第10話
#10......灰色の王
リンクスとリゼルが朱雀の間から消え主人だけ残した朱雀の間では、スザクが最終形態の姿であるにもかかわらず身体中の血管をウニウニと動かし中には血管が破裂しているものもある。まるでまた更に変化しそうなほどの怒りを撒き散らし暴れ回る。収まりようのない怒りを何処へぶつけていいのか分からず、部屋を破壊しているが怒りは、膨れ上がるいっぽうだった。そして壁をぶち壊した瞬間、壁の中から赤い炎が吹き出しその炎の中から腕が伸びて来て、スザクの首を鷲掴みにし怒り狂うスザクを持ち上げた。スザクは、怒り狂う頭で何が起きているのか分からないが首を鷲掴みにされている、この状況は、解るらしく更に血管を破裂させ怒りを爆発させる。「貴様は、何者だ!私を誰だと思っている!ただでは済まさぬぞ!」と雄叫びを上げ首を掴んでいる腕を引き千切ろうとしたその時、炎がリンクスの形になっていき、リンクスの姿が炎の中から現れた。スザクは、ニヤリと笑いながら、舌舐めずりする。..........スザクは「リンクス戻ってきたのか!そんなに私と戦いたいか?私は、お前と戦いたくてたまらないぞ、さぁ生死をかけた戦いを繰り広げようぞ!」と叫びとも発狂ともわからない悲鳴を上げて首を鷲掴みにしている手に喰らい付いた。そしてリンクスのうでにシャブリ付き噛みちぎる。しかし腕を噛みちぎられたリンクスは、顔色一つ変えず逆の腕で浮き出た血管を掴み引きちぎりスザクの顔が、グシャグシャになるまで殴り付けた。スザクが、一歩引いて態勢を立て直すとリンクスは、その場に立ったまま動かない。先程戦っていた感じとは、全くの別人と戦っている感じで、スザクは煮え滾る感じがしない。スザクが腑に落ちないでいるとリンクスが、突然近付いてスザクの六本の腕をいきなり引きちぎり、スザクを炎で包んで蹴り倒した。吹き飛んだスザクの先に、灰色の燻んだオーラを纏い、哀れみの瞳でスザクを見下ろす男が、佇んでいた。そしてその男がスザクに言う「お前如きが、我が同士の赤帝に、叶うはずがなかろう!所詮お前達は、私のオモチャなのだからな!クズどもが!少しでも私を楽しめるよう改良してやる。ドクトル.ゲノム連れて行け!」スザクは、そこに立っているリンクスは、灰色の燻んだオーラを纏い自分をクズと呼ぶこの男が作りだしたクローンだと気付く。そしてドクトル.ゲノムの部下に引きづられながら、スザクは、灰色の男に「申し訳ございません。必ずや、オプスキュリテ皇帝のお力に!」叫びが、朱雀の間に悲しく響いた......灰色の燻んだオーラを纏った男は、顔色一つ変えずドクトル.ゲノムに「一応死神の一人だ、それなりに使えるようにな!」と一言残し姿を消した。ドクトル.ゲノムは、「灰色の王の仰せの通りに!」と姿の無い朱雀の間で、一礼してスザクを運んでいった部下達と同じ方向へと消えていった。
..........to be continued
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます