岡山の少女 12
車は、国道2号線を矢のように疾走して、たちまち前方に吉井川が見えて来た。
川沿いにしばらく車を走らせ、橋を渡りきった時、彼女が言った。
「ねえ、閑谷学校へ行ったことある?」
「閑谷学校って、昔の学校だろう」
「そうよ。とっても静かな所よ。そこへ行って見ない?」
「僕は別にかまわないよ」
車は国道をそれて左折し、山道へ入った。
山肌を縫って行くうちに、思わず秋の深さを知って驚いた。
草木はすっかり色づき、稲の穂に秋の日差しが侘しく降り注いでいる。
ひんやりとした冷気が車内に忍び込み、少し肌寒さすら感じた。
午後4時頃、閑谷学校へ着いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます