幕間 悪魔サイド

『僕の仮説が正しければ壁をすり抜けて春樹君…?だっけ?に助けを求めることもできるはず!』

そういうと僕、レンタンは外へつながっているであろう壁をすり抜けようとした。

悪魔の僕なら壁をすり抜けることぐらい、簡単だけど…

『よいしょ…っと。あ、いけそう…って、痛!?』

途中まではすり抜けられた。が、それ以上すり抜けようとすると見えない壁のようなものにぶつかり、すり抜けることができない。

『も、もう一回!』

たったったった………、すーっ…ガン!

『痛ったあ!?』

勢いをつけてすり抜けようとしたが、案の定にぶつかる。




『ううー…。四季ちゃんを置いて逃げられないってことかぁ~…』

ピーンとひらめいた。だったら…、正面突破はどうだろうか?

入口らしき扉を探す。さいわい、外へつながる扉じゃなければすり抜けることはできるらしい。

『…ここ、か』

入口?には大きな扉があった。そこへ続くようにレッドカーペットが敷かれている。

『土足オッケーかぁ…』

ふよふよ、と空中から足を下ろす。

『地に足を突くの、いつぶりかなぁ…。まぁ、僕が四季ちゃんからのは最近だけど』

ずっと浮いていたから足元がふらふらするが、入口にタックルしてみた。

『いって!』

まるで鋼鉄こうてつに体当たりしているような感覚が返ってきた!

『うー…』

がちゃがちゃとドアノブをいじってみる。…開かない。ピクリともカチャリとも言わない。




「何してるの?レンタン」

不意に後ろから声をかけられ、

『うわあああああっ!?』

と、びっくりしてしまった。

『なんだ、四季ちゃんかあ…』

「なんだ、じゃないよ!脱出しようとしてたの?私を置いて?」

ギクッ

『い、いやー…そんなことはない、よ?』

目線がどぎまぎする。

「ふーん、怪しいけど、まあいいや」

『いいんだ!?』

「それよりこれを見てよ」

四季ちゃんが取り出したのはとかかれたカギだった。

『えっ、カギ!?こんなの、どこで…』

「更衣室で見つけたの。もしかしたら、ここへ来いってことなのかも…」

『罠の可能性もあるよ?どうするの?』

「うーん…」

四季ちゃんが考え始めたとき、ぐぎゅるるるという音が聞こえた。

「ごめん…お腹すいちゃった…。とりあえず、いってみてダメなら出ればいいし…」

『そうだね。あはは!お腹すいたんだね~!』

「食堂って書いてあるし、何か食べれるもの、あるでしょ!さ、行こうレンタン!」

『あっ、ちょっと、手を引っ張らないでよ~!』

僕はずるずると食堂まで連れて行かれた。

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