第22話

「──いい加減っ!起きろっ!」


バシィンッ!


「──ッ!?う……おろろろろ……」

「智哉ッ!?まさか起きてすぐ吐くってのは聞いてねえぞッ!?」

「うぇっ……お薬……魔力回復薬おうえ……」

「よぉーし確か青色だったなぁ!?そら飲め!」


最悪の顔色で叩き起された智哉は俺が出した魔力回復薬を一気飲みする。──余計吐きそうな気がしなくもないが……大丈夫か?


「うぇっぷ……気持ち悪い……でもさっきよりまだまおええええええええええええ。」

「おらもう一本だ飲めっ!」


──三本目を飲み干したあたりでようやくまともな受け答えが出来るようになる。……全く……本当に疲れたんだが……


「うぇっ……ふう。だいぶマシにはなったな……んで?右頬ビンタした挙句体調不良者にお前はなんの理由があって飲み物を強引に飲ませやがったんですかねぇ……?うっ、ふう。」

「理由?さっきの天変地異の原因とここからどうするかの相談だ。別に一人で動いてもよかったが……友人見捨てる程俺も腐ってねえよ。」

「……そんなことか。天変地異の原因は『気象魔法』っていう魔法が制御しきれなかっただけ。あとこっからの行動だな。……好きにしろ。俺は寝る。眠いんだ。」

「ちょっ!?せめてリンネさんの居場所ぐらい教えてくださいませんかねえっ!?合流しないとお兄さんぶっ殺されちゃう!」

「この道真っ直ぐ……十三番目の路地入ればいる……ぐぅ……」

「──ったく。せめて道路端にでもやっとくか……まぁ道路が融解して変な形に固まってるけどさ……よっ!と……」


寝落ちしてる智哉を道路脇に置き、そのまま指示された方向に向かって歩き出す。……住民からの目線が痛いっ!皆怯えた表情でこちらを見てくる。その目には恐怖。誰も近寄ろうとせず、遠巻きに眺めてくる。

……まぁ、そりゃそうだろうよ。唐突に何も無いように見える丘に向かって周囲を巻き込んで天変地異起こした挙句丘を消し飛ばしたんだから……俺はなんもやってねえのにっ!俺は悪くねえっ!


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