第15話 全滅へのカウントダウン 前編


~少女視点~



4410と田中みこの激戦から30分。

追っていた対象が、突如足を止める。


「田中みこさんが動かなくなったなの・。・!」


キリト「わかってる。何もない普通の廊下だぜ・・・?」


前方に佇む忍者の影。

その影はゆらりと、少女たちの方へと振り向いた。


田中みこ「・・・・。」


田中みこ、それはレジスタンスの古参にして、伝説クラスの実力者。

そして自ら、U2部隊のNo.2と名乗った謎多き人物。


キリト「鬼ごっこはもう終わりか、田中みこ?」


田中みこ「うん。みこも疲れちゃった。」


その表情は、全くと言っていいほど疲れているようには見えない。

ただただ、無表情。

感情があるかどうかも疑わしい。


キリト「疲れた? 田中みこ、お前は本当にU2部隊なのか? いや、もうそこは問題じゃねぇ。」


キリトは抱えていた私を下ろし、その二刀流を構える。


キリト「田中みこ、お前を任務に連れてきたのは俺の意思だ。だからこそ、腑に落ちない。問題なのは、お前が前線組の内部事情を知っていることなんだ。」


前線組は・・・ただの街ではないのか?

キリトの言っていることがよく分からない。


キリト「前線組はな、いわばだ。そこの首領は、とにかく徹底的でな。街の中には、出身者が同行しないと入れない。それに、街の周辺を近寄る奴は例外なく殺される。そういう仕組みの異能が、いつも張り巡らされてるんだよ。」


田中みこ「話長くなる?」


キリトの言葉を、一蹴する田中みこ。

癪に障る言い方であった。


「・・・つまり、防衛対策はとてつもない規模ってことなの・。・?」


キリト「ああ。俺という前線組出身が仲介して、ようやく街の中に入れる。今回の任務も、そのつもりだった。」


前線組という国家は、聞いていた以上に武闘派のようだ。

敵対勢力に立ち向かっているとは聞いたが、なるほどそこまで慎重になるのも頷ける。


・・・だというのに、その街の人間は全て消息不明。

そのことを田中みこが知っているのだから、同じ前線組出身であるキリトが焦るのも理解できる。



「・・・あれ・。・?」



違和感。

頭の片隅で、何かが引っかかる。


田中みこの言葉ではない。

今、キリトが発言してきた言葉が、頭の中に浮かんでは消える。


強烈な違和感。

どうして?





気味が悪い。

何かが矛盾している。

同じような話を・・・隠れ家で聞いた気がする。

・・・嘘、どうして?


その時のことを思い出そうとしてるのに、どうして思い出せないの?





キリト「ここまで逃げた意味は?」


田中みこ「時間稼ぎ?」


キリト「なんで疑問形なんだ・・・。」


少女の意識が、現実に戻される。

そうだ、考えてみれば田中みこの・・・この態度もおかしい。


ここにきて、田中みこという人物が分からなくなる。

思いのほか、長話になっているにも関わらずだ。





田中みこ「もういいかな。みこはそろそろ合流しなくちゃ。」



唐突に、そう言葉を紡ぐ田中みこ。


「田中みこさん・・・ここでお別れなんて嫌なのだ・。・」


キリト「前線組の人間が消えた原因・・・聞き出すまでは逃がさねぇ。」


少女とキリトは戦闘態勢をとる。

前線組の事とは別に、私にとってもこの場面は譲れない。

仮に田中みこがU2部隊だというなら、私の記憶喪失の件に繋がる、唯一の手掛かりになるのだから。


キリト「田中みこ。こんなこと言いたくないが、俺たちは長い付き合いだった。一緒に荒野行動をした事は覚えているか? 俺にとっちゃ、今でもお前は仲間だと思ってるんだぜ・・・。」


田中みこは、ここで初めて表情を崩す。

諦観したような表情を向けながら、田中みこは口を開く。



だが、その先に待っていたのは。

予想に反して、想像を絶する言葉の羅列だった。



田中みこ「キリトもやっぱり、。」



「・・・えっ・。・?」


キリト「今・・・なんて?」



田中みこ「。」



不意打ちにも似た発言に、キリトと少女の動きが止まる。

その代わりに、脳を最大限まで活性化させた。

一言一句、絶対に聞き漏らさないために。



田中みこは、何かを伝えようとしているのだ。



田中みこ「。ボスも言ってたけど、みこたちとは違う目的の敵がいるのかもね。」



キリト「記憶喪失? ・・・俺はこの異世界に、自分の意思で来たってのか!? というか、お前ッ、さっきからどういうつもりで!」



田中みこ「みこがこうしてペラペラ喋るのは・・・もうが始まっちゃったから。その前に、少女ちゃんだけは仕立てておこうと思ったけど、ひまれいかのせいで台無し。私がU2部隊だということを、既に4410に話していたなんてね。・・・ひまれいかは凄い人。とてもよく頭が回る。」


「私が・・・いったいなんなのだ・。・」



―――午後14時 無限回路西地区



キリト「何が起ころうとしている? 一体、何のカウントダウンだというんだッ!」



―――第15話 全滅へのカウントダウン 前編



田中みこ「みこは、隠れ家を襲っているU2部隊と合流する。ここからは敵同士、みこはもう戻らない。」



ボォォオン!!!



そう言い残した田中みこは、その場で煙となって消えた。


「あ、あああああっ!!・。・!!」


何時からだったのか。

私たちが喋っていたのは・・・最初から分身だったのだ。

もうここには、私とキリトさんしかいない。


「って、あれ・・・キリトさん・。・?」


分身など意にも介さずといった様子で、キリトはその場に座り込んでいた。

田中みこの言葉を信じるなら、一刻も早く隠れ家に戻らなければいけない。

だというのに、キリトは両手を頭にかざして瞑想しているのだ。


キリト「・・・今、俺の思考速度を超越している。お前も聞いたな、田中みこの言葉を。」


「聞いたのだ・。・」


キリト「お前の記憶喪失はどの程度だ? どこまで覚えてる?」


・・・?


