第20話 それぞれの始まり


「リスト貰ったのはいいが、どこから手を付けるべきかねぇ」


4階建ての校舎に綺麗な校舎、気が付けば足は屋上の方に向かっていた。


「おっラッキー屋上開いてんじゃん。最近の学校にしては珍しい」


屋上のドアに手を掛け、開け放つと、屋上には白髪の女性が居た。


「あれ、先約が居った」


屋上のフェンスに寄りかかり景色を見る彼女のその姿は、可憐にそれとなく気品のある後ろ姿だった。

制服姿に腰まで伸びる長い髪、いやーここの高校は綺麗な子が多くてうらやましい。


「そういやあの子、リストの中にいたような」

「なにか用?」

「あれ、気が付いてましたか」

「それはそうよ、あんなに勢いよくドアを開けてたら気が付かない方がどうかしてるわ」

「それもそうか、まぁ開けて君の姿を確認するまでは用はなかったんだけど。今少し用が出来ちゃったかな」

「なに」

「単刀直入に、放課後にこんなところで黄昏てるくらいなら野球部に入りませんか?」

「却下」

「即答!?」

「別に私は毎日暇だからいる訳じゃないの、今日はこれから用事があるから待ってるだけよ」

「なるほど! じゃっ、また」

「また?」

「しばらくこの高校フラフラしてるんで、もしかしたら会うかもしれないし」

「そう」


口数が基本的に少ない人なんだな。でも、あの肉付きは中学時代に何かしらスポーツをやっていた証拠。まあ、普通以上に体育の授業がキツくて筋肉がついてるという捉え方も出来るが、他の生徒を見る限りそうでは無いんだろう。


菅野明(かんの あき)2年生、高校に入ってからは1度部活に入るが1ヶ月で辞め、いまは帰宅部。

入部候補だな、メモっとこ。



「よう、菜月。経過はどうだ?」

「全然ダメ」

「そうかい、少しグラウンドの使用許可貰ってきたから、キャッチボールでもしてきたらどうだ?」

「うーん、それもいいけど。まずは人を集めないと」

「ま、それもそうだが。彼女らはそんなに野球の経験がないか、まじの初心者かのどっちかだろ? 軽く教えとくくらいはしといた方がいいぞ」

「凄いね祐介、わかるんだ」

「お前の幼なじみの唯ちゃんは、中学の時お前とやってなかった辺り経験はないだろうし、真中ちゃんの方は肩の筋肉の付き方からして、何かしら球技はやってたんだろうけど、野球ではないだろうし。縁屋の方は筋肉量がな、平均かそれよりちょっと下ってとこだろ。経験は多少ありそうだけど、それでも長くプレイしてる感じではない」

「すごい、全部当たってるよ!」

「だから、少しくらい勧誘は休んで野球やって楽しんできても問題は無いぞ」

「それもそうだね、じゃあ今日の勧誘はここら辺にしてグラウンドの方に行ってくるね」

「菜月!」


名前を呼びながら用意していたバックを菜月に向かって放り投げる、たった数日出集めたメンツ、いざキャッチボールをしようにもグラブとボールが無ければ出来ないため、用意していた。


