第15話 Daylight【デイライト】 その3
「さて、この端末が私の手にある限り、新しい命令は出せないとは思うが、念のためだ。あの怪物は破壊しておくぞ。やれ、ブレイキングハイド」
そう言うと女は手にしている存の裁、マインズクラフターと直結している怪物、バーサーカーの胴にブレイキングハイドの細剣を突き立てた。
その画面に『
その文字が証明するかのように、怪物は存在感が希薄になると、そのまま霧散していった。
だがしかし、存が、自身の裁を破壊された紗亜那のように消耗している様子はほとんどない。
もちろん、ブレイキングハイドの触手に四肢と胴を縛られ、空中に浮かされている苦しそうな状態ではあったが。
女は、手にある端末をひけらかすと、言った。
「なるほどな。確かに『自動操縦タイプ』のようだ。命令されて動いている方を破壊しても、お前の精神にダメージは無い……しかし、どうする? 見ての通り、今やお前の裁は私の手の中に在る。もはや、お前に抵抗する手段は存在しない」
女は不敵に笑う。
戦いは終わったのだ。
一番手強い裁の使い手は脳天を銃で撃ち抜いてやったし、チンケな裁しか使えない少女も戦闘不能状態だ。
そして今、少年の戦う力も奪い、この手の中に捕らえている。
「お前はもう、私に何をされても仕方がないんだ。私が何をしようと、止めることは出来ないんだ。もちろん、どうしてかはわかるだろ? この結果はお前が選んだんだからな。私はこれからあのロリガキを殺し、お前を徹底的に拷問してやる。苦しませてから殺してやるよ」
女は言いながら、別のことを考えていた。
(しかし、この少年の裁、珍しい形の裁だった。自動操縦タイプと言うのもそうだが、携帯端末……情報収集も出来るとはな)
画面に表示されていた地図。その場にいる人物の位置。
姿を消すブレイキングハイドがこのマップに表示されるかはまだ試してはいないが、そうとなれば天敵ともなりうる能力である。
だが、女は逆のことを考えていた。
こいつとブレイキングハイドが組んで戦えれば、姿を消せる上に標的の位置を知れると言う、最高のアドバンテージを持つことになる、と。
もし、これが味方だったとしたら、これからの仕事は圧倒的にやりやすくなるのだと。
(こいつはまだガキだからな。上手く、懐柔させるか何かして、こっちに引き込めば。あるいは……。あのクソ女に名前は何と呼ばれていたっけ? たもつ?)
女は存の顔を見る。
顔は絶望はしているように見える。後悔をしているようにも。
だが、その目からは闘志はまだ消えていない。
服から露出している場所は、顔も含めて傷だらけのようだが、体も健康そうだった。
そして、その少年の体を舐めるように見ていた女は、再び自分の性癖にグッとくるものを感じた。
(……欲しい。こいつが)
一度そう思えば、もう、殺すなんて選択肢は選べなかった。
どうやって、自分の仲間に引き入れるか。
女は一人、思案に暮れる。
純粋で、愚かで、それでも追い詰められれば爆発するかのような闘志を垣間見せるこの少年を、自分のモノにしてやりたくて仕方がない。
最高なのは、自分を好きにさせることだ。
自分を愛させて、従わせて、ゆっくりと自分好みの男に育て上げれば、きっと、最良のパートナーとして隣にいてくれるだろう。
そして最悪なのは、やはり敵対関係のまま殺し合う関係になることだ。
失敗はしたくない。
どうするのが最善か、考えなければならない。
(あっちのロリガキは始末しても良いと思ったが、私の見た限りじゃ、あのロリガキを殺せば、こいつは私を憎むようになるだろうな。ならば、とりあえず、今は)
言った。
「……なんてな。そんなに怯えるな、少年。素直に言う事を聞けば、優しくしてやっても良いぞ? 条件だ。私がこれから言う条件を飲めば、殺さないと約束しよう。あのロリガキもしばらくは生かしておいてやっても良い」
紗亜那が、目を覚ましたのだろうか。
指がピクリと動き、ぼんやりと顔を上げていた。
その顔を見た存が、サッと顔色を変える。
存が何かを言う前に、女はたたみかけた。
「どうするか、今決めろ」
「……何を、しろって言うんですか?」
「まずはそうだな、お前の名前を確認するぞ? たもつ、と呼ばれていたか? あのクソ女に」
