第4話 ゴブリンキングの遭難
わしは、ゴブリンキング。
今は、メアリーと二人山で遭難中である。
なぜこんなことになってしまったか、長々と説明する気にはならない。
だが!愚痴ぐらいいわせろむしろ聴け!
そう、巨人とドワーフのコンビの物造りの名人をゴブリンジェネラルあわせたとことから始まる。
紹介状を渡したので、勝手に行って鎧とか装備を頼んで来るかと思えば?どうも、出来立て生まれたてのこやつは・・・人に物を頼むのが下手だったようだ・・・おぃ!お前の取り巻きの連中は飾りか?こういうときこそ役に立て!!っと思ったが・・・
もともと、阿吽の呼吸と間、ほとんどずーっと加工道具のものすごい音で慢性耳鳴り中のあのコンビのこと・・・われは・・・とか、ボソボソでっかいずうたいで、話すあいつがさぞ邪魔に思えたかもしれんってことで、取り巻きの一匹がわしのとこでことの事態を大げさに話すのを・・・さもありなんと、聞きながら・・・愚か者どものために崇高なわしが、向かってやることにしたのである。
相変わらず山向こうから、何かものすごい巨大な軍隊が四六時中隊列の入れ替えの訓練をしてるのか?攻城槌をどっかんどっかんやっているのかって音が聞こえる。
『むっ、あいかわらず・・・やかましい!』
『どういう人なんです、その二人って?』
『うむ、わしのあの城を作ったり。ぶっかき丸もあやつらの作じゃ』
『へ~、お城はともかく・・・それは凄いですね~』
『?なぜ?城はともかくなのだ?』
『え?だってあんなにしゅ・・・いえ、ね~』と、なぜ?わしに同意を求める
『まぁいい、とにかく、魔法の鉱物を打つ事ができるドワーフのリガスに、超一級の芸術品にまで創ったものを変えそれに摩訶不思議な能力の付与までする巨人モース・・・なんでも、ユミルの流れとか聞いたことがあるが・・・二人とも、油と汗と垢にまみれたきちゃないオヤジ共だ』
戦場の様な音を発する、岩造りの城塞か?って、思わせる巨大な作業場の前に、巨大な体を小さくしうつむいて、落ち込むゴブリンジェネラルが・・・・取り巻き連中に何か言われているが、この騒音でよく聞こえん!われは・・・われは・・・って、ボソボソ声だけはなぜか良く聞こえるわいw
王たる威厳を見せて、脇を素通りし。軽やかに玄関の扉をノック・・・などしない!どうせあいつ等には聞こえてないので、勝手にドカドカ入る・・・玄関に耳栓付き耳当てと手袋があるので、勝手につける足の踏み場がないほどの雑多なものを避けながら・・・たまに踏んで痛みに飛び跳ねたり、ほっとして寄りかかったのが工具箱だったりして潰されそうになったりと・・・まさに、スリルとサスペンス・・・いや~普通?(普通なとかあるのか)のダンジョンより危険だ!その最奥に炉と槌打つ音、なにやら口に発しながら大槌を振るう巨人の姿が・・・・本来、毛むくじゃらなそいつは汗と油で、ぬめっとした服を着たカエルのよう・・・・その足元で、槌を振るうドワーフ・・・こいつもカエルか何かのようにしか見えんw
まぁ、何を語りかけても無駄だな聞こえんだろうし。
と、メアリーが、きちゃないドワーフに自分の鼻を左手でつまみながら右手でつつきながら・・・『あの~?すいません』とかやってる??
それまで、うすーくしか開いてない三白眼で・・・槌を振るっていたドワーフが・・・・ちらっ
ん?んな~!!!!みたいな、顔で・・・・目玉がでかいのだということを見せようとしているのかと思うほど目を見開き!!
『女がおる!』
『なっ!!にぃっ!!』巨人も動きを止めて!!固まった!!どこだと???その目を見開き!!!!探している!!上を!!!いないってそんなとこに・・・・
『あの~?』鼻をつまみながら・・・メアリーが・・・・何かを言う前に、ドワーフに建物の外に押し出されるわしら・・・・
ドン!扉が閉められる!!
煙突から出ていた黒い煙が・・・なにやらフレグランスな匂いに変わって!部屋の中でチカチカとかビカー!!とか、なにやら光と爆発のような音が!!
