第3話

♯3....白い少年


どれ位気を失っていたのだろうか?良くわからないが、首を鳴らしながら立ち上がり、記憶を探る。目覚め、オプスキュリテとか言う輩に襲われ戦闘になり眼光真紅の男を思い出し、ちょっとイラついた。そして、剣から何かが俺の眉間を貫いたところまで思いだした。そして、ハッと思い出し、剣を瞳(め)で探したがどこにも見当たらなかった。周りに散乱している鉄屑を見渡す。そして、アタッシェケースの様なものを見つけ、開けて見た。中には、レーダーのようなまたは、パソコンのような機械になっていて、電源ボタンを押し画面にパスワードを入れた。ふと気付くと自然にこの機械を操作しパスワードまで打ち込んでいる。画面に波線のような模様が映しだされ画面右上に同期作業中と書かれている。自分の眉間とパソコンらしき機械が無線LANで繫がっている感じがする。自分のデータがどんどん身体に入ってきている。自分が戦闘慣れしているのも元もと戦士だったようだ。後少しで同期作業が終わる瞬間、瞳(め)の前のパソコンらしき機械が異常を伝えエラーが表示された。何か良く解らないが、最後まで自分のデータが送られなかったのは、確かなようだ。が今なら奴に勝てる気がする、あの眼光真紅の男に、今までで最高の屈辱をあじわった。戦士としての誇りとしてあの眼光真紅の男をぶちのめすと心に誓い、持っていたパソコンらしき機械を放り投げた。周りに転がっている。使えそうな物をかき集め、眼光真紅の男に会いに向かおうとした時、瞳(め)の前に白い少年がこちらを見て笑っている。


俺は、白い少年に鋭い視線を向けて様子を見るとまだ子供のような出で立ちながら髪は白く、肌も透き通る様に白い、「なんだガキか!」と無視して先を急ぐ。白い少年が「なんだよ、無視すんなよ!」と口を尖らせてつっかかって来る。あーめんどくさい、だからガキは、嫌なんだよと思いながら無視して先を急ぐ。白い少年は、あからさまの 態度に頭にきて回りの小石を浮遊させ俺の回りを囲いこんだ。本当にめんどくさいガキだと思い、渋々「俺に何かようか?くだらないことで足止めしてんなら、ガキでも殺すぞ!」と少し脅し大人げない態度で、かわす。白い少年は、「殺れるもんなら殺ってみな!」と浮遊させた石を一斉に投げつけて来た。が俺は、瞳(め)に少し力を入れた刹那、襲い掛かって来た石達が一瞬で粉砕された。白い少年は、目が点になっている所にすかさず後ろに周り込み、白い少年の首根っこを捕まえて、瞳(め)の高さまでつまみあげた。「クソガキ本当に殺すぞ!」と怒鳴った俺の背中からギャハハと笑い声が聞こえてきた。振り向くと白い少年が腹を抱えて笑い転げていた。そして、手には、白い兎を握っている自分がいる。白い少年が、笑うのを辞めて鋭い目を俺に向けて「黒いおっさん、今あんた死んでたぞ!」と一言いってまたギャハハと笑い転げた。確かにこのガキの言う通りだった。完全に後ろから殺れていた。何なんだと怒りを通り越し自分に嫌気がさした。目覚めてからずっと殺られぱなしでイラつく頭で、この白い少年をどうするか考える。白い少年が「何、考えてんだよ!」と口を尖らせ俺に言う。俺は、すかさず「お前を泣かす方法を考えてんだよ!」と怒鳴り帰した。そして俺は、白い少年に聞き返す「お前、一体何が目的で俺に、付きまとってんだ!お前は、何者なんだよ。」と白い少年を見据えた。白い少年は、「知りたいかい?シルフ族らしいよ。自分でも良く解らないけどね。」と笑顔をよこす。そして俺が聞き返す「そのシルフ族がこんな所で何してんだよ?」白い少年は、さっきまでの明るい表情から硬い顔に変わり話しだした。「俺達は、この近くの眠れる森で静かに暮らしていたんだ!だけど半年前にオプスキュリテの襲撃に合い滅ぼされたんだ!」白い少年は、歯を食いしばり拳を握り締めた。そして話しを続けた「俺達、眠れる森のシルフ族は、戦士は、ほとんどいないんだ!俺の他に数人しかいない。その日俺は、じぃちゃんの知り合いが居るグリーンウォークの丘に住むシルフ族に荷物を届ける為、護衛として眠れる森を出ていたんだ!

俺達は一瞬にして全滅した。俺を育ててくれたじぃちゃんや森の仲間も!だからイデアルの仲間になって仇を取るためさ!」白い少年は、拳から血が出るほど拳を握り締めていた。俺は、白い少年の拳をゆっくりひろげ白い少年の頭をかきむしりながら「殺っつけに行こうぜ!坊主」とイデアルの古城目指して歩きだした。後ろから白い少年が「俺は、坊主じゃない!ゼノンて言う立派な名前があんだよ!」と怒鳴って走り寄ってくる。俺って情に流され易いなぁと思いつつ、目的とガキの相棒ができた事に納得する自分がいた。


............to be continued

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る