女の言う『クソ女』が玲央のことだと思い当たった存は、その最後を思い浮かべて、顔を逸らした。
「目は私を見たままだ。そして早く答えるんだ。あのロリガキ、今殺しても良いんだぞ?」
もちろん、女にはその気はない。
今殺せば、きっとなにもかもが台無しになる。
しかし、女がどうするかと考えている間も、少年は考えこみ、やがて観念したように口を開いた。
「……そうだ。僕の名前は、
「なるほど。よし、存。今はそれだけで良い。お前が誰かは、後でゆっくりと聞かせてもらうが……とりあえず、こちら側からの条件の話をしようか?」
存は、遠く、紗亜那の顔が真っ青になっているのに気付いて、後悔した。
しかし、言うしかなかったのも事実だ。
もっとも、女を殺せなかったというのがそもそもの間違いだったかもしれない。
存は、それでも……自分には出来なかったのだと思う。
「聞いているのか? 条件がこれだけだと思ったか? お前とあのロリガキ、命が二つ分だ。今の質問だけでは、まだ、それには釣り合わない。お前にはまず、誠意を見せてもらわないとなぁ」
「誠意?」
存は、一瞬にして恐れた。
女の目が、酷く嗜虐的な者のように感じたからだった。
「僕は、何を、するんですか」
「お前にも得がある話だよ。簡単なことだ」
低い、興奮を隠した声だった。
一瞬にして生理的な危機感を感じた存は、この自分の恐れが何なのかを考えた。
そして思い当たる。
この目は、自分を痛めつける時の義理の母に似ていると。
「……うっ」
思わず、小さいが確かな呻き声を上げてしまった存だったが、女は気にもせずに舌をチロリと見せて、言った。
「とりあえず、一発、
存は、一瞬、何を言われたのか分からなかった。
理解が追いつく前に、女がニヤリと笑いながら存の顔を覗き込み、その頬に触れる。
「
存の、他人がほとんど触ったことのない場所を、女が指で突いた。
「い、嫌だ! 離せ!」
存は必死になって暴れようとしたが、縛られたままでは全く動けない。
「くっ! うわっ!」
それどころか、ブレイキングハイドの触手によって存の体の向きが望まぬ形に変えられた。
地面に寝かされるように、あおむけに。
やはり、抵抗することなど出来ない。
女が笑いながら存の腰の上に乗って来た。
「拒否権が、あると思うか?」
女の、細い指が存のあごを撫でつける。
「良いか、存。負けると言うのは、こう言う事なんだよ。命のやり取りをしてたってのに、薄っぺらい、その場の感情で動いたツケだ。それとも何か? 良く知らない、名前も知らないような女とヤるのが嫌だって、潔癖なことを言うつもりじゃないだろうな?」
それはもちろん、そうだった。
もし、自分が誰かとそこまで親密になれるのならば、それは、お互いを想い合える、綺麗な感情を持った相手同士でするべきなのだと、存は思っていた。
しかし、女はフンと鼻を鳴らすと、存の耳元で囁く。
「教えてやるよ。私の名前は
本名かどうかなど、もちろん存には判断のしようがない。
しかし、存が聞いたばかりのその名前は、わざわざ本名と付け加えられて、特別な意味を持つ名前となってしまった。
「他に何が嫌なんだ? お前、男だろ? 男なら、女といつだってヤりたいだろ? 本気で嫌なわけないよな? 私みたいな、良い女と出来るんだぞ?」
「い、嫌だ。僕は……!」
女――
豹変だった。
「めんどくせぇな! 良いから、ヤらせろよ! 気をつかってやってるってのが分からねぇのか! こっちは無理やり犯しても良いんだぞ!」
激昂である。
存は耐えようのない恐怖に駆られたが、それでも負けるかと目を閉じ、口を結ぶ。
こんな条件は、絶対に認めるわけにはいかない。
存は、ただただ純真で、性行為そのものが怖かった。
それに紗亜那の目の前でなんて、出来るはずがないのだ。
きっと、死ぬことよりも、もっと大切な物を失ってしまう。
そんな存の怯えと強情さに気づいた女は、取り繕うかのように言った。
「……怒鳴って悪かった。でも、お前が素直じゃないからだぞ? 普通は、私みたいなイイ女と出来るって言ったら喜ぶべきなんだ。お前もほんとは好きなんだろ? 嫌いな奴なんて、いないもんなぁ」
言いながら手を存の腹に触れさせて、それからビクッと震えた存の体を感じた瞬間、女は思った。
(妙だ。こいつの怯え方は、何だ?)
