第14話 王様への贈り物

 これは遠いところにある国のお話です。

 その国の王様は、それはそれはわがままで強欲、その上ものすごくケチで有名でした。

 その王様が1週間後に50才の誕生日を迎えることになり、お城には国内外の各地から贈り物を積んだ馬車や荷車が毎日行列をこしらえています。プレゼントの大好きな王様は、遠くまで続く行列を見て大喜びでした。

 明日が誕生日という日になって、ようやく城下の人びとを代表して贈り物を届けることになったピエールのお城に入る番です。

 滅多に入ることのできない城内は、大きな石がいくつも積まれ、見るからに頑丈そうです。そしてあちこちに無数の兵隊や門番が警護をする姿も見られます。

 ピエールはいくつも階段を昇り、目の前にある大きな扉の中に入ると、そこにはものすごく大きな広間があり、壁も天井も豪華な飾りや見たこともない絵で飾られていました。

 大広間の両側には山のように贈り物が置かれており、いちばん奥の玉座には黄金の冠を被った王様が訪問客ひとりひとりに話しかける姿があります。いよいよピエールの番が近づきました。こんな近くで王様を見るのは生まれてはじめてです。


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