第11話『私が私であるために』
橋本美樹のすべてが変わってしまったのは、残暑の残る9月のある夕方だった。
日は暮れかけているけが、特急なども停車する比較的大きな駅の前にある広場は問題にならないほど明るく、行き交う人々の流れも途切れることはない。
その広場の一角で、路上演奏をする三人の女子高生の姿があった。
「疲れたよね。ちょっと休もうか」
晃子の提案で、美樹と千絵は演奏の手を止めて、地べたに座り込んだ。
それぞれにギターを駅の建物の壁に立てかけて、少しばかり痺れた指を休めた。
「なんか、人って集まってくれないよね」
張り合いなさそうに、千絵がため息をつく。
「……そうだよね。結構弾けてると思うんだけどなぁ」
美樹も、ちょっと自分のギターの腕と声に自信を持っていたただけに、その悔しさも人一倍である。
学校の友人などはベタ誉めしてくれるため——
『外だとそこまではいかないだろうけど、少しは誰か聴いてくれるんじゃないか?』
そんな淡い期待があった。しかし、行き交う通行人はただ首を向けるだけで、通り過ぎてしまう。彼女たちがここに立ち始めてから今までで、知り合い以外の人間が立ち止まったことは、ただの一度もない。
彼女らはここで歌いだして二ヶ月になる。
週に三回以上は、都合をつけてここに来て2、3時間ばかり演奏している。
学校での仲良し三人組で会話していた時に、『バンドって、なんかカッコよさそうじゃん?』という話になって、それじゃあやってみる? という実に安直な展開の中で始まった活動だった。
三人は、バイトなどしなくてもそこそこ経済的に裕福な家庭の子で、親も子どもに甘かった。彼女らは、いともたやすくプロ使用のエレキギターやスピーカー・アンプ一式、マイクなどを手に入れた。
さすがに、家や路上ではそれらの設備をフルに使うことはできなかったが、いつかは本格的に活動する! という『取らぬ狸の皮算用』で未来への投資をしたのだ。
彼女らはギターの教則本を買ってきて、独学で弾き方を覚えた。
もともとセンスも備わっていたのか、独学でここまで弾けるなら大したものだ、というレベルにはギターを使いこなした。しかし、所詮は高校生の浅知恵ですること。
三人が三人ともリードギターとメインボーカルばかり練習して、ベースやドラムの必要性など考えていなかったし、高音部と低音部などのパート分けという概念すらなかった。
少しでも路上演奏などというものをやってみたことのある方ならお分かりになるだろうが、ちょっとやそっとではまず『知り合い以外の他人など、誰も立ち止まってくれなくて当たり前』なのである。
そんな簡単に人が寄って来るなら、苦労はない。
もし、まったくの無名の状態で、赤の他人を路上で30人か40人も集められたら、音楽界のほうで放っておかないだろう。とっくのとうにデビューして人前で歌っているはず。
腕に覚えがあるアマチュアでさえそれだから、世間知らずの『テキトー女子高生バンド』など、人に立ち止まってもらおうと思うほうがムシがよすぎるのだったが——
美樹たち三人は逆に「何で誰も立ち止まってくれないわけぇ?」などと憤慨する有様であった。
「制服を着たカワイイ女子高生が演奏してるってだけでも、誰か寄って来るんじゃないかな?」などと心の隅で思っているのだから、実に音楽をなめている、と言わざるを得ない。
「ねぇ」
急に晃子が、他の二人に話しかけてきた。
「あそこでさっきからギター弾いてる人さぁ……ちょっとすごくない?」
言われて、美樹が晃子の指差すほうを見ると——
彼女らとはちょうど広場の噴水を挟んで反対側の場所で、ギターをかき鳴らしている女性がいるのが分かった。
「うそっ」
美樹は、驚いた。そしてその驚きには、少々の妬みの感情が入り混じった。
恰好は特別じゃない。ジーンズに白のTシャツと、実に平凡。
ギターは、エレキではなくアコースティックギター。
しかも、歌っているのは学校で習う唱歌のような、メロディーのはっきりしている分かりやすい曲ばかり。
その女性は背が高く、顔は確かにすれ違ったら思わず振り返りたくなるような魅力がある。髪の毛も、きれいな黒のロングヘアだ。
その女性の周りには、適当に数えてみただけでも35人がいた。
今まで見てきた路上演奏仲間で、そんな数を集めている人を初めて見た。
というか、その女性自体がこの辺りでは見かけない初めての人だ。
……なんで、あんなんに負けるのよ。
美樹は、正直そう思った。
「ちょっと、私思ったんだけどさ」
晃子が、いい考えでも思いついたように提案してきた。
「あの人があんなけ人を集められるってことはさ、よくは分かんないけど何かがすごいんだよ。後でさぁ、ちょっと話しに行ってみない? うまくすれば、コツとか何か教えてくれるかも!」
「……そうね」
美樹は、さっきから問題の女性の声に耳を傾けているのだが、何でそんな歌に人があつまるのか、ちっともその良さが理解できなかった。けど、現実に人が集まるということは、晃子の言うように『何か』があるんだろう。頭を下げるのは癪だが、この先の利益を思えばここはひとつ我慢するか、と美樹は打算的に考えた。
「じゃ、後で行ってみようか」
そう言いながら、片方で人だかりができる中での演奏をする気にはならなかった美樹たちは、ボウッとして謎の女性の歌を聴くともなしに聴いた。どういう聴き方をしても、彼女らにとっては音楽の授業で聴かされる真面目くさった歌と大差ない。
逆に、その女性の歌に群がる人の気が知れない、などと思う始末であった。
1時間もぶっ通しで歌ったその女性は、やっと休憩に入った。
美樹たちは、解散して去ってゆく人の群れをかきわけ、ギターをケースにしまいかけているその女性に声をかけた。
「あのっ、スミマセン」
晃子が、まず女性に声をかける。
「ああ、さっき私の反対側で演奏してた女の子たちね。何かな?」
彼女が振り向くと、街灯の光を反射する長い黒髪が揺れる。
そして、言いようのない魅力的な微笑を満面にたたえ、吸い込まれるような漆黒の瞳で三人を見つめる。
美樹は思った。
……確かに、この人は魅力的。
でも、それだけじゃないはず。それだけじゃ——
「エッ、本当に教えてくれるんですか!?」
晃子と千絵が、目を輝かせて喜ぶ。
その謎の女性は、牧山由貴と名乗った。
女子高生三人組は、その名前に何とか聞き覚えがあった。
由貴は、三年前に一世を風靡した伝説のロックバンド『One way accel』のリーダーであり、メインボーカリストでもあった。いつしかヒットも出なくなり、解散になったのだ。
彼女は今、公の音楽活動からは離れて、全国を旅して好きに歌い回っているのだそうだ。ロック界を目指すものなら誰もが知っている名前であり、間近で会えようものなら感激して当然なのだが……思いつきでバンドを始めたため、もともと興味が薄かった彼女らは、よくは知らない由貴を前にしても大した感激もない様子だった。
会話の流れの中で、本当に音楽をやりたいのなら、教えてあげてもいいと由貴は言ってきた。
美樹も、誰も指導者がいない中で腕を上げていくのは限界がある、と思っていたところだったので、少しはその気になった。少々いけ好かないが、プロならば腕は確かだろう。
三人は是非お願いします、と言った。
「ただし、条件があります」
由貴は、三人を厳しい目で見据えた。
それまで由貴の優しい笑顔の表情しか見ていなかった彼女らはドキッとして生唾を飲み込んだ。
「私は、人に音楽を教えるのは初めてですけど、教えるからには心を込めて、徹底的にやります。だから、私の言うことは異議を唱えず従うこと。辛いかもしれませんが最後まであきらめないこと。
もしあなたたちが最後まで私についてくるならば、必ずあなたの音楽を聴きたいと願う人たちが少なからず出てくるようになる、ということは約束しましょう」
次の日から、三人の特訓が始まった。
まず、由貴が三人にさせたこと。
「私の前で、一人ずつ『ドレミの歌』を歌ってみなさい」
美樹は、少々腹を立てた。
……なんで、あたしがそんなことしなくちゃいけないわけ?
