第16話 ゴブリンキングの妄動  その2

地響きをあげながら7つの巨大なゴーレム部隊が歩き進んできる。

『3位のようですね。』メアリーが冷静に答える。

『ここは私が』と飛び出していくホーリィ。

だからなんでお前は、無防備に飛ぶんだ・・・見えてるぞ。

だが、今はそれどころではないので真剣に見送っておく。

だが、心の声は伝えなければ。

まず、両手をうつ。

Vサインを出す。

指でマネーサインを出す。

そして、目の上の手のひらをかざす。


あ、墜落した。




紆余曲折ありまして、なぜか・・・メアリーに殴られてボロボロになっているわしですが?

『時間の無い時に余計なことするからですよ。』

『ふぁい』



上空いや高空と言うべきか、ちっさく点になって見えるホーリィが力場の柱を大量に召喚しだしていた20本ぐらい数えたが後はめんどくさいから数えてない。


『はじめから飛ばすなぁ』


『ですね~魔力持つんでしょうか?140本はありますね~』


やっと気がついた7対のゴーレム達は一斉に両腕でガードの姿勢をとりながら片足立て膝でかがんだ。

腕に強化の魔法。腕の上方にシールド魔法を展開しているのが見える。


堪える気か?


3位と2位の差はかなりある・・・特にホーリィは2位の中でもかなり強いとわしは思う。

前に1位の魔神と戦った時かなりの時間わしのサポートが、かすかにあったとはいえ。いい戦いを演じていた。


つまり、何人いようと3位ではホーリィは止められない。

大量の力場の柱が3位のゴーレム城に襲い掛かる・・・力場の柱の召喚をまだやめないホーリィ・・・降り注ぐ柱・・・シールドの魔法が砕かれ強化された腕も砕かれ無数に白やゴーレムの部分に突き刺さり打ち壊されていく・・・・


そして、マナの光をキラキラと撒き散らしながら消える3位のゴーレム城・・・・


中にいた魔神顔も見ないうちに死んじゃったか。あっけないなぁ~


『やはり魔神ホーリィ、3位ごときじゃ。何人いようと無駄でしたかね?行きなさい2位の二人!』とまだ後方で偉そうにフレイルと盾を持った豪華な城ゴーレム?が、声を出した。


ええ?しゃべれるの???



後ろにいるのよりは造形的に劣るもののそれなりの大きさと質感を持った盾と槍を装備している。穂先の根元部分に鎖がいっぱいついている穂先のほうを下に持ったら箒のように見えるかもしれないなぁ~。


『あれ対人武器ですね。あんなでっかい鉄の塊で叩かれたら死んじゃいますよ。』

へ~なるほど。

とりあえず、強欲発動させてもらって・・・・メアリーに安全圏に逃げてもらわないとな。

対人用って、ゴブリンにも効くんだろか?

『人族じゃなくても、痛そうだが。人族にしか効かないの?』


『当たれば普通に死ねますよ!!!』

だよね~


ホーリィ一人で奮戦してるけど、城の中から眷属達の撃ってくる矢やら槍やら魔法やらが地味に効いてくるなぁ~

メアリーも逃げ回ってる感じで強欲思いつかないみたいだし、わしもいろいろ避けながらホーリィの様子を伺うと・・・やっぱり、余裕なさそうだ・・・わしら二人は片手間で攻撃受けてるにすぎないが城ゴーレムを二つ相手取ってるのはホーリィなわけだし。


う~む。なんかやばい感じだなぁ~。


とか言ってるうちに、城ゴーレムの一体に踏み潰されるわし。

『ぷちっとか言ってませんでしたか?』とメアリー

『あっ』っと動きが止まったところを攻撃を受け吹き飛ばされるホーリィ


前半はわしのこと絶対心配してないな。


わしですか?無事なわけないですよ。城ゴーレムに潰されてるわけですから・・・ほら意識が・・・・


そんなところに


『生きてゴブリンキング!』

ほら来た。


『生きろだと!この状態でか!!クククク。強欲だ!その強欲かなえよう!!』


わしを踏んでいた足が突然爆発し立てひざ状態になる城ゴーレム

そして、わしは埋まっていた地面から起きだした

ヤレヤレ死ぬかと思ったよ~半分つぶれてなくなってた気がするが・・・


動きは封じたが、わしを見つけた城ゴーレムは槍を繰り出してきた。

わしは、避けることも選択したが・・・ホーリィから一体でも引き剥がせないかを考えていた。

穂先が迫る!!その後に続く無数の鎖による攻撃も・・・


わしは、ぶっかき丸で穂先を打ち払った。相手の手元側を同時にルーン文字のぶっかき丸6本で同時に叩く。

一方向に力が加わった為折れる槍、おかげで鎖にも撃たれずにすんだ・・・と、思ったとき。


『あっ』と言うホーリィの声が聞こえた


わしの体は巨大衝撃つきで吹っ飛ばされた・・・うわ~骨が逝ったぞこりゃ。


槍が折れたと同時に、カウンター気味に盾でわしを横殴りにしたのだ。


元の姿に戻っているのに結構バウンドしながら地面にめり込むわし。



倒れるわしに近づこうとする二人だが・・・眷属や城ゴーレムに阻まれいる。


いて~なぁ~。本来のわしに戻っても大きさが違う者と戦うのは苦戦するなぁ~わしもまだまだだね~


ん?ホーリィの魔力の質が変わったぞ。

目も赤く光ってる。いつの間にか赤いハルバードに持ち替えてるし・・・・何する気だ?


『シールド。攻撃。回避。』連続で魔法をかけるハルバードで相手の攻撃を打ち払い・・・ハルバードを両手で扱うのは城ゴーレムの攻撃に対応する時だけだ特攻だ。無事なほうの城ゴーレムに突っ込む。

取り付ければ・・・避けきれなかった鎖に撃たれた・・・『大回復』・・・『シールド』

何とか近づかないとこの一回が勝負です。


血の帯をひきながら、城ゴーレムに取り付いたホーリィを見た。わしは痛みに耐えながら起きだしてメアリーを探す。ギャーギャー言いながら逃げ回ってるので見つけるのは楽だ。


走って、メアリーを捕まえる。肩に乗せてホーリィをおいて逃げ出すわし。


だって、でっかい魔法でも使われてわしらごと吹き飛ばされたら困るじゃないか。

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