第2話 冷戦時代の世界情勢
お忘れの方、
それは全世界に広がりを見せ、代表的なのが、ドイツと言って良いだろう。ご存知ない方もおられると思うが、かつてのドイツは、東ドイツと西ドイツに分かれ、東ドイツ側にあった首都ベルリンには、東西を分ける形で壁を建設し、社会主義の東ドイツ側、民主主義の西ドイツ側に分けられていたのだ。それは現在の朝鮮半島と同じで、壁には見張りの衛兵がおり、壁を越えようとする者は、
しかし、その多くは、社会主義により、貧困に
では、
ここでは社会主義とはどう言ったものであるのかを説明する必要がある。社会主義の始まりは、20世紀初頭のロシアにまで
日清戦争に勝利した日本は、朝鮮半島を統治し、満州国を制定し、大日本帝国と名乗り、先進国の仲間入りを果たすと共に、アジアのリーダーとして、台頭して行った。
これを良しとしなかったのは、アジアのリーダーであったロシアだった。ロシアは現在もそうであるが、広大な大地と反比例して、土地は
日本にとっては国際国家として認められ、正義の名の元に、朝鮮半島独立を成し遂げたばかりであり、ロシアの介入は許されざるものであった。しかし、ロシアほどの大国との戦争は初めてであり、兵力も軍事力も
この日本の大勝は、明治維新より、
この敗戦は、ロシアに大きな打撃を与えた。しかしロシア帝国を
そして1917年10月から始まった "十月革命" により、ロシア帝国を倒し、1922年より、新制度を掲げ、ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が設立された。レーニンの考えた新制度は、国民が等しく生産し、等しく報酬を得ると言う、民主主義を根本から否定するものだった(共産主義)。その後もレーニンは神格化され、十月革命が起こったその土地の名を、今も残るレーニングラードと変え、首都とした。現在の大統領、プーチンのファストネームがウラジーミルなのも、皮肉な気がしてならない。
さて、この話しを今の日本に置き換えてみよう。収入が充分にあり、老後の心配などした事のない、どこかの副総理のような人には "ピン" と来ないかも知れないが、大多数の人は、今の生活を切り詰めて、子供の未来の為に、お金を使い、貯め込んで、自分達の老後など、不安しかない、年金などアテに出来ないと言うのが本音だろう。それならば、レーニンが提唱した制度を今の日本にも取り入れた方が良いのでは?と言う疑問符が付く。しかし、冒頭で説明した通り、共産主義は崩壊の一途を
実は、共産主義と言うのは、欠陥だらけの制度だったのだ。想像してみて欲しい。会社に勤め、一所懸命に額に汗し働いて、どれだけ生産性を上げても、また上がらなくとも、収入は、国に定められた通りに同じなのだとしたら、頑張って働けるだろうか?ネジを一日に1000本作る人間も100本作る人間も同じ給料なのだ。後は言わずもがなだろう。しかし、レーニンが神格化されたこの制度に於いて、ソ連は断固として民衆を苦しめた民主主義を
民主化を進める世界のリーダー、アメリカと、独自に作り上げた社会主義(共産主義)を世界に広げようとするソ連。アメリカ側に
そしてその静かな戦争に終止符が打たれる時がやって来た。1990年当時、ソ連最高指導者、ミハイル・ゴルバチョフ書記長が、ペレストロイカ(改革)を旗印に、外交、内政面でも改革を断行し、アメリカ、レーガン大統領との米ソ首脳会談を実現させた。その折り、核軍縮協定に調印した。しかしゴルバチョフ氏の国内からの反発は厳しく、ソビエト連邦は空中分解し、やがて崩壊へと繋がって行った。同年、ゴルバチョフ氏はノーベル平和賞を受賞している。
社会主義国としてのソ連は無くなった訳だが、現在のロシアに於いても、共産主義思想(レーニン思想)は根強く残っており、今も北朝鮮や中国の一部の制度として存在している。
人間は
次回、そんな人間の根底にあるものを掘り下げてみたいと思う。
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