中華料理のシェフの腕前を知るために、まずチャーハンを作らせる、という話があるが、それに似たようなものであろう。
とにかく、三人の力量を正確に把握することで、これからどのように稽古をつけていったらよいか計画を立てる意図も、由貴にはあったのに違いない。
しかし、そんな師匠の真意など知らない美樹は、ふてくされた。
何とか「言う通りにしたら、人が寄って来るようになる」と自分に言い聞かせて、由貴に従った。
指導場所は、今までと同じ駅前広場だったから、練習の様子は通行人に丸見えだ。
「ド~はド~ナツ~の~ド レ~はレモンのレ~」
……恥ずかしい。
物の考え方が幼稚な美樹は、すぐに実践的な、実力がつくと分かりやすいような『技術の手ほどき』をしてくれるとばっかり思っていたのだが、それは甘かった。
「あめんぼあかいなアイウエオ……」
次は、発声練習だった。
いっこうにギターに触る様子もなく、それどころかドレミの歌以外は歌も歌わせてくれない由貴に、美樹は反感を持った。しかも、自分以外の晃子と千絵は、由貴の指導を心から喜んでいるようだったから、それも癪に障った。
由貴は、三人に『ソルフェージュ』という読譜の教則本を配った。
そこから、鬼と化した由貴の徹底的な音楽レッスンが始まった。
センスはあるが基礎がなってないと見抜いた由貴は、一番根っこになる部分から始めていかないと、と考えた。
それだけではない。『音楽理論』という分厚い教科書も買わせて、知識的な部分も強化を図った。
三人は独学である程度分かっていた部分もあったのだが、抜け落ちのないように、時には試験までして消化させた。
また、『英語音声学』というテキストも渡され、徹底的な英語の発音練習もさせられた。通行人たちはその場面だけを見れば、音楽とは関係のない単なる英語の勉強だと思ったことだろう。
日本人は、基本的に英語の発音が下手である。だから、きちっと発音を極めない者が英語の歌などを歌うと、聴くに堪えないような恥ずかしいものになる。
特に最近のJ-POPやロックには、歌詞に英語も結構含まれる傾向があるから、絶対に必須な勉強なのであった。
三人の中で、千絵が唯一ピアノの心得があったので、平行してキーボード役を目指させるべく練習させた。
バイエルの後半とブルグ・ミュラーの教則本を徹底的に反復練習させた。
千絵のピアノをみる時だけは、由貴は彼女の家に出向いた。
美樹が納得できなかったのは、腹筋に背筋、そしてマラソンといった体育の授業モドキのトレーニングだった。
『下積み』というものの価値を悟らない美樹は、だんだんと嫌気がさしてきた。
「時間に遅れるって、どういうこと」
厳しい表情で腕組みをした由貴が待ついつもの駅前広場へと、美樹は駆け足で来るでもなくのんびりと歩いてやってきた。その様子を由貴の後から見ていた晃子と千絵は、どうなることかとオロオロした。
時間に遅れていることは分かっていた。少しは、すまないという気持ちもないではなかった。
しかし、それ以上に美樹の心を占めていたのは 「もうほっといてよ、何でここまでしんどい目しなくちゃいけないの、あんた一体何様のつもりなの!?」 という思いだった。
「すみません」
美樹はふてくされて下を向いた。
明らかに、すまないと思っていないのが顔に出まくりである。
「もう、適当なところでいいじゃないですか。早くギターの弾き方とか、そっちのほうを教え——」
パチィン!
