第169話【作戦会議とは?】

「ということで、琴音ちゃんに来てもらいましたー!」


「何故か連れてこられました?」


翌日のお昼過ぎ、カエデに招集された琴音ちゃんと俺との勉強の為に来ていた沙耶がリビングに集められた。


「本当にごめんね。

ウチの馬鹿が迷惑かけて」


カエデの思いつきに付き合わされている琴音ちゃんに謝罪する。

本当に琴音ちゃんは優しい子だと思う。

昨日の電話の件もそうだが、今日の朝10時ぐらいに『お昼過ぎから昨日の話の続きと作戦会議するから家来てね!待ってるから』とだけ言い、琴音ちゃんの返事すら聞かずに切った電話といい、普通なら怒っていい事柄だろう。ちゃんと昼過ぎに来てくれてるしね。

本当になんでこんな奴の友達やってるの?って聞きたくなってしまう。


「いえいえ!

お兄さんが悪い訳では無いんですから謝らないでください!

それに、いつもの事なので慣れましたから」


優しい琴音ちゃんは慌ててフォローを入れてくれる。


「そもそもこれってなんの集会なの?」


沙耶はたまたま俺の家にいたからと言う理由でこの場に呼ばれたのでまだなんの説明も受けていない。


「私達が将来になるか相談する会です!」


「はぁ〜」


沙耶の質問にカエデが声たかだかに宣言するが


「えっとだな(カクカクシカジカ)てことがあったからその続きみたいなもんだと思う」


俺は沙耶に昨日の出来事を掻い摘んで説明する。


「なるほどなるほど。

何となく状況はわかったよ」


沙耶は腕を組みをしながら目をつぶり深く頷く。


「で、沙耶さんって会社のどのポジションにつくの?

それ次第で私達の今後も多少は変わってくるだろうし」


「ん〜、その辺の話は何も分からないんだよね。

快人くんは何か知ってる?」


沙耶は少し考える?思い出す?素振りをした後、俺に質問してくる。


「いや、俺も何も知らねーぞ?

俺自身入社後どんな事をするのかも教えて貰ってないしな」


「えぇー!」


「別にそんなの聞かなくても法律系とか税理士系なら被ることは無いだろ?」


「いや〜、できるならもうちょい簡単というか勉強が少ないのがいいなぁと思いまして?」


俺の質問にカエデはおどけて答える。


「おいおい」


「じ、冗談だよ〜」


「とりあえず勉強しろ。

進路を決めないといけない時期はもう少し後なんだから何処にでも行けるように勉強を頑張れ」


「はぁ〜い」


こうして、変な集会は幕を下ろした。

それからは、俺と沙耶、カエデと琴音ちゃんと別れそれぞれの時間を過ごし今日が終わった。

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