岡山の少女 12

車は、国道2号線を矢のように疾走して、たちまち前方に吉井川が見えて来た。


川沿いにしばらく車を走らせ、橋を渡りきった時、彼女が言った。


「ねえ、閑谷学校へ行ったことある?」


「閑谷学校って、昔の学校だろう」


「そうよ。とっても静かな所よ。そこへ行って見ない?」


「僕は別にかまわないよ」


車は国道をそれて左折し、山道へ入った。


山肌を縫って行くうちに、思わず秋の深さを知って驚いた。


草木はすっかり色づき、稲の穂に秋の日差しが侘しく降り注いでいる。


ひんやりとした冷気が車内に忍び込み、少し肌寒さすら感じた。


午後4時頃、閑谷学校へ着いた。

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