礼美は、存の顔を見つめて、それからハッと気づく。
「お前、まさか、童貞か? 童貞なのか? 童貞なんだろ? なぁ?」
存はグッと何かを言おうとしたが、黙った。
そして、それがそのまま答えになった。
女はそれをみると、声を出して笑う。
爆笑だった。
「なんだよ、少年! そういうことかよ! そこのロリガキと良い仲に見えたが、童貞かよ! だって、そっちのロリガキは非処女だろ? 何となくだが雰囲気で分かるぜ? ヤりまくってたんじゃないのか?」
「ぼ、僕と、その人は、そんな関係じゃ」
「……たまんねぇなぁ」
目を細めてニィィと礼美は笑う。
はだけたゴシックロリータの服にその紅潮した顔の表情は、まだ十代の存にはあまりにも妖艶に映る。
「本当に楽しみだ。気に入った奴が童貞で、そいつに女を教えてやれるなんて滅多にない。でも、何であのロリガキとヤらなかったんだ? お前がしたいって言えば、すぐに股を開いたんじゃないか? 身も心も捧げますって、そう言う風に、私には見えるけど。お前はアイツとシたく無かったのか?」
「考えたことも、無い」
言った存は、あからさまな嫌悪感を出して、顔をそむけた。
紗亜那を性的な目で見ないと言うのは、存にとっては鉄の決意だったのだ。
もちろん、紗亜那は存にとっての初めての恋愛対象であるし、存にとっての紗亜那は、自分の命よりも大切な人だと思っていた。
だが、それ以上に、紗亜那は絶対に傷つけたくないし、汚れて欲しくない相手であったのだ。
自分は汚れきっていると思い込んでいる存にとって、侵してはならない聖域である。
いや、自分に、と言うくくりだけではない。
紗亜那を嬲っていたあの不良たちの声を思い出すたびに、不快になった。
存はもう、他の誰にだって紗亜那の事を汚されたくないと意識しているのだ。
だが、この空志渡 礼美にとって、そんなことなど知る由もない。
とは言え詳細さは分からずとも、その真意は薄々感じてはいた。
だからこそ、礼美は残酷な笑みを存に見せて、言った。
「ふうん? 考えたことも無いって? 存君はそうなんだ。でもさ、あのロリガキはそうじゃないみたいだけど? なぁ、ロリガキ! 私、今からこの存君とSEXするけど、お前はどうなんだ? 平気か?」
礼美はニヤニヤと笑いながら、紗亜那に向けて言い放つ。
存が視線を向けると、紗亜那は、震える足で立ち上がっていた。
今までも何度も立ち上がろうとして失敗したのか、服は先ほどより汚れていて、足は傷だらけだった。
そして紗亜那がまた倒れるのも時間の問題だったが、無情にもブレイキングハイドの触手が伸びて足を払うと、簡単に転がってしまう。
そして倒れたそれが最後、余力は全て失ってしまったようだった。
倒れたまま、無我夢中で口を開き、必死に言葉を紡いでいる。
「やめて、お願い。やめて……やめて……!」
懇願だった。
紗亜那はもう、泣くことしか出来ない。
「無理をするんじゃないぜ。裁を二回も破壊されてるんだ。もう、喋るのも辛いだろ?」
実に楽しいと言った様子で、礼美は紗亜那を見る。
紗亜那は声を絞り出すように懇願し、必死に這っていた。
「その人は、私の、大切な人、だから。お願いします。私には、その人しか、いないんです! だから……!」
女は紗亜那の声を聞いて、さらに笑った。
ブレイキングハイドの触手を調整して存の上半身を起こすと、その顔を撫でつけて紗亜那に見せつけた。
