応援コメント

鬼の棲む島」への応援コメント

  • 読み合い企画「孤高の短編小説を称える本棚」から拝読させていただきました。
    伝説や歴史の大海にいざなう灯台のような物語を楽しませていただきました。
    己の視野の狭さと精神的な未熟さを突き付けられた桃太郎がひとつの経験を経て少しだけ成長を遂げる様子には、感情や目に映るものに容易く左右されてしまう現代に鳴らされる警鐘を感じておりました。
    私唯一の拙著も兵庫県の歴史を顕彰することを目的にしておりますが、貴作のように表で語られる伝説や歴史をより深く探求し故郷に関心を促す物語が正しく評価され世に溢れることを願って止みません。
    この度は自主企画へのご参加に心より御礼申し上げます。どうぞ今後とも益々のご活躍を祈念申し上げております。

    作者からの返信

    拙作へのご高覧及びコメントどうもありがとうございます。

    桃太郎を未熟だが素直な少年という造型にした点に着目していただけて嬉しいです。

  • ストーリー構成の妙もさることながら、圧倒的表現力に脱帽致しました。作り込まれた世界観に没入できる素晴らしい作品でした。
    素敵な読書体験をありがとうございました。

    作者からの返信

    拙作への御高覧、コメント及びレビュー、どうもありがとうございます。
    そんなに高く評価していただいて恐縮です。
    従来のお伽噺では省略されがちな鬼ヶ島の風景や鬼の姉妹など描写には力を入れました。

  • 素敵な作品ですね。
    涙が出て来ましたよ…。

    作者からの返信

    拙作へのご高覧及びコメント、レビューまでどうもありがとうございます。

    桃太郎やお爺さんお婆さん、「鬼」とされた人たちを血肉の通った人間として描きたかったのでそうした感想をいただけると嬉しいです。

  •  冒頭から物語の世界へ引き込まれてしまいました。『桃太郎』がベースということで非常に読みやすく、『桃太郎』に慣れ親しんでいるからこそ、胸に刺さるものがありました。また、多くの方がおっしゃっているとおり、雄大な景色の中に生きた人間の姿を見ることが出来ました。
     異邦人への偏見・差別感情は、現代社会にも通じる部分があり、まさに現代の『桃太郎』として相応しいお話だと思います。

    作者からの返信

    拙作へのご高覧及びコメント、レビューまでどうもありがとうございます。

    「桃太郎」はそもそも自然の中から生まれてきた少年なのでそこかは彼を取り巻く風景を描出する着想を得ました。

    昨今は外国人への差別や偏見が強まっているのでそうした風潮への警鐘にしたかったのもあります。

  • 蝉の声、打ち水、簾、朝顔…夏を感じさせる描写がきれいでした。読んでいるうちに思わず世界観に引き込まれて行きました。

    作者からの返信

    拙作のご高覧及びコメント、レビューまでどうもありがとうございます。

    「桃太郎」で実際に一行が鬼ヶ島に行く季節は明らかでないのですが、険しい自然の美しさ、女性頭領である葵の暮らす家の繊細さが映える季節として必然的に夏になりました。

    帰郷した桃太郎を待ち受ける、のどかだがどこか寂寥の漂う秋の風景との対比が活きていれば幸いです。

  • 「求む、最高の一万字!」企画から参りました!

    おとぎ話を現実に落とし込めようとする書き方が、好きです。真実を知ったような気持ちになります。鬼の正体にも納得感があって、また描写の雰囲気がとっても良かったです。

    企画参加ありがとうございました!

    作者からの返信

    拙作へのご高覧及びコメントどうもありがとうございます。

    「桃太郎」のパロディーはそれこそ沢山ありますが、「桃太郎は実は鬼ヶ島の鬼たちにとっては残虐無道な虐殺者である」という方向性の作品が多いですね。

    そこで、このパロディーでは敢えて「桃太郎は誰も殺さない」方向で行きました。

    また、鬼ヶ島自体の描写もオリジナルはもちろんパロディーでも省略されがちなので、「元から地形が険しく人が住まなかった、それ故に自然豊かな離島」というイメージを強調しました。

    繰り返しになりますが、ご高覧ありがとうございました。

  • 新約桃太郎という所でしょうか…鬼ヶ島の実情は実はこんな所なのかも知れませんね。

    最後の、桃太郎のおじいさんがなくなるのは泣けました。

    作者からの返信

    拙作へのご高覧及びコメントどうもありがとうございます。

    桃太郎のお爺さんお婆さんは敢えて原典通りのイメージにしました。

    お爺さんに関しては俵藤太との対照で「本人としては善良だが、真相からは隔てられている」役回りになりました。

    このお爺さんの中では俵藤太に助けられた青年時代から認識が止まっているのです。

  • ストーリーが素晴らしいのはもちろんのこと、これに重ねて背景の描写が秀逸だと思います。

    特に聴覚に訴える描写が圧巻です。

    沈黙に割り込むような蝉の声、雨が屋根を叩く音。作中が夏であることを否応なく意識させ、クーラーの効いた部屋にいながら暑さを感じるような臨場感を演出しています。周りの音が聞こえる分、登場人物の無音も際立ちます。

    死の淵に立つ俵藤太の「最近カラスの声がよく聞こえる」という何気ない言葉は、後に聞こえたカラスの声に不吉な意味づけをするものでした。カラスの声がこんなに不気味に感じられるとは…。

    とても面白く読ませていただきました。

    作者からの返信

    拙作へのコメント及びレビュー、どうもありがとうございます。

    元のおとぎ話もそうですが、今まで読んだパロディだと鬼ヶ島自体の描写はあまりないので、敢えて砂浜や原始的な山林の描写を入れました(『呪いの島』と言われる地域は大体、地形が険しくて人が住まない所なので、葵や茜の父母たちが一代で開拓しても基本は原生林の島です)。

    犬や猿に対する雉、鴉など鳥類には不気味さを付与しました。

    楽しんでいただけて良かったです。

  • 噂話など、そういうものかもしれませんね。
    話者の都合の良いように話が変えられていく。

    誤字報告です。
    「まだ十四歳の少年は変わりかけの割れた声で騙りかける。」⇒「語りかける」でしょうか

    作者からの返信

    拙作へのコメントどうもありがとうございます。

    誤字報告ありがとうございます。とても恥ずかしいですね。早速訂正しました。

    浦和に来航したペリーの肖像画は最初は鬼のような異様な顔つきに描かれましたし、「鬼」とは日本人にとっての異人だろうという発想からこの話が出来ました。

    また、この話の設定は近世ですが、敵に身寄りのない女性を差し出してコミュニティの安全を保つというやり方は日本の近現代でもよくありました。