第14話 神竜と英雄

「おそらく、彼女がいるなら自分は赦されないことでしょうね。だから、自分は戦争の集結を見届けたら死にます。償いのために」

こんなにも心は揺れ動いているのに。どうして彼は表情一つかえないのだろう。

「それは、彼女にとって償いになるのだろうか。私は、そうは思わない」

「ならば、どうすればいいというんだ!?」

ケミンズは剣を収めていた。そして、彼女は彼に向かって言った。

「お前には失望したよリュオス!せめてなにか守ってみたらどうだ!?」

ケミンズが放ったのは神竜の炎だった。そして、放った先には。

「アリミア!なぜここにいる!?」

リュオスはそう言うが早いか、彼女の方へ向かっていた。神竜の炎の先に、リュオスは飛び込んだ。

そして、その炎が消えた刻。神官を守る英雄がそこには立っていたのだ。

「すまない。ケルア、私はここまでのようだな」

飛び立ったのは、神竜のケミンズだった。黒い影は、一瞬にして城下町を影にする。城下町には逃げ惑っている人が多くいる。ただ、噴水にはこちらを見ている一人の精霊の姿があった。

ありがとう_________

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