数時間後!別人のような清潔さで、あいつらはわしらを迎えた・・・
わしは思った。思っただけだぞ?ゴブリンの女じゃダメですか?っと・・・・
『やぁ、おじょうさんなんのようじゃな?』すべての機械が止まっているのか静寂だけしかない
おい!わしは無視か??
『え~っと、私じゃなくてこちらの~』
おい、わしのこと見てものすごーい残念な顔したろ。もー世の中滅んじゃえばいいのにぃ~ぐらいの顔だったぞ!いくら緑色の太ったゴブリンの姿になっていてもだ!!威厳が伝わるだろう???
ドワーフが、『で、変なカッコになったゴブリンキングが何のようだ??』
おっ!!わしが分かるのか???
巨人が、『ぶっかき丸が、あんなに懐くのはゴブリンキングしかおるまいよ』
『一個聞いていいか?おまえら!わしがいたの分かってて無視したのか??』
同時にうなずきやがったこのゲスめ!
このままだと話が進まないと思ったのか?メアリーが、ゴブリンジェネラルの鎧と兜を作ってあげてほしいと話をする。出来たらわしのもって言ってくれた!!えらいぞ!!メアリー!!だが、状態を聞いて、それほど大きさが変わると強度が保てないとのこと・・・もうひとつ問題は大きさを変えるとき肉や皮を挟んでしまうので・・・大きさを変えるだけでダメージが・・・とか言われる・・・つまりあきらめろと・・・・
家の中のさっきと違って異様にきれいに片付いてる空間に、巨人用人間用ドワーフ用の椅子にわしらは座るリガスのやつ、メアリーの椅子はひいてやってる紳士面すんな。わしには犬でも追っ払うようにシッシとかしおって・・・これ、人間用だし座るの苦労するだろが!!!
『それと、今困ったことが起きてなぁ~いい材料が手に入らない』
『コボルト共が銀を腐らせるって話を聞いたことがあるかのぅ?』
材料を買い付けてるバグベアのダニー
バグベアってのは、わしらゴブリンの大型種で、ホブゴブリンよりちょっと大きい
毛むくじゃらでよく巨人たちと間違えられておる残念なやつらだ
そいつが言うには・・・銀鉱山にコボルトあつまってそれで銀が腐ったっていう
コボルトって、言うのは・・・犬顔の愉快なやつらで・・・わしらよりやや小さめのやつらで・・・わしらやほかの種族に奴隷扱いされてたりするよわっちいやつで・・・・いろんな種類がいるんだ。
腐らすって言うのは?と、メアリーが聞くと・・・・
『コボルトは・・・魔法力のある銀に長く触れてると死んでしまうんだその時一緒に銀を腐らせる・・・』とモース
『なんで、そんなところにコボルトがいるんでしょう??』
さぁ?っと、リガスとモース
で、わしらにそこに行って・・・なんとかしろってことか?
『お前だけ行って来い!』何で口をそろえて言うかな!!お前たちは!!!
メアリーが興味があるので私も行きますよと言うと、危ないとかいろいろ説得し始めやがった・・・おいおい!!
で、説得が無理だと分かったら。泥水も真水に変える水筒だとか・・・新鮮なまま食材を運べる袋だとか・・・色いろいろ渡して挙句に重量体積軽減の背負い袋だの・・・傷薬、風邪薬、胃薬・・・・その他もろもろ・・・なんだこのサービス???
わしには??って、聞いたら・・・・
そろって
『ない!』
なぁ?わしって・・・たしか??すべてのゴブリン達の王・・・ゴブリンキングだぞ!なにこのあつかい・・・・
で、今・・・二人で遭難してるわけだ・・・
『何で遭難したんだっけ?』
『なんでってキングが突然、崖の岩場で垂直壁走りとかはじめるから・・・』
ロープで結んで会ったメアリーが落っこちてそれに引っ張られてわしも落ちたってことです
あぁ~人間って不便だなぁ~・・・わしが特別すぎ???
崖下に落ちているわしらだが・・・
上のほうに行けば何とかなるか~?
だが、メアリーは、崖を駆け上るだけではなく。横に駆け抜けるなんてことも出来ないという・・・
さてどうしたものか??
