第160話【妹の特権】
「はぁ〜。
今日は久しぶりにはしゃいだなぁ」
夜、22時を回った頃、俺は一人自分に割り振られた部屋のベッドにダイブし大きく息を吐く。
今日はプールに入ったり夕食後に花火をしたりと楽しい一日を過ごした。
「特にやることも無いし今日はもう寝るか〜」
昼間にしたカエデとの水泳対決で勝っていたなら沙耶といろいろな話をして過ごしていただろうが負けてしまったのではっきり言ってやることが全くない。
「おまむみ〜」
コンコンコン
もう寝る!と決め目をつぶったところで部屋の扉がノックされた。
「はいはいどーぞ」
俺は何だよ寝ようとしてたのによと心の中では悪態を着きながら返事をする。
「お邪魔しま〜す」
「お兄ちゃん来たよ〜」
部屋の扉を開けて入ってきたのはカエデと沙耶だった。
「二人ともどうしたんだ?
今日はお前達二人で寝るんだろ?
あ!カエデお前まさか自慢しに来たか!」
「ぶぅー!
違うもん!
私そこまで根性悪くないもん!」
「そうだよ快人くん。
言い過ぎだよ」
「ああ、すまんカエデ。
そうだよな。
お前が俺にそんな意地悪な事するわけないもんな」
沙耶に怒られちょうど寝ようとしてた時の訪問で少し気が立っていたとしてもさすがに言い過ぎたとカエデに謝る。
「で、本当にどうしたんだ?」
「えっとね。
沙耶さん〜」
カエデとはそこまで言って真っ赤な顔で沙耶の後ろに隠れる。
久しぶりにこんなに可愛いカエデを見たな。妹じゃなかったらキスぐらいしてたかもしれん。
「ふふっ。
あのね。
そもそも今日の水泳対決なんだけど快人くんが私に構ってばっかりでカエデちゃんが拗ねたというか寂しくなって私にも構ってって意味があったんだって。可愛いよねカエデちゃん」
「もう、沙耶さんいじめないで」
カエデが真っ赤な顔を半分沙耶の背中から覗かせる。
マジで可愛いな!こいつ本当にカエデか!?
「悪かったなカエデ。
俺は別にカエデをなえがしろにしているつもりは無かったんだ。
沙耶と付き合うことになってカエデが気を使ってくれていたのは薄々わかってたんだが無意識にそれに甘えてしまったんだ」
「わかってる。
お兄ちゃんは優しいもん。
お兄ちゃんに沙耶さんっていう彼女が出来たんだから私が甘えすぎるのは良くないてわかってるんだけど、どこか心の中でなんで私にもっと構ってくれないの?って気持ちがあって、、、。
ごめんなさい」
「いや、お前は何も悪くないよ。
俺はお前のお兄ちゃんなんだ。
もっと甘えたっていいんだよ。
それが妹の特権ってもんだろ?」
「お兄ちゃん」
カエデは嬉しそうに満面の笑みを俺に向けてくれる。
「あ〜。
じゃあ今日は一緒に寝るか。
沙耶、すまんがいいか?」
「うん。
大丈夫だよ。
今晩はいっぱいカエデちゃんを甘やかしてあげて」
「だめ。
沙耶さんも一緒に寝るの。
私沙耶さんの事も好きだもん。
沙耶さんにも甘えるの」
なんか今日のカエデは喋り方も行動も幼いな。
「えっと〜。
じゃあ、三人で寝よっか。
この家のベッド大っきいし三人でも大丈夫だよね」
「大丈夫だろ。
さ、二人ともおいで」
それから俺達は二時間ほどたわいもない雑談をしてから眠りについた。
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夏!って感じのやつあと何残ってますかね?
もう二学期入って大丈夫かな?
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