第6話「等に飾られる縁はけせらせらと嗤う」

悔い荒らすときときの刺す痛みも酔い

いずこかしこも痒い虫が這うようにイズイ

失笑なのか嘲笑なのか

たがいちがいに配される波に

唯嘲笑うは金切り聲を掻く

今生の不快を新かな彩に

堕とした失速の煌々を配している

廻り惑うは所詮虫けらであろうな。

あゝ生りたくはなく啼くこともできず。

ものおとすら否に這いずる有り様

囚われた朽ち身では風すらも尊く

行燈に貫くこともない、

僥倖の光に太刀打ちできない辛み。

これもまた天の采配と、

いかにして耐えうるか

その境地を試されているのだ。

とでも拝とせねば今今も空蝉をも

恨んでしまうでしょう。


「等に飾られる縁はけせらせらと嗤う」


いづい(方言)=目がチカチカ、いがいがする。着心地が悪い

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