第24話 正義は必ず勝つ!
「息子がお世話になっているようで、だがそろそろ釈放してもらうよ。
夏輝がやったという証拠は1つもない。そうだろ?植村くん…」そう言いながら植村の横にスッと立つ。
「………え、えー。もちろん。」植村は前を見ることができず目をそらしたまま返答をした。
「これは不当逮捕です。よって長時間の無駄な拘束は認められません。夏輝さんを返してもらいます。」専属の弁護士が言葉を放った。
「……………」4人とも何も言わず沈黙したままだ。
「私は警察の上の方にも顔がきくのでね。実際、こんな部署どうとでもなるんだよ。…………何も言わないということは言い返す言葉がないと捉えていいのかな。」城戸や久海、古来、鈴道、1人1人と目を合わせて国保は余裕の笑みを浮かべていた。
「それでは、釈放の手続きをしてくれ。このまま連れて帰っても構わないだろ?」国保がくるりとドアの方を振り向いて歩き始める。
「ちょっと待って下さいよ。」城戸が国保に声をかけた。国保はゆっくりと城戸の方を振り向いた。「まだ何か用があるのかね?」久海がその場に立ち上がる。「俺たち呆れてモノが言えないんですよ。」少し笑みを浮かべたような口調で言った。
「……なんだと…」今まで冷静だった国保の口調がやや乱れる。
「あんたの親バカ具合にね!」久海が大きな声で言い放った。「君無礼じゃないか。私にそんな口聞いても良いと思っているのかね?」まるで脅しをかけるように国保がこう返す。
「申し訳ありません。この部署に来てまだ間もないので礼儀もなってなくて。久海くん、そんな……本当のこと言っちゃ失礼だろう?」コーヒーを飲んでいた古来が後に続く。
「何!?」国保の表情がみるみる内に変わっていった。続いて、鈴道が口を開く。「2人とも失礼すぎますよ。この親にあの息子あり?あの息子にこの親ありって感じですかね。」と笑いながら言った。
「き、き、君たち失礼じゃないか!国保さんに謝りたまえ!!」植村が焦った口調で言うと「この発言は名誉毀損です!訴えさせていただきますよ!」すかさず一緒に板弁護士が大きな声を挙げた。「君たちは一生警察官で入られなくなるぞ!!それでもいいのか!!!」国保も大きな声を張り上げた。
「申し訳ありません。僕の部下たちが大変失礼なことを言いました。しかし…最初に僕たちを脅すようなことを言って来たのは国保さんではなかったですか?」と言いながら城戸が携帯を取り出す。
その画面には『録音中』の文字が点滅していた。
携帯の画面の停止ボタンを押して再び再生ボタンを押す。
「「私は警察の上の方にも顔がきくのでね。実際、こんな部署どうとでもなるんだよ。…………何も言わないということは言い返す言葉がないと捉えていいのかな。」」
「これ脅迫罪です。」と城戸が軽い口調で言った。
「…そ、そんなものどうとでもなるぞ!私は脅迫をした覚えがない!」国保がすかさずこう続けた。「実は、これだけじゃないんですよ。」
「あんたの息子国保夏輝に無惨にも殺された羽月さんはSDカードを残していました。その中にはあんたが汚職をしていたっていう帳簿も入ってたよ。」久海がパソコンに証拠を表示する。「…こ、こんなのは知らない!何かの間違いだ!秘書が勝手にやったことだ!!」明らかに動揺した声色に変わった。
「まだまだありますよ。」古来がそういうと鈴道がパソコンを操作してある音声が流れ始めた。
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