「その中に軟式球とゴムボール、あと左右2個ずつグローブ入ってるから使っていいぞ、俺が普段使ってるやつで良ければだけどな」

「えー、匂い凄そう」

「お前失礼だな、少なくとも野手用グラブの左利きのは使ってないから綺麗だ。他のもちゃんと手入れはしてるし」

「冗談だよ、普段私と練習した後道具の手入れしてるのいつも見てるもん」

「ならいうんじゃねーよあほ」

「なんか祐介最近口悪くない?」

「いろいろあったからな。チラシ配りとある程度の勧誘はやっといてやるよ、散策ついでにな」

「あ、うん。別にいいのに」

「暇だからな」

「リハビリはいいの?」

「今の俺がリハビリの必要があるように見えるか?」

「いや、右腕折って足にヒビ入ってる人にリハビリはいらないと思うけど。せめて安静にしなよ」


試合後から一週間とすこし。本当は夏の大会前まで位の安静を医者から言われているが、そんなものをおとなしく聞くわけもなく。いつも通り動き回ってるわけだが。


「それに怪我の功名だここに来れるしな」

「そういえばなんで来てるの?」

「ちょっとした野暮用だ、あと2.3年はここに通うことになるかもな」

「なるほど」

「じゃあな、またあとで合流する」

「うん、またね」



「どうですか進捗は」


構内を歩き回っているといきなりスーツ姿の女の子に話しかけられた。


「誰」

「なっ、私ですよ川端です」

「あ、先生か。スーツコスプレしてる学生かと思った」

「コスプレって、失礼じゃない!?。私一応年上なのよ!?」

「見えないもんで。というかちょうどいいんで気になってた事少し聞いても?」

「な、何かしら」

「女子野球部の設立が認められたって聞いたが、顧問は誰が?」

「そういえば、その辺は聞いてないけど」

「部外者にやらせるようなシステムはないだろう?」

「それはもちろん、うちの学校の部活だから監督とかを外部からとることはあっても顧問は構内の先生にやってもらうはずよ」

「つまりそれは、顧問のいないまま人数を集めさせられてるわけか?」

「でも、そもそも顧問がいないと設立が認められることはないはずよ?」

「これは、顧問のほうも探さないといけなくなった訳か?」

「それは、わからないけど」

「あのくそ親子。そもそも部活をやらせるつもりがねーのか?」

「どういうこと?」

「こっちの話だ」


すんなりこっちの条件を受け入れたから気にかかることはあったが、多少の出場条件をクリアできないと思ったうえでの反応かと思ったが。

ここまで徹底して妨害してくるとは思わなかったな。


「まぁいいや、何とかなるだろ」

「顧問なら兼任でやってくれる先生がいるかもしれないわ」

「あんたは?」

「私は茶道部の顧問やってるから」

「茶道部の顧問ね、今茶道部って部活中か?」

「そうだけど?」

「顧問の仕事しなくていいのか」

「これから行くのよ、あなたが居たから気になって声かけたのよ」

「先生、俺好きな子いるんで、すいません」

「そういう意味の【気になる】じゃないわよ!!」

「じゃあ、俺も茶道部行こうかな」

「何しに?」

「引き抜きとお茶しに?」

「茶道部って文化部よ? 野球部に引き抜くような子はいないと思うけど」


正直なところ歩き周りすぎて足が限界なだけなのだが、どうせ菜月以外の全員が初心者なんだし何人増えようと教える分には問題ないだろう。


「部活入ってない連中はもう帰ってるでしょうしね」

「それが本音ね?」

「まぁ、本当は未所属の子に入ってもらうのが一番なんすけどね」



「ここが茶道部の部室よ」


校内の端の方、室内はすべて和室で全面畳の部屋に少し驚きつつも中に入る。


「普段は書道部と共同で使ってて今日はたまたま茶道部の日なのよ」

「なら部活ない日は野球部の顧問を」

「それはまぁ、考えておくわ」

「いちごみるくください」

「ここは喫茶店じゃないわよ」

「ありますよいちごみるく」

「なんであるの!?」


部員の1人が冷蔵庫らしき場所から小さい紙パックのいちごみるくを取り出した。


「いや、抹茶が飲めない人用のですよ」

「それは紅茶とかでいいじゃない!」

「抹茶ってなんでかわかんないけど口に合わないんすよね、あっ少し前にもらった京都土産の抹茶バウムはおいしかったな」

「それ、ただ子供舌なだけじゃない?」

「なんすかねぇ」


部員は6人ほどの少人数だが、皆がお茶の勉強? をしていた。

その中に1人目につく子が居た。


「先生、先生。あの窓の外ぼーっと眺めてる子なんていう子です?」

「あの子? 新井さんね」

「引き抜きはしていいんでしたっけ?」

「別に本人たちがいいっていうならいいけど」

「まっどちらにせよ少し休んでからにします」

「少しくらいならくつろいでても問題ないわよ」


そういわれる前にもう腰を下ろしていたのだが、さっそく立つのがめんどくさくなってきた。


「ふぅ、さすがに歩くのしんどい」

「そんなおじいちゃんじゃないんだから」

「片足にヒビ入ってる爺さんなんかいないでしょ」

「ヒビ?」

「そうですが」

「あなた今までそんな足で平然と歩いてたの!?」

「そうですけど、なんかまずいですか?」

「大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ、腕にくらべりゃね」

「そう、ならいいけど」

「あそこの窓からはなんか見えるんすか?」

「グランドくらいしか見えないわよ、普段は障子で見えないようになってるけど」


「新井さん何見てるの?」

「あれ、楽しそうにキャッチボールしてるから」

「ほんとだ、あれじゃない最近朝チラシ配りしてる」

「女子野球部だよ、気になるのか?」


窓際で話していた茶道部員の会話に割り込むように窓の外を一緒に眺めた。


「すこし、小さいとき野球してたから」

「小さいときにしてただけのわりには結構いい体してるね」

「ちょっといきなり話に割り込んできてセクハラ発言はやめてくださいよ」

「おぉ、悪い完全に無意識だった」

「別にいい」

「今野球部の部員集めててな、少しだけ話いいか?」

「それよりあなたは?」

「外部の人間。野球部の監督になる予定で、いま絶賛部員と顧問募集中」

「女子野球部、本当にやるの?」

「今のままじゃ夢半ばで終わるかもしれないけどな」

「あとどれくらいほしいの?」

「最低でもあと1人、試合するなら5人」

「なら、少しくらい手伝ってもいい」

「本当か!?」

「部活ないときだけ、だから戦力には考えないで欲しい」

「それでもいいよ! ありがとう!!」

「うん」

「ナイスはっしー先生。これで希望が見えてきた!!」

「えぇ、それはよかったわ。いいの? 新井さん」

「私そんなに野球上手くないから、本格的にやってもそれは変わらないと思う」

「とりあえず今は質より数。そんでもって経験者が来てくれればなにも文句なし!」



2日後、北斎高校グラウンド。


「おはよーっす」

「「おはようございます」」


朝練のグラウンドに入るなり元気な挨拶が聞こえてきた、見たことない顔しかないから新入部員だろう。


「当たり前のように早い時間に来てたけど、練習前のグラウンド整備は新入生の仕事だったか」

「辻本先輩! 1年の丹下です。よろしくお願いします!」

「おう、大会前に1回位顔合わせしようと思ってきたんだが。新入生を集めてもらってもいいか?」

「はい!」


「活気があっていいねぇ」

「集まりましたよ!」

「それじゃ自己紹介だけしとくな、一応ここのピッチャーで2年の辻本だ、大会前までに顔合わせしとこうと思ってな、俺は大会前には怪我を直して戻ってくるつもりだからよろしく頼む。それじゃとりあえず丹下君以外の奴はポジションと名前を教えてもらってもいいか?」


今年は推薦枠もなく戸惑っている子も少なくはないだろうが、一般で入ってきた中にこれから戦力になってくれる子はいるだろうか。


「1年捕手の羽鳥です! 中学は軟式でやってました!」

「同じく1年の沢村です、野球経験はないですがよろしくお願いします」

「1年外野手中田です、シニアでやってたので硬式経験はあります」

「1年寺田、投手志望です硬式経験はありますが、2年間怪我で野球はやってませんでした」

「1年内野手志望の小笠原です、硬式経験はないです」

「1年内野手希望佐々木です、同じく硬式経験なしです」

「僕は捕手志望ですけど、大体どこでも守れます!」

「お前は聞いてないっての」


「経験者5の初心者1人ねオッケー把握した」

「あの、僕みたいな未経験者が甲子園優勝校の野球部に入っても大丈夫なんでしょうか」

「んー? 沢村くんだっけ」

「はい」

「別にいいんだよ、高校から野球初めてプロになった人だっているんだし」

「それはそうですけど」

「もう少し時間がたったら指導してやるから、そんなに落ち込みなさんな、これからいくらでもお前には時間があるんだからな」

「っ、はい!!」


「全員まだ体が出来てない時期だから無理せずに練習しろ、体を壊したら元も子もないからな、特に丹下と佐々木、あと寺田。この3人は自主練習はほどほどにしておけ」

「「はい!!」」


元気があるのはいいがあまり無理すると俺みたいにろくに身長も伸びなくて大変なことになるぞぉ、俺はよーく知ってる女にも身長負けるもの。



同日千羽矢高校。


朝早くに野球部に顔を出し、少し野暮用を済ました後こっちに顔を見せたのだが、昼休み時につくことができた。

ここ数日のルーティンのように校舎の屋上に足を向かわせ屋上のドアを開けると、そこにはいつも通り白髪の女性が。


「こんちわ」

「また来たの? あなたも懲りないわね」

「いや~毎日毎日気が変わらないかなーって思ってきてますよ」

「変わるわけないでしょ」

「そこをなんとか! 動ける子が欲しいんです」

「そう、ここ数日で9人はって聞いたけど」

「何で知ってるんですか」

「あなたの女子野球部に、中学時代の後輩が居るのよ」

「真中ちゃんのこと?」

「よくわかったわね」

「筋肉の付き方が一緒ですから、菅野明さん」

「なんで私の名前を?」

「元々部活に入ってない人に目星をつけてましたから」

「どこまで調べたのかしら」

「まぁ、家庭環境くらいは? 放課後も夜遅くまでネカフェやらゲームセンターに出入りしてて、家に帰るのが極端に嫌いみたいですね」

「家にはあいつが居るから」

「なら、その無駄に使ってる時間を俺にくれませんか? あなたの性格上のめり込める球技だと思うんですけど」

「それはそうかもしれないけど、あなたに時間を上げるのは話が別じゃないかしら」

「じゃあ、手始めに1週間。それでもまだ君が俺に時間を上げるのを無駄だと思うなら、なんでも1つ君が望むものを上げよう」

「そんなこと言われてはいそうですかっていうと思う?」

「思ってます、少なくとも似たような戦法で数人は釣りましたから」

「それじゃあ、一度に全員いなくなったら、部の存続なんて不可能に近いわね」

「それはもう、一枚岩ならそうでしょうね。でも、俺は絶対に勝てる賭けは好まないたちでね。リスクを背負ってでも、ロマンを求めたいのさ」

「そう、その結末を見るのが楽しみになりそうね。面白そうだからその賭けに1枚かませてもらうわ」

「よしきた、じゃあ3日後放課後に体育館で!」

「ええ、楽しみにしとくわね」


いそいそと屋上を去り放課後までの時間つぶしのため応接室へ。


これで部員は余分なくらい揃った、あとは1番の壁、高野連に女子野球部の参加という前例のないことを承認してもらえるかどうか。


「失礼します」


応接室のドアを開けると、あらかじめ読んでおいたはっしー先生と優香の姿が。


「あら、祐介様」

「お前に話がある」

「なんでしょう改まって」

「女子野球部の顧問、誰か引き受けてくれる奴は見つかった、人数も集まった。あとは元々承認させるつもりがなかった承認をお前から。いや、理事長から取るだけだ」

「そのようですね」

「頼む! 俺は結果がどうなろうと、菜月の夢をかなえてやりたい、だから、お前の条件はなんでも飲む、この通りだ」


柄にもなく90度に頭を下げ、心からの願いを伝える。

人が集まろうが顧問を見つけようが、高野連に承認を得ようが、ここで部の承認を得られなければ、意味がない。


「そういうことか」


3人しかいないと思っていた室内にいたもう1人の声に慌て、顔を上げた。


「いまの言葉すべて動画を撮らせてもらったよ」

「好きにしてくれ、俺は自分のエゴのためにも菜月のためにも引き下がるわけにはいかない」

「そういわれてもね、うちには野球部が活動できるような場所はないし」

「それについてはここから数キロ離れた場所の個人所有の土地にあった野球グラウンドを借りてます」


震える声で問いに答え、自分がいつも以上に馬鹿げたことをしていることを実感した。


「硬式での野球なんて怪我が付き物だ、保護者からの反感も買うかもしれない」

「それについては、最大限怪我の無いよう努力するとしか言えないが」

「それに、君の出した条件。現実的なものではないし」

「現実にして見せる」

「第一に娘は君のことが好きだが私は君が嫌いだ」

「それについてはお互い様だ、俺もあんたが嫌いだ」

「そうか、まあいい。君の熱意に負けたということにしておこうか」

「川端先生、君は顧問になることに異論はないのかな?」

「はい、今の話を聞いて確信しました。私はこの人に生徒の夢を託しても問題はないと思います」

「そうか、ならば女子野球部の設立を本当に認めよう」

「ありがとうございます」


話がしっかりとまとまった事以上に、慣れないことをしたせいで今も正直少し声が震えている気がする。


「たまには顔を出しますね祐介さん」

「あぁ」


いつもの調子で優香に憎まれ愚痴を叩くことすら忘れていた。

とにかく、長いようで短かった時間の中で部の設立までにこぎつけることができた。



3日後。


「どうだった、そっちの集まり具合は」

「ばっちり! そっちは?」

「概ね問題なく」


顔を隠すため、マスクとサングラスをつけ長袖長ズボンのジャージに身を包み、菜月とともに部員たちの前に立つ。


「ありがとう祐介、手伝ってくれて」

「俺のためだ、お前は気にしなくていい」

「うん、いつもそうだもんね」


「皆、今日は集まってくれてありがとう。今日から本格的に活動が始まることになるけど、よろしくお願いします」

「ここにいる全員が部活動の目的をわかってもらえると思うが、いまは試合の結果より、楽しんで活動してもらえると助かる。それと、自己紹介が遅れたが、女子野球部の監督を務めることになった辻本祐介だ、これから指導していく上で不満などはたくさん出てくるだろうが、それについてはどんどん行ってくれると助かる」

「それじゃあみんな、運動できる服装に着替えてグラウンドに向かおうー!」


女子野球部員


部長:和田野菜月 顧問:川端英子

以下部員


1年生川野唯(かわのゆい) 真中由美(まなかゆみ) 縁屋花音(ふちやかのん)


新井穂香(あらいほのか) 鳥屋七海(とりやななみ) 一ノ宮加奈子(いちのみやかなこ)

二ノ宮春奈(にのみやはるな) 御影美香(みかげみか) 稚内実(わっかないみのり)

本田ゆかり(ほんだゆかり) 本庄咲(ほんじょうさき) 野村千里(のむらちさと)


2年生菅野明(かんのあき) 御影皐月(みかげさつき) 外崎桜花(とのさきおうか)

坂本加恋(さかもとかれん) 山崎優希(やまさきゆうき) 小島桜子(こじまさくらこ)

永川典子(ながかわのりこ) 西村恵子(にしむらけいこ) 西村美奈子(にしむらみなこ)


以上1年生13名、2年生9名、計22名。


目まぐるしく進む話に、俺自身があまりついていけてる気がしないが、ここから始まることを楽しむ準備も苦しむ準備もできてる。

あとは流れるままだ。

俺を倒せるくらい強いチームに俺自身で鍛え上げる、そんなシナリオもいいもんだと思い始めていた。

彼女たちなら菜月の言ったように、甲子園で俺を倒すなんてのも夢じゃないのかもしれない。

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