第14話

#14.....黒騎士伝説


マインド リバーの村長のジラフに、話したい事と見せたい物があると言われ、ジラフの後を角のある馬と一緒について行った。

心の糸が切れてしまって動かない相棒の白い少年ゼノンを気にしながら.....


ジラフの後について少し歩いた所に、この村で一番大きい(大きいというだけで豪邸とは、言い難い )と思われる家の前で、ジラフが「ここに、馬を....」とジラフが、家の脇にある馬小屋に 角のある馬を繋ぐように言われ、俺は、ジラフの指示に従って角のある馬を馬小屋に、繋ぎつつ 角のある馬 ブラックゲイルに「また 暴れるんじゃねぇぞ!暴れたら今度は、許さねぇからな!いい子にしてんだぞ!」と言葉は、キツイ言い方をしたが 優しく鬣を撫でてブラックゲイルに、微笑んで「少し待ってな。」と言って角のある馬を馬小屋につないだ。


ブラックゲイルをつないだ馬小屋から、また少し歩いて ジラフの家の玄関に着いた所で、玄関のドアが開き 中から優しいオーラを纏いつつ大らかで、品のあるジラフの奥さんの老婆が、「さぁ、中にお入り下さい」。と俺に一礼しながら家の中に勧められた。ジラフの後に続いてリビングに、案内されリビングの椅子に座る。


そして老婆が、「この村の村長をしているジラフの嫁のキリアと申します。」と丁寧に挨拶されて少し改まってしまった自分に「俺、こういうの苦手なんだ」とあらためて感じ自分の大人力の無さに、ガッカリする。

キリアが、「何かお食べになりますか?」と訪ね 次に ジラフが、「大した物もありませが 遠慮なくお申し付け下さい。」と勧められた。 流石に腹が減っていたので、「パンとスープを少し頂けたら、嬉しいんだけど.....」と後半口ごもりながら、ジラフとキリアに お願いしつつ 白い少年 ゼノンに少し申し訳ない気持ちになった。

パンとスープが運ばれてそれを頬張りながらジラフとキリアの会話を聞く、俺が、食べ終わるのを待って話そうと俺に気お使ってくれている優しさに、なぜこんな人達がこんな目に会わなければならないのかと、この世界に、苛立ちを感じ 何もできない自分に、腹が立つ!


俺がひとしきり食べ終えたのを見計らってジラフが妻のキリアと話すのをやめて俺に静かに話し出した。

「この村には昔から 黒騎士伝説がありまして ...」と俺を見据えて話出しジラフは、話を続け出した。

「私が産まれるずっと昔に、この黒騎士伝説は有りまして 私も 曾祖父さんから聞いた話しで、この村に、暗黒の邪龍が住みついてこの村の人々は、長い間 この邪龍に苦しめられながら苦しい生活を続けていました。

この邪龍は、7つの首と三本の尻尾を持ち 体は、黒く硬い鱗に覆われている。マインドリバーの人々の中にも邪龍を倒そうと勇敢な戦士達が、奮闘していましたが倒す事は出来ずにいました。

いつものように邪龍が村を襲って来ました。マインドリバーで一番の刀鍛冶が、邪龍を倒す為に最高の戦斧を作り刀鍛冶の息子の戦士が邪龍の襲撃を待ち 一死報いようとこの時を待っていました。そしてマインドリバーの戦士達と邪龍の闘いが始まり、いつものように邪龍に防戦一方の中、最高の戦斧を振りかざし邪龍に、戦斧を喰らわそうと必死になって戦斧を振り回して対抗するものの邪龍に致命的な一撃を与える事が出来ないまま、撤退をせざる負えなかったそうです。

その時、マインドリバーの村の入り口から一人の騎士らしき人影が現れ、手には、黒く光沢のある剣が握られていたそうです。」

とここまで一気にジラフは話し、ゴホっと咳払いをして一息ついて俺を品定めするかのように、じっと俺の瞳(め)を見据えている。

俺は、この空気に居た堪れず、頭を掻きながらじっと見据えているジラフに続きを話すように促した。

ジラフは、またゴホと咳払いをして水を一口含み続きを話し出した。

「マインドリバーの入り口から入って来た黒く光沢のある剣を手にした騎士は、黒い閃光の如く速さで、邪龍の前まで行き、黒く光沢のある剣で邪龍に対峙しました。邪龍は、黒い騎士に向かって三本の尻尾を鞭のように振り回して襲いかかりました。黒い騎士は、三本の尻尾の攻撃を受ける事無く、動くか動かないかのスレスレでかわし邪龍に対峙したまま、邪龍を見据えていました。邪龍は、三本の尻尾の攻撃が黒い騎士に当たらなかったのが腑に落ちない様子で、七つの首をもたげて七つの口から青黒い炎を一斉に黒い騎士に浴びせました。黒い騎士は、邪龍の近距離からの青黒い炎の攻撃に動じる事無く、黒く光沢のある剣を左から円を描くように一閃し青黒い炎を回避しました。そして黒い騎士は、小さい声で邪龍に囁きました。「お前は、やり過ぎたようだ…お前もアイツの作品だな!消えろ!」と邪龍に囁き黒い閃光の如く七つの首を、黒く光沢のある剣で次々切り落とし残った邪龍の身体に黒く光沢のある剣から黒い衝撃波を繰り出し邪龍の身体を消滅させました。

村の戦士達が何年もの間、倒す事が出来ず苦しまされて来た邪龍をものの数分で倒した黒い騎士の周りには七つの邪龍の首が転がっていてその中央に黒く光沢のある剣を手にした黒い騎士が佇んでいました。まるで黒い神が降臨したかの様だったと言い伝えられて来ました。まるで今の貴方の様に…。」とジラフは、話を締め括った。


俺は、ジラフの最後の「まるで貴方の様に…」と言う言葉にゴホ、ゴホと吹き出して咽せてしまった。



........ to be continued




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