第162話【皆の者、帰るど〜】

「皆の者、帰るど〜」


「皆さん、今回はありがとうございました」


「「「ありがとうございました」」」


朝の騒動の後、特に何をすることも無く雑談をしたり三田さんが作ってくれたケーキを食べたりして過ごし、夕方になる頃に帰ることになった。

そして、車に乗り込もうとしている俺達をおじいちゃん、おばあちゃん、三田さん、照さんの四人が見送ってくれる。


「皆、また遊びに来なよ。

勿論、沙耶さんも」


「そうそう、私達は大歓迎だからね」


「ざ〜や〜ざ〜ま〜。ひぐっ。

ぜっだいに、ぜっっだいに〜。ひぐっ。

まだ、きでぐださいね〜」


おじいちゃんとおばあちゃんが優しい言葉をかけてくれる中、照さんは沙耶に変な事をしないようにと腰に縄を結ばれガチ泣きしながら沙耶にまた来て貰えるようにと言葉を放っている。


ヒクヒクいってガチ泣きする照さんなんて会った当初では考えられない状況だ。

腰に縄まで結ばれてるし・・・。


「次皆さんが来て下さる時までにはこの子をしっかりと教育しておきますので沙耶様も安心して来てください」


そして、照さん残しに結ばれている縄をしっかりと持った三田さんが言葉を続ける。


「はい、皆さん本当にありがとうございました。

是非また絶対に来ますのでその時はよろしくお願いします」


四人の言葉を受け、沙耶は満面の笑みをしてお礼の言葉を告げる。


「うん、待ってるよ」


「ふふっ、今から楽しみだわ」


「ざ〜や〜ざ〜ま〜」


「こら、近寄ろうとしない!」


沙耶の言葉を聞き、おばあちゃんとおばあちゃんは笑みを浮かべ、三田さんが感極まって沙耶に抱きつこうとする照さんを縄を引き抑える。

そしてそんな四人に見送られながら俺達は父さんの運転するベ〇ファイアに乗り込み家に向かって出発する。


◇◆◇◆◇◆


「沙耶ちゃん。

この三日間はどうだった?」


「楽しかったです。

巫女のお手伝いなど初めての経験が出来ましたし、お義母さんが次期社長になるとか驚いたことも多かったですが快人くんの事を知ることが出来て良かったと思っています」


「あ〜、社長がどうのとかの話は本当にごめんなさいね。

一姫ちゃんには苦労をかけるわ」


「いえ、大丈夫ですよ。

最初は戸惑いましたが快人くんと一緒にいるために必要なことですから全力で頑張りたいます」


「はぁ〜、本当に沙耶ちゃんいい子だわ。

でも、沙耶ちゃん。

どうしてもしんどくなったり快人の事が嫌いになったりしたら快人と別れてくれても全くかわまわないから。

私達の事は何も気にしないで。

無理を言ってるのは私達の方だから」


「沙耶がそんなこと思わないように頑張るよ」


母さんの言った通り沙耶に負担を掛けるのは俺達の都合なので、悲しいが仕方ない事だと思う。

俺に出来ることは沙耶を大切にしてあげることだけだ。


「ないとは思いますが、もしそうなった時はそうさせてもらいますね」


そう言ってイタズラ笑顔を俺に向ける沙耶だった。

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ブックマークなどなどよろしくお願いします。

それでは、バイバイ(´ー`)/~~




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