君恋す歌

 新緑ざわめく夏の香に

 想い寄せてぞ懐かしき

 魂割れつつ彷徨える

 吾の双子を探し行く


 あの山々の向こうかと

 一目見れば分かるとも

 川を隔ててあの向こう

 桃源郷に君はいる


 多くの信を捨てにけり

 我は空つぽ何もなし

 硝子の靴か何かのやうに

 その穴埋める君何処


 嗚呼君何処探し行く

 吾の信を持ちし君

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