第2話 正義の名の元に

トネガワはそれからヤマタクの過去ブログから矛盾を見つけどんどんと自身のブログで論破していった。

その都度、トネガワは2ちゃんねるとTwitterでの報告を行った。


ネットでは、

「いつもご苦労様です。この調子でヤマタクの悪行を暴きましょう!」

「さすが!トネガワ」

「ヤマタクってそんな人だったのですね。知りませんでした」

の声が上がる。


ツイッターでも徐々にトネガワのフォロワーが増えていく。

「トネガワさん、頑張ってくださいね。ヤマタクの悪行を追及しましょう!応援しています!」

ツイッターがうなぎ登りに増えていく感覚、それもトネガワにとって初めての感覚である。


トネガワはあくまでも悪いことはしていない。誤りを指摘しているだけである。そこはトネガワも注意している。”感情論での批判はダメ”と。


そう言う事を数回繰り返す事に、あるメソッドがあることに気がつく。


実際の所、トネガワのブログの他の記事には全然アクセスがない。これはヤマタクのエントリーを公開してからも変わらない。

しかし、このヤマタクを叩いた時だけそのエントリーのアクセスとTwitterのフォロワーが爆発的に増えると言うこのメソッドに。


「そうか、ネット上で誤解を招くような事を書いている人を叩けばバズるのか!」


ヤマタクから派生して、Twitterなどでヤマタクと絡んでいる人の不備を次々に指摘していく。


トネガワのブログは日常の些細な出来事や、新製品の紹介エントリーが大多数を占めていたが、このメソッドに気付いてからはヤマタクを叩くエントリーの割合がどんどん増えていった。カテゴリーは”ヤマタク界隈”である。


その内に新着エントリーはヤマタク界隈のカテゴリーが大部分を占めるようになっていった。


トネガワは気がついていない。自分がメソッドの旨味に染まっている事に。


ただ、トネガワはヤマタク界隈のエントリーを書き続ける。

正義の名の元に…

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