君の信じた真実は嘘
峪明博
第1話SNSからはじまった殺人事件
そこは、大阪にある公立北山高校。
Lineからある噂が飛び廻った。
『北山高校に何かしらの事件が起こるらしい。』という、連絡が、友達から廻ってきた。
それが、友達から友達へLineで拡がっていった。
ツイッターでも、北山高校と調べると、
『北山高校なんかあるって』という書き込みがちらほら見かけた。
そして、事件が起こった。
一人の女子高生が、1階の女子トイレで殺害されていた。
山田咲菜。高校3年生。身長は146cm。
第一発見者は、勿論、高校2年生の女子。
2年生の女子がよくたむろするトイレである。
鍵は閉まっていたが、下の隙間から大量の血が流れていて、女性の先生を呼んだ後、無理矢理ドアをこじ開けると、山田がトイレに座った状態で、死んでいた。
そして、この学校には、頭脳明晰の少年がいた。
小山悟史。北山高校2年生。府警本部の中枢の役職の人間を父に持ち、ある程度の事件を解決した探偵である。
山田のことは多少、知っている。
明るくて、ムードメーカーだった。
小山は現場をいた。
胸元を一刺し、凶器はその場に落ちていた。
「おそらく、指紋は検出されないだろう。」と小山は言いながら、現場検証していた。
血はトイレを中心に広がっていた。
暫く、現場検証をしていると、警察が来た。
「サトちゃん。」
ベテラン鑑識のタミさんが来た。
「タミさん。」
と、小山はタミさんに声をかけ、
「証拠分析宜しくお願いします。」
と言った。
現場検証を鑑識課の人たちに調べて貰っている間、校内放送で、昨日から、今日までの山田咲菜の目撃証言を知っている者を呼び、目撃証言を集めた。
「昨日、山田さんを見かけた。」
「昨日、山田さんは学校に来て、いつもと変わらず普通だった。」
「昨日、山田さんは怯えている様子はなかった。」
「山田さんは部活をしていた。」
「山田さんを校門まで、帰る所を見た。」
と言う発言を聞いた。
暫くして、タミさんから鑑識の内容を聞いた。
凶器のナイフから、複数の指紋が検出。
手の爪から、皮膚の破片が検出。
床からは血を引きずった痕跡は無かった。
死亡推定時刻は、昨日の午後10:00から11:00の間。
殺害方法は水による、窒息死(溺死)。
水の成分から一般的な水道水。
そして、学校に来ている、全生徒と、全教員の指紋と、皮膚を採取し、科捜研で調べてもらった。
凶器のナイフからに付着していたほとんどの指紋は家庭科の先生と、残りは生徒の指紋と一致した。
しかし、皮膚は誰からも、検出されなかった。
そこで、小山は今日学校に来てない生徒を、調べて貰った。
三学年合わせて、15人である。
「さて、ここから、どうするか。」
と、小山は言った。
まず被害者に抵抗の後があったので、引っ掻いた痕がある人を調べる。
家に居るものには、その家に行って、皮膚を検出させてもらったが、
「そうか、家にいる人の中に、一致する人は居なかったか。」
と、小山は言った。
「問題は、家に居ない人だな。」
調べていると、妙な情報が入った。
一人だけ、いつもなら家に帰っているが、昨日から家に帰っていない子がいる。
名前は高校3年生。滝本孝治。
調べてみると、山田との面識はあるそうだ。
行方不明調査を兼ねて、滝本を調べた。
学校の生徒によると、滝本は昨日学校には来ていたそうだ。
誘拐なら、誘拐の連絡が、あるはずなので、誘拐の線はない。
北山高校は市街地だから、校内と、空き家、空きビルを探した。
そうしたら、2階の家庭科室で、首を吊って死んでいた。
近くには、椅子と、パソコンで打ったと思われる遺書があり、家庭科室は開いていた。
腕には、傷跡があり、彼の皮膚を調べてみると、山田咲菜の爪から検出した皮膚と一致した。
鑑識課の田中、佐藤、竹下が滝本の家に行った。
複数人の鑑識が家宅捜索をしたら、遺書を入ったパソコンが出てきた。
君の信じた真実は嘘 峪明博 @sakoakihiro
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