「悪いけど、もう、少年は私のモノなんだよ。証拠を見せてやる。よく見とけよ? 自分の好きな男が犯されるところをさぁ」
言い終わった瞬間、女は、横目で紗亜那を見ながら、存の唇を奪った。
あっという間だった。
それは、存少年にとっての、ファーストキスだった。
「ん……! んんんんん!」
何をされているのかに気がついた存は、ギリギリと手足に力を込めたが、ブレイキングハイドの触手が少年の四肢の拘束を強め、それを許さない。
気がつけば頭と首も触手によってガッチリと固定されている。
顔を背けることも出来そうになかった。
礼美は貪るようにして存の唇にキスをし続ける。
何度も。何度も。
やがて、舌を出すと、言った。
「存、口、開け。早く。お前も舌を出すんだよ」
ディープキス。
女は舌を伸ばし、存の口の中に侵入させようとしていた。
もちろん、存はそんなこと等、ごめんだった。
唇を固く結び、礼美の舌の侵入を拒み続けている。
「抵抗、するな」
ギリギリと、ブレイキングハイドの触手が力を込める。
骨が軋むような力だった。
「ぐ……く……うあ!」
痛みに耐えかねた存が、ついに口を開いた。
開いて、しまった。
「やめて……! いやぁ! お願い、やめて……! やめてぇ……!」
それを見ていた紗亜那は胸を手で押さえて叫ぶ。
だが、紗亜那の懇願は、虚しく響くだけだった。
クチュクチュとした生々しい音が響き、そして、無情にも女の愛撫を受け続けていた存の体は、彼自身の意志とは関係なく、勝手に反応を始めていた。
「ふ、は、はは! 見ろ。少年のココ、固くなって来たぜ!」
「ち、違、くっ」
一度反応してしまえば、抑えるのは不可能だった。
無理やりとは言え、初めて嗅いだ女性の肌の香りと、唇の感触。
体の柔らかさと、その温度。
存の肉体は十代の若者で、健康そのものだったのだ。
だからこそ、その健全さは淫らを教え込むように動く礼美の愛撫に逆らえなかった。
「何が違うって? ん?」
礼美は存の男性的部分が自己主張してくるのを感じて、ひたすら興奮していた。
荒くなる呼吸を落ち着かせながら存の首筋に舌を這わし、ペチャペチャと唾液で汚していく。
それを受けた少年が喘ぎ、ビクビクと震えるのが面白くて仕方が無かった。
(うあ……我慢できねぇ。その表情、本当に。全部、私のモノだ。もう、誰にも渡さねぇ)
そのまま、呼吸を荒げて存のジーンズを脱がしにかかる。
存は身をよじってそれを防ごうとした。が、ダメだった。
まず最初にジーンズの金具があっさりと外れてしまい、外れた瞬間にはもう、礼美の手はその下にあったチャックを下ろしにかかっている。
そして、何の抵抗もなくジッパーは下がると、拘束を解かれた存の一部分は、彼の下着の下から主張し続けていた。
礼美の指先が張り詰めているそれをツッとなぞると、存は全く未知の感覚に震え、体を跳ねさせる。
「ッ……! ッ!」
「は、はは」
身悶えた存に、礼美は言った。
「大丈夫だよ、存。我慢なんかするな。男の体なんて、女の手で刺激すると、こうなる作りになってるんだ。それに、死を身近に感じた時ほど、ココは反応するように出来てるって聞くぜ? 死ぬ前に子孫をってね。持って生まれた、生き物としての本能だから仕方ないんだ。だから、安心しろ。お前は何にも悪くない。全部、私に任せろ」
言いながら思った。
