第8話 ゴブリンキングの懐古
城に戻って、結構時間がたつ。
コボルトとゴブリンたちが開墾や街の修復を始めてから。
がんばってるなぁ~っと、テラスから紅茶を呑みながら見ているわし。
その隣には、クロイツと言う名前の人型の魔物が執事ぜんとしたかっこうをしてのだ。
もちろん役目もそれなのだが・・・
ある人からある目的のためにここにいくように命じられた、いや・・・十分すぎるほど分かってる理由なのだが・・・あえてここでは保留することにする・・・だから、後で話すってば!
このクロイツ、白い仮面で顔全体を覆っていて・・・仮面の上に絵で書いたような左目があるだけだが
目は瞑るしある程度感情を表現する・・・この間、目潰ししたら声がでないぐらい痛がってた・・・ようは動く絵の仮面なのだな・・・
食べ物を進めたら・・・目じゃなくて口の絵が現れてその状態で食べていた・・・よく見ないで食べ物が取れるといってみたが、見えているらしい??不思議な魔物だ。
何でもこの世界のことわりの外に棲んでいるとかで、そういう意味での常識がつうようしないとか・・・
ちなみに仮面をとった姿を見ると、7日間眠れなくなるほどの恐怖とか・・・やつが寝込んでるときに、どれどれと見てみたが・・・3日ほど目を瞑っても寝てもその姿を思い出してなんぎさせられた。まぁ、どんなかは控えとくよ・・・
で、そいつがこの城で働いてくれるおかげで、城の中もかたずいている。
しかし、朝食をとってから・・・もうすぐ昼なのだが・・・・6回目の紅茶を飲まされている・・・・朝食事が終わってここにきて一杯目までは理解できるが?その後、人が来るたびに・・・馬鹿の一つ覚えのように紅茶を飲ませられる・・・ちょっとおなかがやばいぞ!飲ませすぎだろって言ったら、紳士のたしなみだとのこと・・・王として紳士ぜんと生きるためここは我慢か?で、これで終わりにしたいところで・・・・
40人いるコボルトリーダで、ゴブリンキングに命令してもらうんだワンの会の若手で、ジョフリーベベロニス・ガルシア・なんちゃら・・・長いのでわしが、ペスとなずけた・・・白地で黒いたれ耳と左目のくろぶちが特徴とメアリーがテラスに来た・・・なんかようか?
おぃ!クロイツ!!いそいそと7回目の茶会の準備をするんじゃない!!わしの分がなぜある??今まだ6杯目飲んでるぞ!!!
どうぞどうぞと、紅茶と椅子を勧めるクロイツ・・・こいつ?もしかしてわしのてきなんじゃないか?
『えっと・・ゴブリンキング様には、ごきげんうるわしゅう・・・』うんぬん・・・・ペスが口上を述べるのを制してせいして。
どうした?とたずねると
『はい、貯木場とダンジョンの製作の許可がいただきたく』
と、間に入るメアリー
『ダンジョンより、さっき話してたあっちのほうが重要でしょ?』
『えっ、しかし・・・資金がかかりすぎでは?』
話が見えないので、両方に説明を求める。
するとだ、メアリーが、この城がひら城なのを不思議に思っていろいろ調べていたらしいことから始まる。先々代のゴブリンキングはバリバリの武闘派だったはずなのにだそうだ。
城って言うのは、山城(ここでは、ダンジョンなんかもそういうもの扱いでいいんじゃないかな?と思う)とか、城塞都市(城塞も含め)なんかが、よく作られるわけ。
ひら城は、わりと戦闘と無縁か平和なときに作られるわけ・・・城壁や堀がしっかりある訳ではないしむしろない場合もあるのね。
ここの場合・・・堀も城壁もないほうになってる。
でも、武闘派だってところで、おかしいでしょ?
