第11話

「急に雨が降ってきたので雨やどりをしてるんです。もしよかったら、一晩だけでも泊めてもらえませんか」ネズミがいいました。


 老ウサギは少し考えてから、「何もかまうことはできないけど、それでもよかったら泊まってきな」と親切にいってくれました。


 ネズミはたいそう喜んで、ウサギの後についていばらで出来た家の中に入りました。


 家の中は広々としていました。


 夕飯をごちそうになったネズミは、よほど疲れていたのかワラのベットで深い深い眠りにつきました。


ネズミが目をさましたのは、次の日のお昼近くでした。


 目をさますとそこにはすでに食事の用意がされており、食べるばかりになっていました。


 畑仕事からもどったウサギがいいました。


「よく眠れたかい。お昼のしたくがしてあるからゆっくりおたべ」


 親切なウサギはそういうと針仕事を始めました。


 昼ご飯を食べながらネズミは考えました。この家にいるうちは食べ物にこまらないからウソをついてしばらく世話になることにしよう。


 さっそくネズミは体調が良くないことをウサギにいいました。


「そりゃあ気のどくだね、いいよいいよゆっくりやすんできな」


 親切なウサギはいやな顔ひとつしずにいいました。


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