美樹の瞳に、火花が散った。
そして、いきなりの衝撃に驚愕した。
由貴の渾身の平手打ちが飛んできたのだ。
ジンジンとする頬を押さえて、放心状態になった美樹はペタリとその場に座り込んだ。今までの人生の中で、美樹は親にすらぶたれたことはなかった。もしかしたらあったかもしれないが、物心ついてからの彼女の記憶には、少なくともない。
大粒の涙が目尻からポロリ。そしてまた一粒。
後から後から、どんどん出てくる。
そのような状況にまったく耐性のなかった美樹は、人通りの多い駅前であるのもお構いなしに、聞いているほうの身も凍るような泣き声を上げた。
「帰れっ」
慰めるどころか、美樹の泣き声を上回る由貴の恐ろしい声が周囲に轟き渡った。
「音楽とは何か。人とは何か。そしてその人が集まって作る社会とは、世界とは何か。頭を冷やして考えてみなさい」
そう言ったっきり、由貴は美樹に背を向けて、一言も話そうとはしなかった。
「うえええええ~~~~~ん ひいいいいいい~~~~~~ん」
歩けない美樹を、晃子と千絵が両脇から抱える。
二人に引きずられるようにして、美樹は去って行った。
まるで小さな子どもと変わりないような、恥ずかしい泣き声をあげたまま。
由貴は、腕組みをしたまま、しばらくその場を動かなかった。
その日以降、美樹は練習をさぼった。
晃子と千絵は行っているようだった。彼女らは遠慮がちに美樹に声をかけてはきたが、断られるとそれ以上は無理に誘ってこなかった。
由貴に殴られたあの晩、美樹は二階の自室で一日中泣き暮らした。
家族と顔を合わせるのもいやで、食事にも下りていかなかった。
泣いて泣いて、涙も枯れ果てた後に、美樹は何気なく外を見た。
「…………!」
二階の窓から見える塀の下に、由貴が立っていた。
何かを想って、じっと蒼い月を見ている。
……どうして?
美樹には、分からない世界だった。
自分だったら、と考えてみる。とても、そんなマネはできない。
ブンブンと頭を振った美樹は、ベッドにもぐりこんだ。
そして、外で由貴が立っていることを忘れよう、頭の中から追い出してしまおうと努力した。
それから毎夜、由貴は美樹の家の前に立った。
雨に日には、傘をさして。
見ないでおこう、見ないでおこう……と自分に言い聞かせるのだが、どうしても体が言うことを聞かず、美樹はやっぱり窓の外を確認してしまうのだった。
その度に、美樹は心のひだを爪でかきむしられるかのような痛みを覚えた。
夜、布団の中で丸まりながら、美樹は心の中で血を流す。
外に由貴が立っているのを知っていたから。
それでも動けない、何もできない自分を殺してしまいたくて、美樹は声を噛み殺して泣き続けるのだった。
月は、そんな美樹と由貴の二人を、いつまでも見つめ続けた。
「……母さん」
夕食の席で、美樹は珍しく自分から親に話しかけた。
「なぁに」
珍しいことだったので、母は目を丸くした。
そして、いつもとは違う娘の真剣な雰囲気に、椅子の上で居住まいを正した。
「お母さんもお父さんもさぁ、美樹のこと叩いたりきつくしかったりしたことって……ないよね?」
シチューをスプーンですくって口へ運びながら、母は遠い目をする。
「そうねぇ。多分、ないわね」
美樹は、まだ手をつけていない食事に、目を伏せるようにして下を向いた。
「でも、それって美樹がしかる必要のないいい子だったからじゃ、ないんだよね?」
切実さのこもった娘の質問に、どう答えていいのか悩んでいた母だったが、しばらくして重々しく口を開いた。
「……お母さんもお父さんもね、美樹に嫌われたくなかったの。本当は色々と言いたいこともあった。でも母さん、きっと親としての自分に自信がなかったのね。
だから、よかれと思って、ずっとあなたには小言も言わないようにしてきたけど……もしかしたらそれは子どものためのようで、実は親であることから逃げていただけなのかもしれないわね」
初めて聞く、親のホンネだった。
美樹は、胸のうちに熱いものがこみ上げてくるのを抑えることができなかった。
やがて彼女の目から涙がボロボロと流れ、頬を伝った。
「母さん私ね、こないだ初めて人からぶたれたの。もちろん、悪かったのは私。今まで、私一体何を見てきたんだろ。何を勉強してきたんだろ——」
美樹はワアッと叫んで、両手で顔を覆って泣いた。
「母さぁん、私やっと分かったんだよう。音楽って、人ってスゴいよ。そして世界ってこんなにも広かったんだよう!」
夕日もすっかり沈み、交代してきた月が青々とした姿を天空に現した頃。
由貴の背後に立つ者があった。
「……先生」
この時、美樹は由貴のことを初めてセンセイと呼んだ。
「美樹ちゃん」
気付いた由貴は、振り返って笑顔を見せた。その笑顔は慈愛に満ち、言葉にしなくても美樹を心からゆるしていることが見てとれる。
いきなり由貴の胸にしがみついた美樹は、決壊したダムのようにまた涙をひたすら流し続けた。
何も言わずに由貴は、彼女の両肩に腕を回し、優しく抱きとめる。
柔らかい母のような胸から、心臓の鼓動が伝わってくる。その音を聞きながら、美樹は言いようのない安らぎに包まれた。
お母さんの胎内にいる赤ちゃんも、きっとこんな気分んだろうなぁ、と思った。
どれくらいの時が過ぎただろうか。
美樹はようやく顔を上げて、由貴の瞳をのぞき込んだ。
「先生、よかったら家に上がって夕食食べて行って下さい。母のシチュー、結構おいしいんですよ」
「……うん。ありがと」
茜色の優しい光が漏れる玄関に二人の姿が吸い込まれたのを、月だけはしっかりと見ていた。
I don't know what it is
That makes me love you so
I only know
I never want to you let you go
'cos you've started something ♪
二年後。
美樹の通うK高校の文化祭。
体育館で、美樹たちのコンサートライブが行われていた。
メンバーは美樹・晃子・千絵の三人に加え、新しくドラムの智佳子というメンバーも加わっていた。
リードギター兼メインボーカルの美樹。ベースの晃子。キーボードの千絵。
由貴の愛弟子たちは、かなりの成長をとげていた。
今彼女らが歌っているのは 『I only wanna be with you』という、懐かしい洋楽のナンバーである。
しかも、彼女らの英語の発音は完璧であった。
これも、つらい訓練の賜物である。
彼女らに納得いくまで教えた由貴は、突然彼女らの前から姿を消した。
何も言わずに。何も残さずに。
でも、美樹は感謝していた。
本当の音楽の素晴らしさを、世界というものの深遠さを。
そして、生きることの難しさと喜びを教えてくれたのだから。
美樹は、感謝の心を弦の振動と魂の声に乗せて、体育館中に振るわせた。
沢山のギャラリーがいた。
生徒だけではなく、駅での由貴と彼女らの特訓を通りがかって見た人が、駆けつけてくれてもいたのだ。
That ever since we've met
You've had a hold on me
It happende to be true
I only wanna be with you ♪
美樹は、歌詞の意味をかみしめた。
……ただ、あなたと一緒にいたい。
思わず、由貴の顔を思い出す。
その時、汗の玉を弾けさせてギターを鳴らす美樹は瞳の隅に、由貴を捉えた。
体育館の奥。
離れていても、大勢の中にまぎれていても、美樹には大好きな先生が分かった。
由貴のいるところだけ、光が当たって見えた。
……センセイ、晴れ舞台に来てくれてありがと。
でもね、近くにいても離れていても、先生はいつまでも私のセンセイ、だよ。
由貴の瞳の中で、美樹の魂は生きている証を、しっかりと燃え上がらせていた。
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