大阪の女 4

彼女から電話があったのは、数日後だった。


彼女達組合員は、会社が抱えている化粧品の在庫を、知り合いに販売して、少しでも会社を助けようとしているのだった。


それで僕にも協力して欲しいというのである。


僕達は梅田で会う約束をした。


彼女はパンフと商品を持ってきていた。


僕はヘアトニックを購入した。


「本当に助かったわ。ありがとう」


彼女は心から礼を言った。


「黒住君、来週スケート大会があるの、知ってる?」


「うん。梅田スケートリンクだったね」


「ええ。私も行く予定なの。黒住君も参加する?」


「ああ。行く予定だよ。中田さん、スケート上手なの?」


「上手じゃないわ」


彼女はにっこりして言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る