第15話 ゴブリンキングの妄動  その1

山エルフが遊びに来てから大分たった。

土地神様も落ち着いたのかあちこちにあった池も沼地になったり、ビシュヌの采配で水田になったりと利用され始めたり変化したり・・・それでも、土地神様は何もしないので・・・おちついたか?

わしとしては地震やら雷やら大雨やらでびっくりさせられるのはもうこりごりだ。ビシュヌもおとなしく(表面だけかもしれないが)なった、態度と尻がでかいのはあいかわらずだが。


砦やら城やらより、ほこらやら~神殿やら~のほうが必要になってしまったようで、散財がひどくてそれどころではなかったり、サスカッチのすめるように援助やら賠償やらで、人員の配置がそっちに向いてしまいなかなかこっちも手伝ってもらえなくなったり・・・やれやれ、ダニーの奴が悪い顔してお金かしましょうか~とか言ってるのが聞こえた・・・ビシュヌも顔色変えてたぞ・・・大丈夫かな?あの二人。


さて、兵隊を持ったり他国と戦えるようにするってのは大変なんだ。

兵站やら訓練やら装備やら。

国力もね。

うちは戦争しようとするとこの前のようなやばいのが出てきたりするかもしれないし。

実際先代はやられちゃってるしね。

当代である、わしは富国と強兵に勤めて。他国には来たら痛い目見るよぐらいにしとかないといけないかな~。でも、魔神から集めた資金やらが物凄いことになってるからどうなるやら。


人間達は領土を欲するみたいだね、他国を落として資源やら作物やら人材やらを得ようとするんだよね。

魔神たちは、領土はあまり必要としない。大きな町を人が作ればそれを奪えばいいだけ。命そのものだけどね、人が勝手に増える為に戦争をしたり人の多く住む町を作ってあつまって来たほうが都合がいい・・・


人が魔神と戦える力を得れば、魔神も考えを変えるだろうけど・・・

でもまぁ、先の戦争のように3位と1位が徒党を組むことがあるのはわかったし。

考え方が単体による搾取から、集団による狩猟位に引き上げられたのかな~?


そんなこんなを、クロイツの今日一日で何杯目かのお茶を飲みながら夕日を見ていたときそれは来た。

『親方様、魔神達が徒党を組んで人族の国を落としました!搾取のエリアに生きている者を放り込んでしまったので残っているのは腐った土の領土だけです!』

わしは?いつ親方になったのか?とか思いつつ。

まぁ、報告に来たのが今まで見たこともない忍者コボルトだったので、まぁ個性かなぁ~?とか思っていた。

後で、上忍コボルトとかいうのに進化した忍者コボルトだったと言うことに・・・さらに上位になったら何になるんだろうなぁ~?今まで安定したコロニーを持っていなかった為、そんなに成長した例が無いとか?波乱万丈なんだなぁ~とか思わず涙ぐんでしまったわし。


魔神の動向は?と促すと、ちょっと気になるお話。

1位の魔神が変なことを思いついたらしい、何でも城自体をゴーレム化して動き回れるようにしたみたいだ。これはかなりやばいぞ!前の戦いで瞬間的に移動して城を出現させてセント・クロス・クラウン城を追い詰める作戦もやばかったが、動くってことはそれだけで脅威だ!

いままで、城にこもって周辺に搾取のエリアをかけるような感じだったのに、動き回って広範囲にかけるとは厄介だ。

搾取のエリアで得られる者の搾取自体は一定距離までなんだけど、離れてしまえば吸い取られ損になるらしい。

メアリーはゴキブリでも見つけたような嫌な顔をしながら説明してくれた。

さらに状況を聞いてまとめると、3位の魔神が7人?2位の魔神2人?がその作戦に参加していたらしい・・・それはひとたまりも無いだろうなぁ~


城より大きいかそれ自体が武器持って襲ってきたらって想像したらわかるよね~。

眷属もわんさかとか~って、言ったら。

それは無いそうだ、魔力がゴーレムの維持に向かうから眷属を生み出す力は弱まるようだ。


クロイツからのお茶をうまいこと逃げた?上忍コボルト。追加で飲まされるわしとメアリーはお茶の渋みと違う渋い顔を上忍コボルトの次の報告でする羽目になる。


『今、城ゴーレムたちが向かっているのが、ホーリィ様の御住みになってるあたりみたいです。なんでも、1位の魔神の兄弟がホーリィ様の無差別力場の柱攻撃でやられたみたいで・・・生き残りの7人?と呼応して潰そうとか考えてるみたいです。』


ふーん・・・・おい!ダメだろ!!

あの辺って確か・・・いや、やめておこう。いまは、ホーリィの住んでいる地域を助ける方向で・・・わしとしては・・・ホーリィだけでいいんだけど・・・・メアリーが、わしの足をぐりぐりと踏みつけてるから人族も救出しなくては・・・でもどうやって??


それは、お茶を飲みながら考えるとするか。



作戦としては生き残りの魔神との合流前に倒したいと言う話しでまとまったが、進軍速度の関係でゴブリンジェネラル率いる大部隊が使えない、小分けで借りる案もあったんだけど・・・それはしないでおこうと思う。

その理由は・・・戦場に選ばれた場所なのだが、人族も他の種族も住んでない場所があった為そこを使うことになった。

ただし、わし自体には問題があってね。


そう、そこには掘っ立て小屋がひとつ建っているだけ、掘っ立て小屋自体に人もすんでいない。

ちょうどいい戦場だ。


まぁね。そうだけどさ・・・・


メアリーとわしのみで出撃し、途中でホーリィと合流し足止め&迎撃。

ゴブリンジェネラル達は、わしらが生き残り部隊に挟み撃ちされないように広報に待機しながら圧力をかける役目とする。いざとなったら、ホーリィのご主人様の領地とそこに住む人族を守る様に行動するように命じた。

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