Act16.ビッグアイ Part3

 何とか『鬼霊戦記星見会』を終え、永遠は刹那たちと共にビッグアイの二〇階にある多目的研修室に移動していた。


 ここで『鬼霊戦記福島聖地巡礼ツアー』最後のイベント、記念撮影会が行われる。参加者一人ひとりと、監督と声優陣が一緒にポラロイド写真を撮るのだ。


 合計七人が写るので、収まる位置を確認する。


「永遠君も入って」


 東雲が手招きする。


「でも、わたし……」


「キャラクターがいた方が何の写真か判るし、君が一番参加者の記憶に残るはずだから」


「は、はい……」


 それから四十人のツアー参加者と永遠は写真を撮った。


 こんなに写真を撮られたのは初めてだし、これから声優業界や芸能界でガンバってくれと皆から励ましの言葉をもらった。アークソサエティから身を隠すために、刹那の妹の振りをしているだけなので、朱理は申し訳なくなってしまった。


 写真を撮り終え、ツアーイベントが終了した。御堂永遠としてのこの半日の行動が、自分の運命を大きく変える事を、真藤朱理はまだ知らない。

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