う~むと、聡明なわしは考えた・・・うむ、簡単だ!っと、メアリーを肩車する。きゃっっと声がきこえたが気にしない。
崖を駆け上がるわし!きゃ~っと悲鳴が聞こえるが気にしないw
オーバーハングしてる場所に着く、大丈夫大丈夫ほら足の指で岩場をつかめばほらね~あっ、ダメだ~きゃ~からぎゃ~に変わった気がするが気にしない
『今度こそ死ぬ~!!』メアリー下さえ見なければたいした高さじゃないし怖がることもない・・・死んでから考えろそんなの?と頑強なわしは思った。
落ちる場所は、さっきの場所と違うようだ?少し斜めに走ったのか???
落ちた
すちゃっと着地?したいが、無理w
『ぶぎゅる』『ぐえ』はて?
着地した先はなにやら、でっかい袋の上・・・・ぐえっの主は、足をぴくぴくさせている・・・
メアリーが、おとなしいなぁ~あ~肩車状態のまま気絶してるよ・・・人間というやつは本当に根性が座っておらんなさけない、もうちょっとゴブリンを見習うべきだなどと考えながら足をぴくぴくさせている主を見る。
うつ伏せだがメアリーよりかなりデカイそいつは、そして毛のはえ方も人より多いやたら人間の形に近いそいつ?
まぁいい生きているなら上につれてってやろう。
ここにいても仕方ないだろうしな、崖下のここは日もろくにささないくらいの場所、毒虫どもがカサカサ音をさせている・・・・
刺されるのはいやなので、足首を持ってもう一度崖を駆け上る・・・がっ、ごっとか、ぐっ、ぐがっとか声のようなものも聞こえるが、王の威厳とおおらかさを兼ね備えるわしはまったく気にせず崖を上りきる
オーバーハングもようは勢いだな、実際はぴくぴくしてる奴を前に放り投げるようにした反動で越えたわけだが・・・・赤い帯がたなびいていた気がするが?細かいことは気にしない・・・・
メアリーが、肩車状態で固まったまま気絶中なのでどっか休めるところはないかな?おお、山小屋があるではないか、煙突らしきものから煙も出てる・・・まぁ、行ってみよう。
片手がぴくぴくでふさがってるので、王としては扉を蹴破りたいところだ・・・だが、ジェントルマンなわしはノックする・・・
トントン
ドンドン
ガンガン
ドガンドガン
『うるさい』中から声が聞こえたのと同時にドアが開いた・・・いるならさっさとあけるが良い
中にいたのは、銀髪で白に近いグレーの肌をした山エルフの男だった・・・エルフというのは華奢な人間に近い姿で、笹の葉のような耳で人間に言わせると美しい存在なのだそうだが性格はわしから見るとキザでエゴイストで閉鎖的ですぐ人を見下す・・・・食うとうまいが、骨が多い・・・・ん?よだれが・・・・
そんなわしを見て、ちょっとひいた・・・山エルフ・・・
『なんとも、変わった組み合わせだな?お前は何だ?ゴブリンに似ているが?』
『うむ、わしはゴブリンキングだ。』かくかくしかじかと説明する・・・この、かくかくしかじかという魔法の言葉は、めんどくさい説明をしてなくてもしたことにしてなぜか相手も理解できるという便利な言葉だ!
『ふむ、そういうことか。まぁ、立ち話も何だろう・・・』と中に通された
『山を降りん私でも・・・魔神達は何とかしたいと思っておったよ』と、暖炉に火をおこし、なにやら草が煮込まれた鍋を覗き、ひしゃくでその中のお湯をすくいカップに入れるとそれをわしによこした・・・飲んで見たが、ぐぉっにが・・・そのわしの顔を見てニヤリと笑う山エルフ・・・な!こいつら種族は性格が悪い・・・だが、毒は入っていないようだ。体が温まって少し疲労がとれた気がする。
メアリーとぴくぴくは寝かせてある・・・メアリーは山エルフのベットに、ぴくぴくは、大きすぎたので床に寝かせてある。
なぜか重症で死に掛けてたので赤い液体を飲ませておいた時期に治るだろう。
赤い液体を見て、山エルフが
『ほう?それが、搾取のエリアで魔神どもが集めているものか?少し分けてもらえんだろうか?』
『いらんだろ?死なないエルフがこんなもの』山エルフは、普通のエルフとは違う・・・事故犯罪自殺以外では死なない・・・不治の病は、治らないだけで・・・生きてしまう・・・それはそれで苦しいだろうが・・・
『うむ、私はいらんのだがな、同胞の中に不治の病に苦しむものがいてな、それで治せればとな』
『若いエルフか?』
『あぁ、と言っても・・・お前達と比べる訳にはいかんがな・・・』と、少しさびしげな顔をした。
『うむ、よかろう』わしはあっさり赤い液体を1瓶くれてやった。まだたくさんあるし1瓶ぐらいならどうと言うこともない。むしろ魔神を倒していけばいくらでも手に入るわけだしな。
『おぉ!助かる感謝するぞゴブリンキング』とても喜んで見えた・・・近い身内なのか??
山エルフは、死なないと言う事情からか?繁殖力が低く・・・人口?数も少ない。いやなったと言うべきか。
エルフは、ハイエルフ・エルフ・ダークエルフなどに分かれると言われるが・・・山エルフは、ハイエルフの亜種だ。
目を覚ましたメアリーが、助けてもらったお礼も挨拶もなしに・・・山エルフをガチに観察・質問攻めにしているが山エルフはそれに適当に答えつつ例の苦い草の液体を、メアリーに飲ませ黙らせる・・・あれ、いいなw
なぜか落ち着いた、メアリー・・・苦さで頭がやられたか?
はっ!っとなったメアリー『ごめんなさい、助けてもらってありがとう』と今頃になってから言った・・・おそいぞ
『今日はここで泊まっていくといい、窮屈だろうが外よりはましだ。食べ物も、たいしたものがないが』と、山葡萄で作ったのだろうぶどう酒と、山菜のような物を戸棚からだし・・・草を煮込んだ鍋をどかし、大きな鍋用意する山エルフ
『あれ?調味料はないんですね?』
『ああ、塩ですら貴重品でな・・・』
『塩も調味料も食べ物もありますよ。』と、袋から新鮮な肉やら野菜やら魚やらいろんなものを取り出し始めるメアリーそれを見て目を丸くする山エルフ・・・・
『かまどとか使ってもいいですか?』
『ああ』
料理を作り始める、メアリーと道具とか渡したりと補助をする山エルフ・・・わしは水汲みに外に出されて水場と山小屋を往復させられている・・・王の仕事ではないが・・・なぜか楽しいw
料理の出来上がっていくにおいやうまそうな音が、山に満たされ始めたとき・・・ぐーーーーー!!っと、大きな音をたてて・・・ぴくぴくが起き上がった・・・
『あ~ごはんだ~おいしそ~』
まだ寝ぼけてる、ぴくぴくは・・・・ぼーっと、椅子に座っているようだ?
『お~目覚めたのか、傷も治ってるようだ・・・さすがは赤い液体だ。』と山エルフ
『で?お前はなにものかね?』
ぴくぴくは、目もうつろに左右に大きく揺れながら~
『私はダニー。バグベアーだよ。』
あ?とか、え?とか、ん?とか同時に言うわしら・・・
バグベアってのは、男も女もゴリマッチョで毛深くて、下あごから牙が出てて耳がウサギのような耳だが上に向かってではなくて横に向かってはえている・・・・色もいろいろだが・・・黒っぽい茶色が多いようだ・・・背もホブゴブリンよりちょっと高くて・・・時々巨人族と間違えられる・・・残念なゴブリン大型種なはず・・・
こいつは、メアリーのように細身の人間の女の形をしているし毛の色も薄い赤茶色と黄色っぽい茶色のツートン・・・スタイルも?メアリーよりもよく?メアリーはつるんぺたんたるんな感じだが、こいつは・・・
ぼんきゅぼん
たしかに、毛深いが人間よりはでバグベアで考えれば少ない・・・で少ない布やら金属の飾りやらで大事なところは隠してあるが・・ほとんど裸同然だ・・・
山エルフや、メアリーがこいつを注視出来ない理由はそこか?なぜか二人の顔が赤いのは何でだ?
バグベアだというダニー・・・・ダニー・・・あ!あの、巨人とドワーフこいつをお抱えの商人にしてる理由はこれか!ふむ
しっかし、あの話の中の商人ダニーが女だとは・・・・考えもせんかった。
テーブルの上におかれていく料理の数に惹かれるかのように目を覚ましたのか・・・ダニーが獲物を見る目で生き生きし始める・・・こいつ尻尾あったら振ってるだろ?
