不憫/ハンディキャップ/赦し

 童話脳で小公女脳でハーレクイン脳なので、不憫な境遇の主人公をすぐ設定してしまうんですよね。癖です。

 不当にいじめられるシンデレラ(後に求められて王子の妃に)、不当に呪われる眠り姫(眠ってたら発見されて王子の妃に)、無茶なおつかいに出されるマルーシュカ(継母と義姉は十二の月の精を怒らせ自滅)、弟を溺愛する母お江与に疎まれる竹千代(下克上されず無事将軍に)、全部好き。


 あと、これも癖なんですが、声が出せない、目が見えない、特定のものが聞こえない、などの割とあからさまなハンディキャップを持たせることが時々あります。あとは容姿を醜くするとか(顔の造作が美しくない、あるいは大きな何か痣とか傷とかそういうものがあるなど)。

 『説明性の高い傷付き/不自由』の要素を欲しているのかなと思っていて、我がことながら考えさせられるものがあります。たいがい、私はこんなに酷い目に遭ってる、辛い苦しい悲しい理不尽だ助けてよ、とは叫べない子が出てくるので、言葉の代わりに何か付け加えようとしてしまってるのかもしれません。今回この点はレアについてもイールについても言えます。


 そんなこんなで、カラヴィンカを書くにあたっても最初から「最大の性質と見なされている美しい声を持たない、明白に出来損ないで冷遇されたカラヴィンカ」ということを考えていました。

 最終的に、余りものレアは声が出ず砂漠みたいにパッサパサにれて顔色最悪の容姿で「醜いので姫の前に出るなと言われている」という設定になっています。

 また、悪夢イールは凶々しい血色の髪で、身体を切り分けても再生するかなり気持ち悪い感じの生命力があり死ねない長命、しかも元皇子でありながら国に棄てられた過去を持ちます。


 外見・内面ともに世間的には及第点じゃなさそうなキャラクターが、それだけに自分で自分を呪ってしまっていたところを、急に手放しに承認してくる相手が現れて世界がグルンと変貌してしまう展開が大好物ですね。


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