第10話 ゴブリンキングの暴走  中篇

99隻の兵員を乗せた船たちは、セント・クロス・クラウン城近くの港町の奪還に向かっていた。眷属に支配されてしまった地。船上から陸地への上陸作戦・・・リスクが大きすぎる作戦に、海からの攻撃を加味すれば・・・


わしは、小船で半島の崖に向かっている・・・乗ってた船は99隻の向かった先へサハギン達と向かっている・・・がんばれよ。


小船から崖に飛び移り、メアリーを肩車し(なぜか崖が歩けないと言うので?)駆け上がっていく。

空からの援護が派手でいい。

四つんばいになって噛み付こうと崖を転げるようになりながら襲ってくる眷属たちが近づく前に空から狙撃されている。

空自体は、ガーゴイルに埋め尽くされているが状況的にはホーリィが押しているようだ。時々、二つの城に力場の柱が飛んでいるガーゴイルを巻き込みながら城に突っ込むそれは1位の魔神の城には傷をつけてはいないようだが、わしらが向かってるほうは結構ダメージきてるなぁ~わしらがつくまでもつんだろか?



港町の桟橋付近に上陸をかけるサハギン達、サハギンキングの攻撃力に圧倒されながら持ちこたえようとする眷属達。船からの魔法と弓の援護を受けるサハギン達を押さえ込めず何隻かの船を接岸させてしまう・・・陸戦部隊が形勢的には人側のほうに傾くが眷族の数は多い・・・殲滅には時間と損耗が大きそうだ。


セント・クロス・クラウン城では、アルテミスによる箱舟の迎撃と一時的に解かれた搾取のエリアを抜け大量の眷族が攻めて来た。城塞の内側に投石器などを格納して守りつつ箱舟の城への突撃に対する対応に力を注ぎつつ篭城をしていた・・・


夕方を過ぎ夜の帳が。


われわれ人間には不利だ。・・・が、・・・われわれは負けない!魔法による明かりの点灯。

白い巨大な城や城壁・城塞に光が。昼間のように明るい中の戦闘。


『眷属共も有利さはなくなった!!月食までねばるぞ!!』


現時点では、ガーゴイルと箱舟によって防戦一方だが。港町とあの太ったゴブリンが本当にゴブリンキングだと知った時なぜ、人に味方するのかと言う疑問もあるが・・・敵の敵は味方ということもある。いまは、メアリーと言う娘の言うことを信じてこの作戦に掛けるしかない。


城塞は今も健在で持っている。

ガーゴイルや箱舟には何とか対応できている。


眷族の数やガーゴイルは、魔神の魔力が続く限り作れるほぼ無限ということだが箱舟はそうではない。

確実に減らせばいい。

数は多くてもだ。

われわれにも航空戦力はあるのだ。ダニーのアイディアの飛行船魔法と気球の応用で空を飛ぶ船・・・



引かれるアルテミス・・・機械による牽引・・・そして魔法技術を加味した巨大な矢が放たれ。撃墜されるガーゴイルそして箱舟・・・陸上部隊も魔法を放つが高空にいるがやつらには届かないがけん制にはなっているようだ。

『無駄打ちするな!!地上にいる眷属に撃つならどこに撃ってもも当たるぞ!』城壁によじ登らんと群れる眷属どもに魔法を放つ魔法兵士や魔法騎士達。

『ちがいねぃ!』と言いながら笑いあう我が軍の兵士、みな勝ちを疑っていない・・・いや、勝たなければならん!




「人族めこざかしい。だが・・・考えが甘いようだ」


頭に大小の4本の角を持つ魔神長い白い髭と白髪を飲ました姿は昔なら魔王などと呼ばれ恐れられるような姿だ。そう、1位の魔神だ。




夜になった。



月は煌々と光っている。夜空は満天の星。


月明かり星明りは明るいものだ・・・影ができるほどに・・・


青い太い腕を上げ、進軍を命じた。

無数の雄たけびを上げいつの間にか集まったのか大量のゴブリンたちが、鎧を着た巨大なゴブリン。ゴブリンジェネラルに引き連れられ眷属達を蹴散らした。自ら戦闘に、道を切り開き後陣がそれを広げるかのように・・・


城にいる人族はその苛烈な攻撃を見て自分達ではなかったことに安堵と・・・恐怖を同時に味わっていた。


『われは、ゴブリンキングの為全力で戦うものなり。魔神の眷属どもを屠り尽くせ!』


城塞の周りにいた眷属達が一気に倒され刻まれ駆逐されていく


人族は箱舟とガーゴイルの相手のみですむ様になった事で優位に戦闘が展開した。

引き上げようとする箱舟とガーゴイルを追いかけるように飛行船差し向ける。箱舟は眷族を運ぶだけなのでただの箱なのだ防衛用の装備はない。こちらは、もろいかもしれないが銃眼があり、魔法をそこから撃つこともできる。12隻の飛行船は、逃げる箱舟を追撃。

撃墜していく。


城壁にすえつけてあるアルテミスの半数を移動用の台座に乗せ代え、他の投石器とともに城外に兵員を出す。このまま、ゴブリン達とともに眷属共を魔神の城に押し戻し搾取のエリアが張ってあろうとも投石器とアルテミス・飛行船で魔神の城に攻撃を掛けるのだ。


人類最後の城・・・魔法兵士・魔法騎士・アルテミス・飛行船・そして城自体に魔力を供給するシステムそれこそがこの城をそう呼ばせるゆえんなのだ。

龍脈からの魔力の供給を可能にしてるためほぼ無尽蔵に魔法を行使できる。

だが、戦闘に時間制限が付く理由

それは、魔力じゃ腹が膨れない・・・それが理由だ。




そのころわしは、ボロボロになり始めてる3位の魔神の城の城門でクロイツとあっていた。

何でこんなとこにいるんだ?


『ホーリィ様に召喚されたうえに・・・まさに、上空から蹴り落とされたのですよ。いやまあ、私としましては、乱暴な女性も云々』


はいはい、わかったわかった。


で?何で城の中からお前が出てきたのかはわかったが・・・・で、どっからだした・・その紅茶のセット・・・


『ティータイムです』


ゲーっとやな顔して見せてるのに、何も察していないかのように。

メアリーとわしにティーカップを差し出す。



『はてさて、大事なくつろぎの時間を無粋な』と、クロイツが城の奥のほうを眺めると眷属達がこちらに向かってきていた。


ぶっかき丸を構えようとすると、左手でクロイツがそれを制して


『片付けて参ります、しばらくお待ちを』



ホーリィの上空からの魔法の過激すぎる援護のなか・・・わしとメアリーは煤だらけの顔を見合わせながらテータイムだ・・・何だこの状態?

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