2話目 家族

 幸い、俺にはアテが一つだけあった。少年時代を共に過ごしたB.Jという、恰幅の良い強面の親友が居た。


--Black・Jack(ブラック・ジャック)。略してB.Jだ。


彼の仲間内からは偶に、気に入っているオリジナルの義足の型番の089も入れて、B.J.089と呼ばれる事もあった。


B.Jは俺と同じく何でも屋だが、唯一信頼できる仲間でもある。少年時代もその日暮らしで生き長らえていた。自分達には共に仕事をし死地から帰るだけで、友情はどんどん深くなっていった。


 無論、他にも家族はいた。血は繋がっていないし、親も居ないが。皆コードネームで呼び合い、一緒に飯を食い、一緒の寝床で寝た。だが、幸せは長くは続かないものだ。かつての仕事で盗みに入ったカルテルに居場所がバレ。多くの者は死に、他の生き残りとも離れ離れになった。


幸い、俺とB.Jは離れ離れになった数ヶ月後に再開出来た。お互い用心深くはなっていたが、かつての家族は相も変わらず破茶滅茶でヤロウだった。

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