大賢者のことを恐れているのは確実だった。


「まあ、しょうがない。その買い出しには付き合ってやるけど」

「ありがとう!!」


 何故、怖がりのおっさんと二人で異世界を歩かなければならないのか。とはいえ、裏に住ませてもらっている以上完璧に否定することも出来なかった。帰宅したばかりで気怠い身体を無理やり動かしながら、戸を開けた。


「買い出しってことは武器とかを仕入れるんだよな? 俺なんか連れて行っても良いのか?」

「回転が見られるべきなので、私はそれを買いはじめて、あなたは自身に関係する必要はない」

「回転……? 回転する武器なのか?」

「はい、そこのそれが回転すると言う時には、彼は、また回転するけれども、それでありであるか生きていることにおける間の時の?」


 「の?」と言われても良く分からない。取り敢えず、首を傾げてみるがよく理解できていないことも伝わっていないようだ。ルートヴィヒは俺が開けた戸を通って店から出ていってしまった。

 かと思えば、付いてこない俺の姿を見て怪訝そうな顔で手招きする。


「……はぁ、分かった。行くから」


 街並みは夕焼けに照らされて、辺り一面がセピア色に落ち込んでいた。ルートヴィヒについて行くこと数分、道の両脇には布と木の棒だけの質素なテントが現れ始める。どうやらこれらのテントは店のようで色々な商品の奥を覗くと長旅でくたびれた厚着を着た商人らしき人間が苛ついた表情でこちらを見てきた。

 先を行く武器屋の店主は歩きながらテントに置かれている武器の中にめぼしいものを探しているようだった。


「それにしても何が要るんだよ? さっきから武器みてえのはいっぱいあったけどどれにも目をつけねえじゃねえか」

「消費することが難しいので、馬鹿、大きい剣、および保護は商品である。株はめったに消えない。それらは、液状の医学、および株がそれより多く消える傾向があるハーブである。それのための「ライフ重要物の」、それは、それがプロフェッショナルな基礎であるからである」

「ん……、つまりどういうことなんだよ?」

「ここに貴重なものを全然持たない事実」

「めぼしいものは無いってことか」


 何となく話していることが分かるような気がしてきた。ルートヴィヒはそんな会話をしながらも露店の数々に目を通していた。そのうちの一つ、様々な色の瓶を並べている露店に彼は近づいていった。

 露店の中には黒く長い口髭を生やした男が箱の上に座っていた。商人であろう男はルートヴィヒの姿を認めると旧知の仲であるかのように怠そうな顔色を変えてこちらを見てきた。


「よう、いらっしゃい! ルートヴィヒ、いつも通りポーションかい?」

「普通のようなそれゆえ、癒しと解毒減少。私は彼に頼む」

「治癒と解毒のポーションか! 全然あるが、そこのイケメンのあんちゃんは誰なんだい?」


 口髭の商人は積み上げられた箱の中から二つの木箱を取り出した。ルートヴィヒの前にそれを置くと、鉄具で釘を手際よく取り外し始めた。


「人の名前を聞く前に自分から名乗るのが礼儀じゃないか」

「なんだか、お兄さん怖いねえ! 俺はしがない東方商人イルハーム・ビン・アブドゥッラー・アッサイードさ。ポーションしか扱わないよ」

「はあ、なんかアラブ人の名前みたいだな……」


 そういや、ナーロッパにはあまりアラブ人っぽい人名がメインキャラとして出てこないような。中世ヨーロッパ基調にしてはイスラーム世界の影が薄すぎる気がしないか? まあ、そんなこと誰も気にしてなさそうだが。

 そんなことを考えていると商人イルハームは頬を掻きながら、唸った。


「んー、良く分からんけど結局お兄さんの名前は何なんだい」

「ヤン・セツガザキだ。冒険者パーティー誘蛾灯の人間だ」

「おー、お兄さんは冒険者だったかー! なら、今日持ってきた新しいポーションを紹介してやろう!」


 イルハームはルートヴィヒの前に開いたポーションの箱をそのままにして、奥の方から一本の瓶を取り出してきた。


「新しいポーションって一体何の効果があるんだ?」

「このポーションを飲むと空を飛ぶことが出来るんだぜ! クールだろ!?」

「それがあればドラゴンとか要らなそうだな」

「ただ3分しかこのポーションの能力は続かないから、それまでに着地してないと墜落するな」

「ウルトラマンか何かかよ」

「だから、能力が切れそうになると目の前が赤く点滅し始めるようになっている」

「めっちゃイライラしそうだな、それ……」


 ルートヴィヒは俺たちの他愛もない話を聞きながら、ため息を付いていた。


「彼はいつも無価値の液状の医学を追加し、販売を強制している。私がそれについて悩まないことリターン、これらの2つのボックスが十分な、ヤン」

「人聞きの悪い事言うなよ~ 押し売りなんてしてないだろ~?」

「それはあなたに押し付けられて、よく理解されない液状の薬は、店の後ろで収集される……!」

「うぐっ……! 分かった、ただこいつはお試しでお兄さんにタダでやるよ!」


 イルハームは俺にポーションを押し付けてきた。手元に来た瓶は意外に大きい。


「要らないんだが……」

「おいおい、十四回分のお徳用ポーションだぜ?」

「お徳用ポーションとかファンタジー感ぶち壊しだ……」

「じゃあ、また何かあったら宜しくな~!」


 結局の所、押し付けられたポーションと共に木箱を持って帰ることになってしまった。ルートヴィヒも押し返すことが出来ないほどにイルハームの押しは強かったのであった。

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