城の周りに城下町のようなものがあって・・・
で、開墾してたら・・・城下町につながるかなり立派な石畳の道が四本・・・西北、西南、東南、東北の方角に向かってた・・・のね。
その道を遡って行ったらね。壊れた砦みたいなのがあったの・・・他の道はどうかと思って行ってみたら同じく砦の跡地があって・・・・
こっからは、先々代のゴブリンキングの日記でね、何度か他種族に攻められてるんだけど・・・守りきってるってなっててね・・・
たぶん、その砦が前線基地みたいなもんだったんじゃないかと?敵の部隊は、どう動いても4つの砦から見つかっちゃうので・・・のろしとか、かがり火で城に敵が来たの知らせれば。城から大部隊が出動って・・・おいおい、ひら城最強?
ひら城にしたのも命令伝達が楽だからって利点から見たい・・・攻撃は最大の防御を地で言ったらしい。すげーな先々代。
メアリーの見解から言うと、砦の周りにも農耕してるゴブリンとかがいたみたいで、戦闘員兼農夫だったらしい。
さらに、農地は砦の先のほうからこの城下町まであったっぽい。一部に川の水を引いていて一段他のところより地盤が下がっているところもあったりして・・・水田まであったみたいとのこと・・・
で、元の姿に復帰させるには今は森に覆われてるので木をかなり切り倒すことになる・・・でも、木材として利用できるし薪としてもつかえる訳で無駄にはならないで、川の水を使った貯木場がつくりたい・・・と。
で、今の城下町って、日干し煉瓦で家ができてるらしい・・・大雨が降ったり強い風が吹いたりすると壊れちゃうので、木や石を使いたい。
木は、そういうわけで何とかなる・・・石だ・・・大きな石が必要になる場所もあるだろう・・・石畳の整備もしなくてはいけないだろうし・・・・
で、ペスはダンジョンがいいんじゃないかと?石以外土を農地の外周に土塁としてやれば・・・ってこと。メアリーは、大雨が降ると氾濫する近くの川・・・その川を氾濫させてる原因になってる岩山を削りたいと・・・岩山のせいで川が変な蛇行してるしてるから岩山自体をなくして川の流れを緩やかにしたいんだそうだ・・・・
どっちもやればいいと、わしは思ってる・・・金なら、あれから魔神を何人か倒しているので・・・魔神がなぜか溜め込んでいた宝をメアリーが全部くすねてきてる・・・この城の一階はもう宝で埋め尽くされてる・・・もちろん無駄使いはできないが・・・さらに、なぜか?人間族の領地のまわりにいた17の魔神の城が落とされて、そこで闘っていた多種族混成部隊で、そこの宝を山分けして・・・その宝までここに来ちゃった・・・二階まで宝物庫になる日も近いかな?(魔神がなぜ宝を集めるか?命乞いしたやつから奪ったりとか貢物か何かなんだろなぁ~、貯めるだけだね、非生産的なやつらだ!!そのくせ生命力とかはふんだんに奪う)
ダニーが趣味で買ったいろんなものは、戦闘継続してるやつらに役に立ってるようだ・・・鎧の補修材料として使えるものばかりだったからだ。それ以外にも使う目的があるとか言っていたが?
巨人とドワーフのコンビが農具や工具を大量にくれた・・・理由は、銀鉱山の開放してくれたから~だそうだ・・・道具もあることだし開墾も城下町の復旧も速度が上がることだろう・・・
ゴブリンジェネラルは、鎧を巨人とドワーフのコンビに作ってもらえたので、戦線復帰してる模様・・・魔神を喰ってスキルを覚えて・・・わしと早く肩を並べたいのだそうだ、無理すんなよ~。
開墾などをしてる間の食料は、近隣に棲むオーガやトロールから分けてもらっている・・・もちろん、自分達でもいろいろ探すが・・・・ダニー頼みが多いかなぁ~?お金があるって良いなぁ~
メアリーによると、周りに広大な農地を作ってる目的は・・・ごみとか食べた後に出るものとかの処理の目的もあるとか・・・
そこまで考えてたのか、スゲーな先々代!!
で、今の状態になったのは、他種族に戦争で攻められて負けたのが原因・・・先代のときだそうだ・・・で、ゴブリンたちは大部分がちりじりになったんだとさ・・・オークと同じ憂き目に会っても・・・わしらはここに帰ってきたって訳だ!
これは、わしが偉いって訳だな!
おぃ?クロイツ・・・・それ何杯目の紅茶だっけ??
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