大阪の女 3

彼女と最初に会ったのは、大阪市で化学同盟の青年婦人部の定期集会が開かれた日だった。


青年婦人部の副部長をしていた僕は、その集会に出席していた。


僕のすぐ後ろに座っていたのが彼女だった。


彼女は立ち上がって、現在の会社と組合の状態を報告した。


彼女の会社は倒産していて、組合が会社との交渉を継続しているとのことだった。


「大変ですね」


僕は後ろを向くと、彼女に話し掛けた。


それがごく自然だったので、彼女はにっこり笑って言った。


「ええ。でもみんながんばっているの」


「何かできることがあれば、遠慮なく言ってください」


「ありがとう」


僕達はいろいろなことを話し合った。


そしてお互いの連絡先を知らせ、その会場を後にしたのだった。

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