(こいつはこのまま拉致だ。絶対に、私のモノにしてやる。被害者が加害者を愛するようになる現象――ストックホルム症候群だっけ? まぁ、童貞なら、初めての女を意識せずにはいられないだろうし、一度
薄明かりの下。閉鎖空間であるこの場所はロマンチックと言えず、近くに死体があるとなれば状況も最悪だ。
しかし、存の未熟な青い男の匂いと、成熟した女性の匂い。それからすぐそばにある死の匂いが混ざり合い、空気は湿っていて
礼美は、存が玲央の死体を意識しない様にと視線を自分に向けさせたまま、彼のジーンズをずりずりと下ろす。
ブレイキングハイドの触手を使って、拘束を解かない様に、器用に。
その後で再び少年に跨ると、下着越しに自分自身を擦りつけた。
「っ……い、良いぞ、少年。ほんとうに、楽しみだ。……ヤる前に、もう一度、ちゃんと覚えろ。私の名前は
礼美の声は興奮して、低くなっていた。
男を欲した、切ない響きが僅かに混ざっている。
それが耳に届くたびに、存は必死に自分を抑えようとした。
今すぐ、下半身に集まっている血の流れを止めなければ。
だが、ダメだった。
やはり止めようがない。
思春期の、芽生えて間もない性。
日々、意識の外で発達し続けている生存本能としての性欲は、自分ではどうにも抑えようが無かった。
「そろそろ、始めるぞ? たっぷり、愛してやる」
女は言い終わると、まるで焦らすかのようにゆっくりと、その手を自分の体の下にある存の下着の中に忍ばせて行った。
だが、しかし、その一瞬。
存の目から涙が、こぼれた。
興奮していた礼美だったが、妙な空気を察して、その顔を覗き込む。
「お前、泣いているのか? そんなに怖いってのか?」
しかし、存から帰ってきた答えは、意外そのものだった。
「……あなたは、かわいそうな人だ」
礼美は、急に冷静になって存の目を見返す。
何か変だと、その時になってやっと気づいた。
存少年の目が、だんだんと、自分の知っている誰かの目に似ていると思い始めたのだ。
形や瞳の輝きではない。
それは、まるで自分の本質を見透かしてくるかのような、不可思議な力を少年の目から感じると言う事だった。
(に、似ているぞ。こいつの目の、この感覚。これは……乃原だ。バカな。こいつ、まさか『人を見る眼』を)
人を見る眼。
性格や心、相手の本質を理解する裁とは違う才能だ。
その見ると言う能力が高ければ高い程、相手の過去など、相手の秘密にしていることまでもを見透かしてしまう。
礼美が乃原をお気に入りと思いながらも、実際に顔を合わせなかったのは、この眼で見られたくなかったからだ。
しかし、今、その眼は、今まさに犯そうとした少年の顔にある。
(私の秘密を暴くつもりならば、殺さなければならない! いや、まだ、決まったわけじゃない。きっと、私の、気のせいだ。こいつを殺したくない)
だが、礼美の想いとは裏腹に、存は、しっかりと礼美の目を見て、もう一度、ハッキリと言った。
「あなたは、かわいそうな人なんだ。本当は、自分が間違っているとわかっているのに、こういう生き方しか出来ない。ずっと、迷ってる。止めたがってる。僕がマインズクラフターであなたを殺しかけた時、何故かそれが分かったんだ。だから、僕はあなたを殺せなかったんだ」
グッと息を詰まらせた空志渡 礼美は、急速に芽生えた殺意を抑え込もうと、必死になっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます