松江の女 13

米子から江府へ出て、そこから蒜山へ向かった。


せっかくだから蒜山へ行って、ジンギスカン料理を食べようというのである。


蒜山高原センターへ着くと、風が心地よく感じられた。


私と彼女はレストランでジンギスカン料理をオーダーした。


羊の肉とたくさんの野菜が運ばれて来た。


日本には羊の肉を毎日食べる習慣はない。


羊よりも豚、豚よりも牛の方が好まれる。


こういう所へ来ないかぎり、羊を食べる機会はないのだ。


思ったよりくさみはなく、おいしかった。


「おいしいわね」


彼女が言った。


「そうだね」


私達は食事を終えると車に乗った。


私はこのままずっと運転を続けてもいいと思った。


彼女は疲労からか、目を閉じた。


その横顔は美しかった。


時々、彼女の頭が私の肩にもたれ掛かる。


私は彼女を起こさないように、注意しながら運転を続けた。

終わり。

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松江の女 ミッソー @mittsoo

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