ボーイミーツガール/運命の巡り合わせ

 そもそもはガールミーツボーイが好きで、何かっつーと屈折した訳ありガールが何か悟った感じの訳ありボーイに出会う話を書いていた子供時代でしたし今でもそうです。

 で、いつもいつもこじらせたガールがちょっと変わったボーイに発見されて受け入れられる話ばっかし書くのもねえ、と思ってガールミーツボーイではなくボーイミーツガールを時々やります。


 今回も最初はガールミーツボーイだったんです。歌えないためにしいたげられた迦陵頻伽カラヴィンカの少女が救われる話で、少女側の一人称文体でした。

 でも何かさぁ……いざ書き始めると、

「あーまたいつもの私が好きなやつかなぁ、パターンかなぁ」

って自分で思っちゃってさぁ(思わないでゴリゴリ書けることもあるんですけどね)……で、書き直し書き直し、ある時急にボーイミーツガールにひっくり返ったらまあいけそうだったんよね……しかも事故的に引っくり返ったんであって「そうだカメラの置き位置逆にしよ!」などと自分で考えてやったことではないのであまりにも偶然です。適当です。


 物語の設定とか悪夢イールの生い立ちができたのはイール一人称に変えて書き直し始めてからです。

 大体あんまり何も決めないで書き始めてしまって、こんな風に書きながら決めてはさかのぼって直し、ということをやるので、原理的に連載ができません。


 それにしても、このくらいの長さを一貫した一人称でやったのは久し振りじゃないだろうか。字数が万を越えるものでは『春と雨』以来かな。


 あと、この広い世界で他の誰でもないたった一人の特別なきみに出会う物語が好きすぎる普通のオタクなのですぐそういうやつ書きます。きみじゃなきゃだめなんだ的なやつ。

 そのためにはどんな理由でもつける! 吸血鬼が生涯に一度見つける伴侶だとか、姉の予言した約束の少女だとかです。特別特別特別の重ね塗り。好き。

 セカイ系ではないんですよね。きみとぼくの関係性が世界の命数に直結するようなやつはあんまり書いたことないです。むしろ子供の頃の方がそういうの多かったですね。今は、きみとぼくが左右する世界、ではなくて、きみのいるぼくの世界、きみを見るぼくがいるきみの世界、ばっかり書いてる気がします。


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