手紙

第21話 8月2日。

今日も暑い一日でしたね。

私は朝から病院でした。

一番乗りくらいのつもりで行ったのに

混んでいて、

本を持ってこなかった事を

すごく後悔しました。

昨日からの頭痛で本は無理だなぁと思っていたものの、手持ち無沙汰で仕方ありませんでした。

でも、待った甲斐があって

検査も何ともなく、

薬も効いて午後には元気になりました。

君はどうでしたか？

今日も穏やかな1日を過ごせましたか？

君からお返事がある時は、

素敵な一日であるように

穏やかな一日であるように

とささやかながら祈りを込めているつもりです。

私の祈りは届いていますか？

届いていたら嬉しいな。

そして、今日から

「犬も食わない」を読み始めましたよ。

尾崎世界観さんらしくて

読んでいて楽しいです。

でも、私の心の中には

「かなわない 」がまだ抜けない棘のように

刺さっています。

「ノルウェイの森」は

きっと永遠に抜けない棘として

私の心に残ると思います。

それは小さな傷痕となっているのでしょうか。

それとも良い事なのでしょうか。

昔、ケガをすると

一生この痕が消えないといいのになんて、

思っていたことがありました。

それに似ている気がします。

そういえば、キスマークの跡もそう思っていたっけ（笑）

本当に、呆れる若気の至りですね。

すっかり忘れていた思いです。

でも、たまには埋もれていた思いを

こうして、外の空気に触れさせてあげるのもいいかもしれませんね。

君のそんな思いもいつか聞かせてくれたら

嬉しいです。

では、明日も君がきらきらと素敵な一日を

過ごせますように。

また明日。

おやすみなさい。