「現実世界の常識とオタク知識を少々、あとは全部覚えてないなの・。・ 私の本当の名前と性別も覚えてないのだ・。・」


キリト「隠れ家で知っている名前はいたか?」


「えっ、異世界に召喚された『れいか生主』の人達のことなの・。・? どれも始めて聞く名前だったのだ・。・」


キリト「・・・・・少し、整理する時間をくれ。。」


少女も察する。

何かが頭の片隅で引っかかる。

田中みこを信じているからこそ、あの支離滅裂な内容には、何かがあるような気がしてならない。



キリト「異世界・・・人口異能・・・失われし記憶・・・・。」


ぼりぼりと頭を掻くキリト。

真相に近づけそうなのに、近づけないジレンマに苛々しているようだった。




キリト「俺たちは―――とんでもない思い違いをしているのかもしれない。」














―――同時刻


―――隠れ家 繁華街エントランス





べるれいか「敵襲ー! 敵襲だよー! りんごんりんごーーん!!」


けたたましい鐘の音が、隠れ家全体へと鳴り響く。

逃げ惑う市民たちと、それを誘導するレジスタンスのメンバー達。


10.0円「避難はこちらへ!! 安全第一です、どうか暴れずにッ!」


姫れいか「押さないでくださいっ! ・・・あうっ、皆さん落ち着いてっ!」


市民「てめぇら名前持ちは、俺たちリスナーと違って異能があるんだろ!? だったら早く何とかしろよぉ!」


市民「宮殿が崩れたんだぞ! もうたくさんだ、早く現実に帰りたいッ!」


市民「こんな訳のわからない世界に召喚されるくらいなら、初めから・。・の顔文字なんて使うんじゃなかったわ!」


市民「俺は死にたくないんだ! 邪魔だッ、道を開けろ!!」


通・。・販「これは・・・私たち商店組だけでは、骨が折れそうですねッ!」


市民の誘導。

それは予想外にも、想像以上の困難を極めていた。


当然だ。

こんな災害など、想定していなかったのだから。

ましてや起きた理由が・・・。


通・。・販「ふじれいか・・・あなたは何てことを・・・ッ!」


巨神の姿と、崩壊した宮殿。

全壊は免れているが、最上階である王の間は見る影もない。

幸運にも、繁華街に目立った被害は無く、せいぜい埃の霧が舞い散る程度であった。


ゆうれいか「うわぁ~。すごい状況だね~。こんなこと初めてじゃない~?」


ひまれいか「甘かったか。よもやここまで周到だとは・・・。」


鍛冶屋から二人の名前持ちが出てきて、通・。・販の元へと合流する。


10.0円「君たちはッ・・・なんだ、ゆうれいかとマウントガイジでしたか。今日の屈辱、私は忘れてませんからねッッ!! この繁華街を大きくするためには―――」


ゆうれいか「あれって~ふじれいかちゃん~?」


宮殿があった方向に、指をさすゆうれいか。


ひまれいか「!? ・・・何、だと?」


誰が見ても理解出来る、その裏切り者の姿を見て・・・ひまれいかは驚愕する。


ひまれいか(ふじれいか・・・田中みこではなく? ・・・いや、そもそもふじれいかの思考透視は、だいぶ前から行っていた。奴がレジスタンスを裏切るなど信じられん・・・。様々な貢献で勝ち上がり、リーダーの護衛にまでなったあの男がだぞ!?)


辺りの喧騒に囲まれながら、ただ一人、ひまれいかは思考を集中させる。

ひまれいかはレジスタンスの為に、その知能を極限までフル活用する。

そして、とある可能性に気づくのだ。


ひまれいか(私たちが日常演舞と戦っているとき、殿!)


少し考えてみれば、すぐに分かる筈であろう綻び。

ひまれいかは、田中みこの動向に注意を割けすぎたのだ。


ひまれいか(確かに私は、昨日今日とふじれいかの思考透視をしていないッ! ということはつまり、その間にふじれいかは心変わり?? ・・・日常演舞と接触したことだけは間違いないのだから、そこでのか?)


10.0円「————という訳ですッッッ!! この法案ならば、如何に聡明なあなたでも反論は不可ッッ!!」


通・。・販「ひまれいかなら、宮殿の方へと走っていったぞ。」


10.0円「?!?!?!?」


ひまれいかは繁華街を抜けて、宮殿方面へと走りだす。

目的は単純明快。


ひまれいか「4410はおそらくやられたな・・・はぁはぁ、私が後手に回るとはッ!」


彼女が選んだ次なる一手。

宮殿の地下にあるサーバールームへと向かうこと。

北上双葉の思考透視で得た、この異世界の真実を残すために。


何故、隠れ家が襲われなければいけないのか。

その理由が、ひまれいかには全て視えていた。

だがそれを、『思考透視ができる事をバラしたくない』という理由で、誰にも話せずにいたのだ。


ひまれいか(。U2部隊の姿が、私にも見えた。リーダーの安否も確かめなければいけない。・・・タダでは死なん。悪あがきにしかならんだろうが、私は負けないッ!)


・・・ひまれいかの判断は、最終的に間違っていたと言えるだろう。


姫れいか「宮殿・・・リーダーは無事でしょうか・・・。」


ゆうれいか「気になるけど~、僕たちはまず市民の誘導だね~。」


姫れいか「いちごちゃんはっ!? ・・・いちごちゃんも確か宮殿の近くにっ!」


同じように、宮殿へと走り出す姫れいか。

彼女の役割は、王の間特殊保護部隊。

監視対象を守ることが責務なのだ。


通・。・販「えっ、あっおい! ・・・姫れいかも行ってしまった。」


10.0円「そんなことより見てくださいッ、上空ですッ!」


ゆうれいか「ん〜? ・・・あれは人かな~? いっぱい降りてくるね~。」










―――隠れ家 上空 U2部隊



ボス「U2部隊総員、これより転生計画第一段階を決行するぽよ(*´ω`*)!」


U2部隊総員「応!!」


ボスの号令によって、彼らは一斉に動き出す。

Kentの『黒腔』から飛び降り、易々と侵入に成功するU2部隊。


No.7めんちゃん「家も人もいっぱいだ><」


No.0■■■■「・・・10時の方向。」


No.12あっちゃん「あら。さっそく来たわね。」


降下を続けるU2部隊に、物凄いスピードで迫る二つの影。


スカイれいか「くらいなさいッ・・・暴風壁!」


リオれいか「サウザンド・ブレス!」


空を飛べるが故に、この二人は奇襲を仕掛けたのだ。

炎の渦とも呼べる攻撃が、降下中のU2部隊に向かって放たれる。


No.3日常演舞「私がやりましょうか。」


No.8オタさく「俺だ。てめぇは昨日暴れただろうが。少しは俺にも殺らせろや。」


オタさくは降下しながらも、その両手を炎の渦に向ける。



No.8オタさく「—————『最 短 再 始ショートリスタート』 」



そのまま炎の渦の中へと、飛び込んでいくオタさく。

自殺行為でしかない奇行だが、彼にとってはそれがなのだ。


No.8オタさく「角ありに風使いか・・・テメェら如きじゃ足りねぇよぉッ!!」


易々と、炎の渦から飛び出でくるオタさく。


スカイれいか「えっ?!」


まさか無傷で正面突破されるとは、夢にも思っていなかったスカイれいか。

少なからず、拍子を崩されたことは事実。


No.8オタさく「おせぇ!」


スカイれいか「がふっ・・・ッ!」


スカイれいかのみぞおちに、強烈な蹴りが入る。

その衝撃に抗うことなく・・・そのまま宮殿方面へと、成す術なく飛んでいく。


リオれいか「スカイれいか!」


No.8オタさく「お前も邪魔なんだよ引っ込んでろぉおおッ!」


状況が今一つ飲み込めていないリオれいかに、オタさくの連続蹴りが入る。

血反吐を口から吐き出しながら、リオれいかは闘技場方面へと落ちていった。


No.8オタさく「こんなんじゃ物足りねぇ、炎は止めたんだから先に行くぜ! 強い奴は何処だぁあああぁああッ?!」


他のU2部隊にそう言い残し、さらに降下スピードを上げていくオタさく。


No.10セイキン「オタさくの言う通り、もう遠慮はいらないでしょう! 隅々まで遊び尽くすとしましょうかね!」


No.5安眠「私もお先。付いてきて、私の可愛い!」


一人、また一人と離脱していくU2部隊。


No.3日常演舞「では皆さん、幸運を。」


No.7めんちゃん「またね~。」


遠くから見るとその様子は、綺麗な流星群が降り注いでいるかのよう。


スカイれいか(多すぎるよ・・・!)


衝撃エネルギーを『四つの風』で緩和しながら、化け物達が放つ凶悪なオーラを捕捉する。


スカイれいか(空中戦なら、私はまだやれる!・・・せめて一人だけでも!)


闘志を燃やしながら、スカイれいかは反撃に出ようとする。

だがそこに、一人の巨大な影が立ち塞がった。

それを見たスカイれいかは、怒りが故に動きを止めて口を開く。


スカイれいか「・・・そうそう、あんたにも聞きたいことあったっけ。」


ふじれいか「もう何もするな。スカイれいか。」


未だ、『変革巨大神話』を解いていないふじれいか。

リーダーの護衛という同じ役目を持った二人が・・・真っ向から対峙する。


スカイれいか「一つだけ聞かせて。ふじれいかはそれでよかったの?」


ふじれいか「・・・スカイれいかも、を知ってしまえば、俺と同じことをしただろうさ。むしろ、知らない方がどれだけ幸福だったか。」


スカイれいか「っ、レジスタンスの初期メンバーでしょ?! 真実とやらがそんなに大事!? 宮殿には大勢の人がいたのに、あんたはそれをッ!」


ふじれいか「問答は終わりだ。俺はもう、。」


大木のような腕が、スカイれいかに容赦なく迫る。


スカイれいか「目を覚まさせてやるから・・・行くよふじれいかッ!」







―――隠れ家 黒腔内部


飛び降りた者と、残った者。

北上双葉とKentは、ボスによって待機を命じられていた。


前日、隠れ家に侵入したこの二人。

二人は日常演舞や安眠ちゃんと違い、異能への対策が取られやすい。

レジスタンスが対抗策を用意している可能性も考えられるのだ。

だがそれを抜きにしても、この采配は全体的に英断と言える。


なぜなら北上双葉とKentは本来、裏方に徹してこそ―――強いのだから。


ボス「U2部隊が着地するまで、まだしばらくかかるぽよ(*´ω`*) ・・・機械兵と黒龍を投入するぽよ(*´ω`*)!」


No.11Kent「了解ボス。『黒 腔ガルガンダ』ァ!」


No.9北上双葉「ミラボレアスさん出番だよ~。『仮 想 旅 路バーチャルドライブ』!」









―――隠れ家 繁華街エントランス



通・。・販「待て、嘘だろ・・・。」


市民「やばいよこれ、世界の終わりだああぁ!」


そう比喩するのも無理はない。


360度、全ての方向。

垂れ落ちるペンキの如く・・・上空の壁が、黒に塗りつぶされていく。


ゆうれいか「あれ全部、機械兵なのかな~?」


死と暴力の塊でしかない何かが、続々と溢れ出ているのだ。

一方面だけでなく、それこそ360度全体から。


通・。・販「奇襲どころか、真正面からこんなに・・・U2部隊って、ここまでやる勢力だったのか!?」


ゆうれいか「・・・機械だけじゃなく、真上からも何か来るね〜。」


そして膨れ上がる悪夢の気配。

これ以上ない絶望を感じさせる、魔神の類。


それは顕れる。


10.0円「ありえない・・・ひ、ひぃいいぃいいいいッ!」


同時に天空から墜ちてきたのは、黒い龍のアギトだった。

信じられない域の巨体をもって、U2部隊を守る盾となる。


次に轟いたのは、破滅的な龍の咆哮。

魂を揺れ動かして粉砕してしまう程の、終末の操演。

龍頭の濁った瞳が、とある一点を見据えている。


ゆうれいか「あっ、ほら〜。こっちの増援も来たみたいだね〜。」


相当の事態にも関わらず、そのマイペースな性格で周囲を和ませるゆうれいか。

血の気が引いていた他の面々も、それにようやく気づく。


その黒龍自体は、



スノーれいか「静まりなさい、空想上の生物よ。雪に抱かれて眠るのです。」



粉雪が舞っている。

現状はその一言で表現できるものだった。



スノーれいか「—————水晶の陣。」



彼女の異能は、一言でいえばである。

その効果を受けて、龍はそれ以上の進撃を止めた。


通・。・販「・・・綺麗だ。」


何の前触れもなく、黒龍の上半身が雑巾のように捻り折られる。

のみならず、黒龍を投入するための黒腔を、一切の隙間なく氷漬けにしていく。


スノーれいか「やはり死ねないのですね・・・。」


北上双葉の『仮想旅路』で生み出した生物は、術者が死なない限り生き続ける。

だからこそ、スノーれいかは討伐ではなく捕縛を選んだのだ。

明朝の作戦会議がもたらした成果であり、冗談抜きに一秒でも対処が遅れていたならば、黒龍の首どころではない。

その巨体な全身が、満遍なく隠れ家を蹂躙していただろう。


スノーれいか「王の間特殊保護部隊、集合です。」


自らの大貢献など気にも止めずに、スノーれいかは着地と同時に号令をかける。

すると姫れいかを除く、四人のメイドが音もなく集結した。


みかんれいか「皆さん、私のみかんを!」

真中あぁあ「かしこまっ!」

べるれいか「りんごーん!」

悲哀れいか「戦争・・・始まってしまったのね。」


スノーれいか「手筈通りに・・・散会っ!」


四人のメイドは、それぞれの区画に向かって移動する。

戦力の薄い場所を死守するための、いわば戦力分散。


スノーれいか「機械兵も来ましたね。ゆうれいかさんは左辺の討伐をお願いします。他の商店組は建物の中へ。ここは私が指揮官になりましょう。」


ゆうれいか「がってん承知~。」


放心状態の群れの中、ゆうれいかだけは既に戦闘態勢をとっていた。

それだけではない。

隠れ家にとって馴染みのある人影が、続々と繁華街に集っていく。


ゆのみ「市民の皆さん。お茶でも飲んで、落ち着いて下さいな。」


もえれいか「とつれいか参上!w」


ヴィオラ「指示を。上手く使って頂ければ幸いです!」


スノーれいか「かき回しつつ前衛のフォロー、ゆうれいかと役目が被らないよう注意です。」


ヴィオラ「心得ましたッ!」


次々と陣営が組みあがる。

U2部隊を見失ってしまった今、それを号する時間さえ惜しいのだ。


通・。・販「はは・・・そうだよ。こっちだって、それ相応の強者が何人も揃っていることを忘れてた!」


10.0円「確かに・・・会議では皆、後悔と自責の念に駆られていましたからねッ。一度侵入された恨みというか・・・彼らのやる気は凄まじいですよッ!」


彼らは、勝手な希望を抱き始める。

非戦闘員であり、なおかつ傍観者であるからこその発言。


戦の原則、大軍の利。

この密閉された地下世界に、攻め込まれている意味。

敵に囲まれ、逃げ場のない密室。

それがいかに恐ろしく、理不尽極まりないかなど論ずるまでもなく―――










―――隠れ家 入り口周辺



ベリィれいか「陣を崩すなァ! 絶対退くなよ、飲み込まれるぞォ!」


ベリィ組「分かってるッ!」


何度も打ち合わせた立ち回りは、予想以上の機能を見せていた。

それは背水の陣ゆえに至った、火事場の馬鹿力というべき代物。

『ベリィ組』の各員が力を振り絞り、かつてない獅子奮迅の働きを成す。


ベリィれいか「おら来いやァ! 全然効かねぇぞ犬っころが!」


この場の誰よりも被弾して血に染まりながら、なお不屈に吼えるベリィれいか。


ふる「烏合の衆が何千集まっても怖くないのよ!」


圧倒的絶望を前に、あえて烏合と喝破することで、自らをふるい立たせるふる。


ひこちゃん「負けない・・・! 絶対みんなで現実に帰るんだから!」


その台詞は、紛れもなく全員の気持ちを代弁していて―――


しゃんでら「諦めっかよォ、まだ終わんねぇぞォ!」


誰一人、気持ちで折れてる者はいない。


おゆれいか「ぐッ、ああああぁっ! そんなもんかよ、超余裕だっての!」


疲労困憊なのは自分だけではない。

そのことが分かっているから、誰もが覇気を絞って踏ん張っている。


どんぺい「危ないおゆれいかっ、私に任せてっ!」


そこは後衛も同様である。

要所におけるどんぺいの援護射撃が無ければ、とっくに崩されている状況。

常に全体へ目を配り、すり減らしている神経のほどは計り知れない。


ベリィれいか「うらああぁあッ!」


迫る大群の銃弾ごと、鈍重の一撃で波を押し返しながら、ベリィれいかは素早く戦況を確認する。


六人、残らず極限状態。

一瞬の緩みが即全滅に直結すると理解しながら、未だ崖っぷちの均衡は保たれていた。


ベリィれいか「俺はスパルタだからな・・・! 根性見せろやお前らァ!」


絶体絶命の状況であるからこそ、それに抗おうとする意志が潜在能力を芽吹かせていく。

ベリィれいかという指揮官が牽引しながら、極上とも言える気力、統率、結びつき。

これこそが『ベリィ組』なのだ。


理想的な連携。

異能の出し惜しみなどしない。

必ず生きる、そのために。



しかし―――

だが、しかし―――

しかし、しかし、しかしだ。



しゃんでら「ぐ、うぅ・・・ッ!」


ひこちゃん「駄目だよ、多すぎるっ!」


どうしようもなく手数が足りない、威力が足りない、機械の軍勢が多すぎる。

大挙して押し寄せるそれは、まさしく津波。

異常発生した害虫のように、視界を機械一色へと埋め尽くす。


百程度なら問題なし。

五百であっても調伏できよう。

千までなら無事とはいかぬが殲滅可能と予測できるが、それがどうした。


質を圧殺するをも超える機械兵。

そんなものを前にすれば、抵抗する手段などいったいどれだけあるというのか。

一体一体はもはや敵ではないというのに、この壁は高すぎる。


、それが分かっているからこそ彼らは焦る。


どんぺい「あうっ!」


隙間を縫って、弾丸となった一体の機械兵。

決して誰かがミスをしたわけでもなければ、仕損じたわけでもない。

順当な戦力差の結末として、破壊の飛沫がどんぺいの胸元に到来した。


その光景に、誰もがこれで終わると確信、その瞬間―――


みかんれいか「ふッ―――!」


不可視の特殊保護部隊―――みかんれいか。

極限まで透過した体躯で、機械兵の波を潜り抜ける。

実体のない幽鬼のような軌道を描き、的確な刃を放ちながらどんぺいを守り通す。


ベリィれいか「遅ぇぞ、みかんれいか!」


みかんれいか「遅ればせながら皆さん、このみかんを! 食べて透き通ってください!」


ベリィ組にそれぞれ渡されたもの。

ただのみかんではなくそれは。


ゆいにゃん@みかんちゃん「オレンジ、食べてみたけどまだ酸っぱくて泣いた♪ さあ、はやく私を食べて!」


ひこちゃん「・・・・・・ぱくっ(モグモグ)。」


その人面みかんを、躊躇いながらも食していくベリィ組。

その効能はすぐに訪れた。


おゆれいか「噂には聞いてたけど・・・凄いよこれ、効果てきめんだ! !」


しゃんでら「各地でも似たような惨状か・・・なら一層踏ん張るしかねぇな!」


みかんれいか「全員食しましたね! 私もしばらく援護します!」


そのまま疾走は絶やさずに、みかんれいかも戦列へと加わった。




みかんれいかの異能『透き通る蜜柑みかん

主に多人数向けの異能。

みかんれいかの頭上からは、みかんを際限なく生み出すことができる。

それを食した者同士による相乗効果。


その効果は単純明快。

仲間たちの間で成立する、調と身体能力の底上げである。

すなわち意思疎通はテレパシーとなり、全員がその意識を共有できる。

さらに五感全ての発達や、ステータスの底上げ効果も併せ持つのだ。


欠点として、効果の持続時間は、初めの一個を食べた瞬間からおよそ二時間のみ。

複数個を食したことによる効果の重複は発動しない。

つまり、効果の持続時間は複数個を食したところで伸びることはない。




この恩恵により、『ベリィ組』は一つの個として窮地を脱する。

みかんのドーピングによって、ポテンシャルは数十倍にも跳ね上がっていた。


ベリィれいかが、打ち砕く盾となり。

ふるは持ち前の喝采を衝撃波として飛来させ。

ひこちゃんの身体から、うどん柄の帯が飛び出して薙ぎ払う。

かき乱した流れを、しゃんでらが燃やし尽くしていき。

無論、無傷とはいかないものの、傷は即座にみかんれいかが癒して。

潰しそこねた機械兵を、おゆれいかが沈ませて断つ。

彼らの射程外は、どんぺいの魔導ライフルがカバー。


ベリィれいか「さぁ、こっから反撃開始だぜぇえええええッ!」


先程とは打って変わり、圧倒的余裕を携えながらイキり散らすベリィれいか。

その連携の前には、虫の一匹ですら通すことを許さない。







―――隠れ家 南地区


べるれいか「りんごーん! 助太刀にきたよー!」


馬鹿でかい鈴をぶら下げながら、例のみかんを投げ渡していくべるれいか。


ひげれいか「待ってましたでちゅわぁ!!」


戦線へと加わるべるれいか。

隠れ家入り口ほどの激戦区では無いが、それでも無視できる敵の数ではない。


べるれいか「りんごーん! うるさかったら言ってね!」


ガンガンと、両腕の鈴を鳴らしていくべるれいか。

魔的の音圧で、機械兵を無力化していく。


ひげれいか「———??!」


予想外の騒音に味方達は攻めることも忘れ、揃いも揃って耳を塞ぎ始める。


翔・。・太「ちょ、これ普通にうるさ! べるれいかさん、一旦止めてっ!」


べるれいか「♪♪♪(ガンガンガンガンガンガンガン!!)」


翔・。・太(・・・止める気ゼロ?!)








―――隠れ家 闘技場方面


しぇいぱー君「しぇいぱー!・_・!」


悲哀れいか「・・・あなた一人?」


悲観したようにため息をつく悲哀れいか。

闘技場といえば、戦士が集っていそうな印象。

だからこそ、支援タイプである悲哀れいかがやって来たのだが・・・。


しぇいぱー君「しぇいぱー君はいつ死ぬと思う?・_・?」


悲哀れいか(この残滓はレキモン・・・ついさっきまで彼も闘技場にいたのね。)


質問を完全スルーしながら、みかんテレパシーで増援要請を行う悲哀れいか。

奇術使いのしぇいぱー君は、どちらかというと後衛タイプ。

悲哀れいかもそうであるだけに、前衛タイプはどうしても必要となる。


悲哀れいか「・・・ああもう、どうして貴方みたいな変人と!」


しぇいぱー君「・_;」


不満を垂れ流しながらも、機械兵の討伐を開始する悲哀れいか。

だがその背後から―――



レトさん(本物)「来たぜぇ! ヒーローは遅れてやってくるってなぁ!」



悲哀れいか「レトさん!?」









―――隠れ家 繁華街エントランス



スノーれいか「八割方、みかんを食したようですね。・・・U2部隊との交戦はなし。主様の安否も未だ不明ですか・・・。」


『透き通る蜜柑』の効果で、隠れ家全体の戦況を俯瞰するスノーれいか。

繁華街の死闘は、今もなお熾烈を極めていた。


ゆうれいか「ちょうどいい具合に戦力がばらけたみたいだね~。後は彼女の働き次第かな~。」


スノーれいか「ええ。あとはひたすら待つのみでしょう。・・・どうか無事でいてください。」


心配そうに、空中を仰ぎ見るスノーれいかであった。









―――隠れ家 黒腔内部



ボス「レジスタンス側にも、中々の駒が揃っているぽよね(*´ω`*)」


No.11 Kent「これこそ全面戦争って感じだな。俺が裏方ってのが納得いかねぇが・・・。」



真中あぁあ「わぁーっ! ここが例の真っ暗倉庫かぁ〜!」



それは、予想外の来訪。

辺りをきょろきょろ見回す、小学生アイドル風のメイドが一人。


No.9北上双葉「私の二次元存在じゃない・・・えっ、どちら様・・・?」


この北上双葉の発言により、場はさらなる混乱を招く。


No.11 Kent「うえぁっ! お前ッ、何処から!?」


真中あぁあ「ん~? 。Kentさんに北上双葉さんだったっけ~。」


No.9北上双葉「嘘・・・ここは完全に閉鎖空間だったはず。」


ボス「・・・大胆なお嬢さんだぽよ(*´ω`*)」


隠れ家上空の黒腔からは、今も機械兵が搬出されている。

仮にその黒腔に入れたとしても、Kent達の元には絶対に辿り着けなかっただろう。

倉庫はあくまで倉庫であり、術者まで一緒に入る道理もない。


つまり、Kent達は別の場所から黒腔を発動していたのだ。

もちろんそこも、次元から完全に切り離された亜空間であり、どう足掻こうとも侵入は不可能。


―――しかしこうして、真中あぁあは侵入に成功している。


No.11 Kent「前回侵入したときに、何か条件に触れちまった訳か? というより、この状況は同情せざるを得ねぇなぁ。」


No.9北上双葉「そうだね。驚きはしたけど、これって飛んで火に入る夏の虫かも。」


次第に、落ち着きを取り戻していくKentと北上双葉。

混乱は余裕へと代わっていた。


No.11 Kent「殺りましょうボス! ここに来た愚かさを、思い知らせてやりましょうや!」


ボス「・・・(*´ω`*)(*´ω`*)(*´ω`*)」


No.11 Kent「・・・!?(ボスの顔がふにゃふにゃに・・・!?)」



真中あぁあ「それじゃあ私のソロライブ、始めるよー!」



ボスの豹変や、周囲の状況を一切関知しないまま、真中あぁあは異能を発動する。

黒腔空間が一瞬にして、明るみを帯びた色鮮やかなステージへと変貌していく。


No.11 Kent「はぁ?! こいつも支配型の異能かよ!? また黒腔が出せねぇ!」


再び黒腔が無効化された事実に、Kentは勢いよくズッコケる。

しかも事態はそれだけではない。


ボス「Make upから歌ってほしいぽよ(*´ω`*)」


真中あぁあ「かしこまっ!」


異世界において、


No.11 Kent「ちょ、ボス!? 駄目だ聞いちゃいねぇ・・・。」


No.9北上双葉「いいよKentさん。私がやる。」


マイクを構えて、今にも歌いだしそうな真中あぁあ。

そのステージ上に、北上双葉が乱入する。


真中あぁあ「あぁーっ! あなたもアイドルなのかな? 飛び入りゲストは大歓迎だよ~!」


スポットライトが二つに増え、いよいよ曲まで流れ出す始末。


No.9北上双葉「アイドル・・・ふふっ、懐かしいなぁ。」


に思いを馳せながら、北上双葉は小銃を構える。


No.11 Kent「双葉・・・。つらいなら俺が―――」


ボス「面白いぽよ(*´ω`*) 私もしばらく観戦を楽しむぽよ(*´ω`*)」


普通に喋りだすボスを前にして、Kentも肩を竦めるしかない。


No.11 Kent「・・・ボスのお気に入りって奴ですかい。しかし、このままじゃ機械兵を送り出すことが出来ねぇんですが・・・。」


ボス「もう必要ないと思うぽよ(*´ω`*) ここからは、私のU2部隊が蹂躙してくれるぽよ(*´ω`*)v」


No.11 Kent「その分、自分はライブを見て楽しむってか? ・・・ボスも豪胆だぜ。まぁ俺も、あいつらが負けるとは微塵も思ってねぇけどな・・・。」









―――隠れ家 南区



鈴の音による反響で、べるれいかは敵をいち早く察知する。


べるれいか「りんごーん・・・。ひげれいかみたいなオカマが増えたよ~;;」


No.12あっちゃん「あら失礼な子。まな板の鯉が生意気だわ。」


機械兵の波が途切れ、安心していたのも束の間。

その残骸を跨ぐように歩いてくるU2部隊―――No.12あっちゃん。

裸エプロン姿なのも相まって、何をしてくるかなど想像もつかない。


翔・。・太「おじさんかおばさんどっちなのか・・・一番嫌いなタイプだ。できればひげれいか、頼む。」


ひげれいか「のぞむところでちゅわぁ!!」


No.12あっちゃん「ふん。あなた達、幸運よぉ? U2部隊の中で、一番弱い私と戦えるってラッキーだもの。こうして真正面から姿を晒せる親切心、他の子には真似できないわぁ。」


のんびり歩いてくるその姿は、はっきりいって隙だらけである。

何にせよ、両者が死線に入ったのは間違いない。


ひげれいか「・・・! 嘘でちゅッ!!」


No.12あっちゃん「・・・? 何よ、いきなりの大声はやめてほしいわね。」


だがそこで、ひげれいか達は一人の死を感知する。

あったはずのものが、突如として消えたからだ。


翔・。・太「みかんさんの加護が消えた!? まさか・・・!」









―――隠れ家 入り口付近



ベリィれいか「みかんれいかァ!!」


ひこちゃん「嫌ぁああっ! なんで!? どこから現れたのっ!」


No.10セイキン「どうもセイキンです。回復役はこれでいなくなりましたね。」


セイキンの手刀が、みかんれいかの脇部分に突き刺さっていた。

関節は破壊され、片腕が抉れ消し飛び、そのまま心臓を真っ二つに両断される。


―――みかんれいかは、不倒のまま絶命した。


No.10セイキン「昔、みかんの食べ方講座をうpしたことありましたね~! 懐かしい思い出なわけですけども! まずはみかんの皮を剥く前に、こうやって指で揉みほぐすというわけで―――」


続く光景は悪魔的そのもの。

無防備なみかんれいかの身体を、セイキンが激しく弄繰り回している。

秘所からは鮮血が吹き出し、みるみるうちに赤で染まっていく。


ふる「あんたッ・・・何やってんのよ!!」


そう。

セイキンは楽しんでいた。

人体の破壊を、命の略奪を心から楽しんでいるのだ。


No.10セイキン「最後はその実を一口で平らげる。・・・こんな風にッ!!」


容赦も道徳もあったものではない。

その更なる光景に、精神の許容を超える衝撃がベリィ組を襲う。


どんぺい「みかんさんの身体が萎れて・・・!」


が、みかんれいかの身体を蝕んでいくのだ。

その腐食の様は、まるで生気を吸われているような・・・。


おゆれいか「・・・どれだけ死者を辱めれば気がすむんだよッ!」


ベリィれいか「くそッ! 正々堂々の果たし合いが通じると思うな! 俺たちが止めるんだッ!」


みかんれいかをボロ屑さながらに踏みにじり、意気揚々と立ち上がるセイキン。

そして面白がるように、褒めるように、小馬鹿にするように眉を顰める。


No.10セイキン「さて、久々に暴れさせて頂きましょう! 役に立つ逸材が、こんなに揃っているなんて最高じゃないですか!」








―――隠れ家 闘技場方面



レトさん(本物)「中学生・・・? あの少女と同じくらいの年頃か。」


その侵入者は、闘技場の観客席にただ一人として座っていた。

慈しむような、愛でるような視線を放ちながら、その侵入者は口を開く。


No.7めんちゃん「私はU2部隊のNo.7、めんちゃんだよ><」


高さ10mを超える観客席から、何事も無いように飛び降りるめんちゃん。


悲哀れいか「あんな子までU2部隊なの・・・?」


しぇいぱー君「しぇいぱー君はいつ死ぬと思う?・_・?」


レトさん(本物)「待てしぇいぱー。お前の『誇り高き一言物申セルフアンサー』は不確定事項が多すぎる。まずは集団で撹乱して様子を見るぞ。」


しぇいぱー君「・・・了解したで・_・v」


レジスタンスの面々は、めんちゃんに向けて戦闘態勢を取る。


No.7めんちゃん「えーと、1、2、3、・・・4人だね。めんちゃん頑張っちゃう!」


リオれいか(————!)


レトさん(本物)「・・・ちぃっ! 隠しててもバレバレだってか。」


恥ずかしそうに出てくる角娘が一人。


リオれいか「気配は消してたんだけどなぁ・・・。」


悲哀れいか「・・・私はすぐ分かったけどね。」


闘技場に墜落していたリオれいかは、今の今まで闘技場の隅に潜んでいたのだ。

だがそれすらも、めんちゃんに見抜かれてしまう。


No.7めんちゃん「さてと・・・殺しちゃ駄目なんだよね・・・よし決めた!」


両手でお辞儀のポーズを取りながら、嬉しそうに口を開くめんちゃん。



No.7めんちゃん「><!」



次の瞬間。

めんちゃんの瞳が、妖しく甘美に輝きだした。









―――隠れ家 宮殿二階



宮殿内部は、度重なる崩壊によって吹き抜けのような形となっていた。

その場所に和気藹々と闊歩する男が一人。


いちご「いいねいいねぇ!! こういうのを待ってたんだよ俺はぁああ!」


かつてバルコニーだった場所から、高みの見物を決めこむいちご。

眼下の景色は、単純明快である地獄絵図。


いちご「人がいっぱい死んでらぁ! あはははっ、楽しくてしょうがねぇ!」


命の価値など、この男は何一つとして考慮していない。

まるで他人事のように、壊れたように延々と妄言を喚き散らす。



No.3日常演舞「そんなに楽しいのでしたら、私と戦っていただきましょうか。」



そこに現れたのは、かつてキリト達を殲滅寸前まで追い込んだU2部隊。

No.3の称号を持つ男、不穏の化身―――日常演舞。


いちご「あぁ~? 俺も殺しに来たってかオッサンよぉ、気分がいいぜぇ~!」


喧嘩の場数など欠片ほども見えないこの男が、日常演舞と真正面から対峙する。


いちご「これだけは覚えとけ? 俺は異世界を牛耳る運命さだめを持って生まれたいちご様だぁ! 適当に遊んでやるから、さっさとかかってこいよぉ!」


その物言いには、隠しきれない稚気が滲んでいた。

挑発、打算、そのどちらでもなく、ただ己の昂ぶりのままに放言する。

だがそれでいい。


物事の後先など、


最後に勝利するのは己である。

それを信じて疑わない・・・そんな者が心底願って発現した異能。



No.3日常演舞「よろしい。ならばこちらも、試させて頂きましょうか。」









―――隠れ家 宮殿入り口



No.0■■■■「・・・。」


緑一色(ヤバい・・・何か話さないと・・・!)


宮殿の入り口前では、また違う意味で奇怪な様相を呈していた。

緑色の化物とU2部隊トップナンバーの男が、まさかまさかの邂逅である。



緑一色「は、初めまして! 俺緑一色って言うんだけど、プリキュアが殴られてるのみると興奮するよね? 俺プログラミングできるし!w」



場に理解不能の緊張が走る。



緑一色「(……!!! やばい奇声を出したくてたまらないッッ!!!!!!! ああああああもう我慢できない!!!!!)」



全身緑の化物が、ぷるぷると震えだす。



緑一色「キェェェエエエエェええええエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」



渾身の発狂が炸裂する!



No.0■■■■「・・・叫ぶだけなどくだらん。」


対する侵入者は、緑一色の脇をつまらなそうに通り抜ける。

完全なる無視。


緑一色「キエェェェ??」


独り相撲を終えた緑一色。


緑一色「キエッキエッ!(初めてコミュニケーション取れちゃアア―――」


ぐちゃり。


真上から落ちてきた質量によって、緑一色は綺麗に踏み潰される。

激突と同時にひしゃげると、粘った腐汁と悪臭と共に飛び散らした。


No.10セイキン「うわっ、なんだこれ気持ち悪ッ!」


―――緑一色、セイキンに圧殺されて絶命。


No.0■■■■「寄り道は済んだのか、セイキン。」


No.10セイキン「いやぁ~速攻でしたよ! 一人欠けた途端、あいつら見事に士気崩壊! 連鎖してあっという間に終わっちゃいましたけれども! !」


No.0■■■■「ならいい。・・・日常演舞殿も宮殿へと辿り着いた。私たちも続くぞ。」


No.10セイキン「確か、フリーれいかってやつの生死確認でしたっけ。俺もお供しますよ―――!」


未だ底を見せない二人の強者。

宮殿最上階、王の間があったはずの場所を目指し歩いていくのだった。









―――隠れ家 繁華街エントランス


ヴィオラ「———! 私の召喚獣もやられた!」


ゆうれいか「それって例の緑色の子~?」


ヴィオラ「そうよ。私の異能のだから、何かあればすぐに分かるの。」


スノーれいか「・・・みかんれいかさんの加護も途絶えてしまいましたし―――」



ドォォオオオォオオォオオオオオォン!!!



思い振動が、周囲一帯に拡散する。

繁華街の中央に、何かが落ちてきたのだ。


もえれいか「なんだよありゃあ・・・!」


落ちてきた塊・・・その座に腰を下ろしている軍服の女性。


No.5安眠「皆さん初めましてかな! 私は安眠! うふふっ、よろしくねっ!」


―――安眠。

その名前は、会議で散々聞かされてきたU2部隊の名前。

だというのに。


ゆのみ「なんとおぞましい・・・!」


安眠ちゃんではなく・・・その下。

その圧倒的存在感を、どうして無視できようか。



No.5安眠「それと、この子は私の可愛いワンちゃん! U2部隊のザ・狂犬だよ!」



No.6 BUNZIN「どぉーもー♪ 獰猛だけに何でも食べちゃうBUNZINでえっす!」



人ならざる人。

四足歩行。

濁った目。

抜け落ちた前歯。

滴り落ちる涎。



No.6 BUNZIN「きゃァァきゃっきゃっきゃっきゃァァァ―――!」



声はまるで地獄の底より這い出る亡者のようで、完全にたかが外れている。

この男から伝わってくるのは、抉り、潰し、喰らい、殺すという欲望。

その頭の中には徹底的に黒色しか窺えない。



No.6 BUNZIN「獰猛だけに! どぉーもぉお!! ギャアァーーーあきゃァ!!」



もはや人間ではなく、怪物と形容するしかない。

それがただ恐ろしい。

憐れみすら覚えてしまうほどに。


もえれいか「なんだこいつは・・・人間なのかもわ―――」



No.6 BUNZIN「どういう・・・こういうァ!!」


テテーン!



刹那。

何か、視認できない強風が走り抜けた。

いいや、それは風ですらない。



それは、油断でもなければ失態でもない。




爆音にも似た災撃が、名状しがたい力の波となって通り抜ける。

それと同時に、水風船が破裂するような音が響いた。


スノーれいか「・・・ッ、水晶の―――」


異能を発動しようとするも、それを押し留めるスノーれいか。

何もかも遅すぎたのだと・・・悟ったからだ。


もえれいか「・・・? ・・・!? ・・・ゆのみッ!!」


湯気の走る鮮やかな軌道が、BUNZINの口元から描かれていた。

それの意味する状況は一つ。


ゆのみ「ぁああギぃあぁあァアあッ!!」


血の花が一輪咲いた。

和服は破れ、肢体が潰れ、



No.6 BUNZIN「痛いィィィ???———キャァァァァ、ぎゃぎゃぎゃはァ――!」


ゆのみ「————ぁ。」


ゆのみの目からは次第に光が失われていき、そのまま絶命に至る。

しかし、事態はそれだけで終わらなかった。

狼は、捕まえた獲物が息絶えようと決して離さない。


No.6 BUNZIN「お茶、お茶ぁあ、はハはは、ぐぎゃぎゃあはゃぎゃ―――!」


次の瞬間、ゆのみは頭から喰われていた。

比喩でもなく、BUNZINはその牙で骨をも砕いて食す。



―――それは黒龍の絶望ですら生ぬるく、緑一色の咆哮よりも狂乱めいた光景。



人が、実際に、喰われている。

もはやそれは攻撃という枠組みなどを超越した破壊劇。


ヴィオラ「・・・疾すぎる・・・こんなのどうやって・・・ッ!」


そう、疾すぎる。

ヴィオラともえれいか、ゆうれいかやスノーれいかに至るまで。


BUNZIN


スノーれいか「皆さん、防御をッ!」


迎撃は不可能。

逃亡などさらに不可能。

次元の違う力量差。

蟻が何匹群れたところで、狼に敵う道理はない。


No.6 BUNZIN「ってこれ発泡スチロールやないかーい!」


テテーン!


ヴィオラ「きゃあぁあっ!!」


もえれいか「うぉおおおっ!!」


黒い流星と化した狼の突撃。

今度こそと、新路上に入って防ぎとめようとするヴィオラともえれいか。

しかし、薄紙一枚の役にも立つことが出来ず、常軌を脱しすぎている突進力で、巻き込まれる前に吹き飛ばされてしまう。


No.5安眠「・・・ふふふっ! 軽すぎだよあなたたち! ワンちゃんも何処かに行っちゃった! ふふふふっ!」


狼が走り抜けた先の光景を前にして、一人残らずその場に凍り付かされた。


悲鳴、怒号、自棄、そして断末魔。


飛び交うあらゆる大音声が、


スノーれいか「・・・そんな!」


ヴィオラ「出鱈目すぎる・・・っ。」


繁華街のありとあらゆる建物が、残らず全て粉砕されていた。

その瓦礫の中では、転がった無数の死体が炎に燃やされている。


先の一撃で・・・市民全員が殺されたのだ。


血の赤が、火の朱が、黄金の飛沫が、惨状の一帯を禍々しく照らす。


もえれいか「うっ・・・マジかよ・・・笑えねぇ・・・。」


そこには市民の姿だけではない。

10.0円と通・。・販、双方の変わり果てた残骸。

千切れ飛んだ生首の、虚ろな瞳が垂れ落ちている姿など・・・見てはいけない。

視認するという行為の負荷が凄まじすぎて耐えられない。


No.5安眠「ありゃりゃ。ワンちゃん帰ってこないねぇ。まだ使いこなすには早すぎたのかな! ふふふっ!」


その言葉によって、もえれいか達は精神崩壊を何とか免れる。

ここで壊れてしまっては、誰があの化物を抑えるというのか。


ヴィオラ「あの狂犬・・・宮殿の方に向かってるッ!」


自分たちは巻き込まれずに済んだのだと、間違っても考えてはいけない。

まだ何も終わっていない。


ゆうれいか「・・・ちょっとやばいかもね~。」


あのBUNZINという男は危険すぎる。

さらなる被害が出る前に、誰かが止めなくてはならないのだ。


スノーれいか「私が追います! もう一人はどうか・・・ッ!」


もえれいか「任せなよスノーっち。こうなりゃ、あーしも本気で行くわ。」


互いに決意し、ここに対戦カードは作られる。

スノーれいかは宮殿へと直行し、もえれいかとヴィオラ、そしてゆうれいかが安眠ちゃんと対峙する。


No.5安眠「私のことはキリト君から聞いてるのかな? ふふっ、私の強さも十分伝わってるって顔してる!」


過去に二度もキリトを負かしている安眠ちゃん。

もちろん、それはレジスタンス内において周知の事実。


ヴィオラ「安眠さん・・・確かに聞いていた以上の気当たりです。だけど―――」


だからこそ判明した一つの事実。

キリトの敗北は決して無駄ではなかったのだ。



ゆうれいか「~?」



安眠ちゃんの余裕綽々とした表情が崩れる。

だが次の瞬間には、にやりと笑顔を振りまいていた。



No.5安眠「———へぇ。やるじゃん。半分正解ってところだけど!」


安眠ちゃんは、帯刀していた二刀流を抜刀する。

この世の物ではない素材でできた、奇奇怪怪なる刀匠の結晶。


もえれいか「はっ。知ってるか? 武器なんて使ってる奴はな、総じて弱い!」


ゆうれいか「さっきの男よりも、少しは気楽かな~。」


負けじと、もえれいか達は陣形を展開する。


そして顕れるは、の気配。


もえれいか「あんた、安眠が欲しいんだろ? だったらあーしの『安眠客船あんみんクルーズ』を、しかとその身に体験させてやるよッ!」









―――隠れ家 宮殿地下



No.6 BUNZIN「どぉーもー♪ 獰猛だけに何でも食べちゃうBUNZINでえっす!」


ひまれいか「なっ―――!」


宮殿の地下を進んでいたひまれいかの目の前に、魔獣の咆哮が躍り出る。

強固な壁を易々と貫通してきたこの男―――No.6 BUNZIN。


No.6 BUNZIN「ひま・・・おひま・・・麻雀まーじゃんやる奴、ひまーじゃん!!」


テテーン!


標的のロックオンをすませるBUNZIN。

それは思考ではなく破壊の本能。


ひまれいか「くっ―――!」


この邂逅は全くの偶然であり、ひまれいかにとってはただただ不運としか言いようがない。


ひまれいか(あと少しだったのだがな・・・。ああ想定外だ。よりにもよって、最後に見る光景が・・・人外の存在だとは。)


さすがのひまれいかも、自らの死を覚悟する。

肩で息をしながら、這い上がる絶望を隠すことなく露にする。

顔色は青ざめ、歯は恐怖によってかちかちと鳴り響く。


ひまれいか(どうしようもない・・・何をしても殺される・・・ひひ。)


抵抗など許されず、防御も逃亡すらも一切が無意味。

人の身でありながら、BUNZINに反抗するなど無駄と知れ。



No.6 BUNZIN「ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃキャァァァァ、ぎゃぎゃぎゃはァ――!」



―――なら、人の身ではなく。



レキモン「しゃがんでて。」



―――同じく、破壊の権化が相対したのなら?



No.6 BUNZIN「ぎゃぴッ!!」


レキモンの劣爪が、BUNZINの鼻先を抉り取る。

それだけでは終わらず、茫然と立ち尽くしていたひまれいかを毟るようにして連れ帰る。


ひまれいか「————助かったのか、私は。」


そのまま、BUNZINの射程外まで駆け抜けていくレキモン。


ひまれいか「・・・! レキモン、腕を見ろッ!」


思考を瞬時に切り替えた矢先、ひまれいかは異常に気付く。


レキモンの腕は、



No.6 BUNZIN「レキモン・・・ちゅーちゅー・・・広島県産レモンチューハイ!」


テテーン!



獣の次なるターゲットは―――レキモン。


No.6 BUNZIN「きゃきゃきゃきゃきゃ、きゃァァァッきゃっキャきゃっ――—!」


両手で顔を激しく擦るBUNZIN。


ひまれいか「あれは・・・。」


抉り取ったはずの損傷部分から、次々と発泡スチロールが生み出されていく。

そのふざけた現象によって、みるみるうちにBUNZINの鼻先が蘇生される。


ひまれいか「どういう原理だ。あいつの血は発泡スチロールなのか?」


レキモン「めんどくさいなぁ。俺の腕も発泡スチロールになってるし。」


ひまれいか「・・・つまり、物理攻撃が効かないということか。」


触れれば終わる。

よって、攻撃を当ててもならない。

理不尽極まる不可侵の獣、それが『獰猛賛歌どーもーさんか』———BUNZINなのだ。



No.8オタさく「あぁ~? なんだよ、まだ宮殿にも生き残りがいるじゃねぇか。」



レキモン達の背後、BUNZINのいる位置とは完全なる逆方向。

突如として現れたその男。



―――オタさく襲来。



ひまれいか「・・・ッ、誰だ・・・!?」


No.8オタさく「おっ、No.6もいたのか。ちょうどいい、一緒に殺るかぁ?」


この怪物と言葉を交わす・・・それは冗談としか思われない光景。

死そのものとすら言える暴虐の化身など、直視することすら憚られたとしても不思議ではない。


No.6 BUNZIN「・・・へっへっへっ! きゃっきゃっ!」


しかし―――オタさくの声に対し、BUNZINはその猛襲を鎮める。

信じられない反応であり、それは単純な主従の関係とも言い難い。



No.8オタさく「俺はU2部隊のNo.8、オタさくだ。少しは楽しませてくれよ?」


ひまれいか「・・・くっ、事態は何も好転していないか。レキモン、私のことはいい。戦闘面において、私など足手まといもいいところだ。」



レキモン「安心しなよ、ひまれいか。・・・君に死なれると俺が困る。出たくもない会議を、君はいつも早く終わらしてくれるしね。」



No.8オタさく「・・・あ?」


ひまれいか「・・・初めて口を聞いてくれたな、レキモン。」


言葉に言葉で返す。

ひまれいかの『思考透視』。

その条件は達成され、レキモンの思考がひまれいかの脳内へと繋がった。


ひまれいか(フリーれいかの元に向かっていた癖に・・・。ひひ・・・くだらぬ優しさだが、今は大人しく受け取っておくとしよう。)


No.8オタさく「お前・・・俺たちに勝てる気でいるのか?」


その言葉を受け、レキモンは薄く微笑む。



レキモン「———お前らみたいなが何人こようと、俺には勝てないよ。」



はっきりと。

眼前の化物達に対して言ってのけたのだ。



ひまれいか「レキモン・・・ひひ、なら私の助言も活用することだな。生きるために最善を尽くしてやる。」


No.8オタさく「よく言ったぜこの野郎ォォッ・・・俺をキレさせたらどうなるか知りたいようだなぁぁぁあ??」


No.6 BUNZIN「あぎゃぎゃぎゃ―――はっキャァァァぎゃぎゃっぎゃっ!」



レキモン「人を殺すときは、もっとスマートに殺す。。」



右手の爪を輝かせながら、レキモンは超獣の如しオーラを身に纏い本気と化す。

それに応じるように、U2部隊の二人も迎撃態勢を取る。

対してひまれいかは、すぐさま敵の情報収集を開始する。



三人の暴虐と、一人の知将。

その火蓋が切って落とされた―――。








~現在状況~


空中 ふじれいか vs スカイれいか

黒腔内部 北上双葉 / Kent / U2部隊ボス vs 真中あぁあ

闘技場 めんちゃん vs レトさん(本物) / 悲哀れいか / しぇいぱー君 / リオれいか

南区 あっちゃん vs ひげれいか / べるれいか / 翔・。・太

繁華街 安眠 vs もえれいか / ヴィオラ / ゆうれいか

宮殿バルコニー 日常演舞 vs いちご

宮殿地下 BUNZIN / オタさく vs レキモン / ひまれいか


死亡者 みかんれいか / ベリィれいか / ふる / ひこちゃん / しゃんでら / おゆれいか / どんぺい / 緑一色 / ゆのみ / 10.0円 / 通・。・販


消息不明 フリーれいか / ふぁっきゅーれいか / スノーれいか / 姫れいか / 4410 /セイキン / U2部隊No.0■■■■ /U2部隊No.1 /


隠れ家外 少女 / キリト / 田中みこ/ U2部隊No.4




つづく。



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