料理が並べ終わり。メアリーが酒やら飲み物を出して・・・それわしの酒~(涙目)
『さぁ、宴にしよう!』みんなで乾杯をする
山エルフが・・・・
『宴をありがとう』
そんな声をわしは聞き逃さなかった・・・・
そして山中に、笑い声がこだまする宴が始まった。
ダニーが、ものすごい勢いで肉中心に料理を平らげている・・・山エルフと談笑しながらも手を緩めることがない・・・どこに入ってるんだ?腹が膨れてる様子がない??わしも負けずに食べる・・・王としての威厳を示すときだ!
しかし、メアリーは、止まっていた・・・操り人形のようなカタカタとしたしゃべり方で『キング、私ダメかも・・・ダニーさんの胸から目が離れない』
うむ確かに、お前の目線の先にあるのは。飯を食っても、話をしていても、笑っていても、息をしていても・・・やたらとゆれるそれ・・・・
ないものねだりと言うものかもしれないが・・・圧巻というものだろうな~
だが、わしの目には丸いポニョポニョ左右に上下にリズミカルに動くそれが二つ・・・ようは下乳というのか?それしか見えん!!こやつはそっから上どういう形をしているのかと?それをどかしてみたいが手が届かんしそれどころではない飯を口に運ぶので忙しいからだ。
知恵熱が出たのか真っ赤な顔をしたメアリーを寝かしつけ宴は朝まで続いた・・・・
朝、例の草のお湯を飲みつつ・・・・
『基本、ゴブリンは馬鹿なのだ』
と、ゴブリン全体を敵に回す発言をいきなりする、山エルフ・・・・
『鉱山には、その掘りだられた鉱石を運ばなければならないから街道が整備されているんだ、多少迂回しているだろう時間のかかる山越えよりは楽で早い。だが、ゴブリンは直線距離でこっちに行けば近そうだからこっちだって山越えを選ぶんだ・・・』
『え?』っとメアリーがわしらを見る・・・なぜかダニーが胸を揺らしながらそっぽを向いて口笛を吹いている・・・・
『ん?だって近いだろ?まっすぐだし??』なに?違うのか???おい、何だその目は・・・山エルフとメアリーの冷たい目が・・・・おい、何でダニーお前まで加わる!
ふかーためいきの後、メアリーが
『まぁ、そんなところだと思ってましたよ・・・で、ダニーさんは、なぜあんなとこで遭難してたんですか?』
『え?あ?ほら?え~っと??まっすぐ言ったら早く鉱山の近くに戻れるかなぁ~?って・・・・』
ほう!っという冷たい目の二人の攻撃を受けるダニー、どうだ?気分は・・・
『で、ダニーからの話を総合すると・・・コボルト銀中毒で死なせることで銀を腐らせてるわけだな・・・』ないやらぶつぶつと独り言を言い始める山エルフ・・・しばらくして、ポンッと手を打ち部屋の奥に棚に無造作に置かれた宝珠のひとつを袋に入れて、メアリーに渡す。
『これは、銀の精霊を封じてある・・・この精霊の力を借りれば・・・腐ってしまった銀が完全に元に戻るかは分からんが腐り続けるのは、とめられると思う』
出発のとき。
山エルフが、メアリーに・・・
『少しだけ塩を分けてもらえんか?』
『あぁ、いいですよ』と一袋わたす
『ありがとう、昨日の宴は楽しかった・・・』
『また、出来ますよ!』と満面の笑顔のメアリー
『お~い、いくぞ~』と、わし
なぜか?一緒について来たダニーと先に行くわしらに、小走りに駆け寄ってくるメアリー
小さくお辞儀しながら旅の先を急ぐわしらを見えなくなるまで手をふって送ってくれる山エルフ
『で、なんでまた谷底におっこってるんですか?』
それはな~メアリーだ落ちそうになったのを、助けようとダニーがなぜか突き飛ばすようにして~落ちたのを、必死で二人で掴んだら一緒に落ちた・・・・
う~んと、一番初めに落ちたのはダニーだけど、落ちそうになったのはメアリー・・・・どっちが悪い??
いたた~って、腰をさすりながら立ち上がるダニーのお尻に大きな白い毛玉が張り付いていた・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます