陰陽と新天地

差し込む日光と

部屋の中に降る雨

水分を含んだ掛布団が

重く体にのしかかって

じっとりと真空パックして

窒息死させた


頭が痛い

リズムよく

箪笥に切り込む額と

中には綺麗に分別された

0と、

それ以外は

捨てた

だって

100の0は

0じゃないでしょう?


ベッドの船を漕いでいると

黒く濁った雨上がりの川に

人が流れていた

動かない人、人

流れた涙は

川に拒否された

そうだ、目から流れるのは涙だから

川ではないから

そして涙はアメンボになって

川の向こう岸にスイスイと

いとも簡単に

私の休む場所を

アメンボが

最後に女の子になった

0でも1でもない

私の中のわたしが

首に手をかけて

やっぱり抱きしめた


引き出しの0と1を

川に投げたら

川が綺麗になった


だから船から降りた

泳いで

自分の足で立った

ぬかるんだ地面

脚力のないわたしは

重力に勝てなかったけど

体にまとわりつく生暖かい泥が

心地よかった

湖に山脈と

視界に五万の星

森の奥の神鹿と死地

転がる鉢植え

泥の中を弄ったら

指に9が引っ掛かった

新しい指輪


上には太陽と

幽霊になった月と

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