手紙
切り株ねむこ
第1話 親愛なる君へ
お久しぶりです。
お元気でしょうか?
会えなくなってから
随分と経ちますね。
今、君は幸せに暮らしていますか?
きっと君の事だから、
何事も明るく良い方へと
間違うことなく暮らしているのではないでしょうか?
あの頃から変わらず優しい笑顔のまま
で。
私はというと…
君と会わなくなってから色々あり、
間違ってばかりでした。
もしかしたらどこかで会っても
分からない位、私は変わってしまったかもしれません。
今の君から見たら、
私はどんな風に見えるのでしょうか?
その返事を聞くのが、少し怖い気もします。
それでも無性に君と話したくなる時があるのです。
もし会えたなら、
最初に「ごめんね」と言わせてください。
君に会いたくなかった訳でも
忘れていた訳でもありません。
むしろ、ずっと会いたかった。
かと言って、四六時中
君のことを考えて生きてきたと言ってしまうと、それは嘘になってしまいます。
君に嘘をつくつもりはありません。
でも、私の中から君が消えたことはありませんでした。
思い浮かべなくても、
ずっとずっと変わらず
私の中に君はいました。
君が遠くへ行く時、
君は私の中に種をまいたのを気付いていましたか?
もしかしたら、無意識かもしれませんね。
その種は芽を出して
今もたまに花を咲かせます。
それを私はあの時からずっと大事に育てています。
いつか君に見せることが出来るようにと
思って。
でも、今はまだその時ではないかも
しれませんね。
だから、まずは君に手紙くことから
また始めようと思います。
日々の出来事や、
私の思った事を君に聞いてもらえると
嬉しいです。
またあの頃のように。
それでは、今日はここまでにして
また明日書きます。
では、おやすみなさい。
追伸
君が私を忘れていませんように。
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