第155話【トラウマ?】
「どうかなされましたか!?」
その後、すこし遅れて三田さんが部屋に入って来た。
「あ!
三田さん、あれなんなんですか!?」
俺はビシッと沙耶に抱き着いて頬ずりをしている照さんを指差しながら三田さんに言う。
「ちょっと本当に辞めてって!
いい加減にしない武力行使するよ!
このほっそい今にでも折れそうなか弱い腕でなぐるよ!」
「はい!
寧ろご褒美です!
出来ればお尻、お尻を叩いてください!」
「もういやぁ〜。
皆も見てないで助けてよ〜」
あまりにも気持ちの悪い照さんに沙耶はもう涙目である。
「この馬鹿娘が!」
ゴンッ!
「グヘッ!」
いつの間にか俺達の後ろにいた三田さんが照さんの後ろに行きゲンコツをかましていた。
三田さんのあんなに大きな声を聞いたのは初めてだ。
「うぇ〜ん。
快人く〜ん、ごわがっだよ〜、ぐずん。
だずげでっでいっだのに〜」
余っ程怖かったのか沙耶はすぐさま俺に抱き着いて来て泣いている。
「いや、悪かった。
この部屋を開けるまでは直ぐに助けに入るつもりだったんだがな。
あまりの衝撃的な光景と声に思考が停止してしまったんだよ。
それに照さんは女性だから力ずくでってのは躊躇われるしな?」
「がいどぐんのば〜が〜っ!」
今キュンて来たよキュンて!
「ごめん、悪かったよ。
ほら、よしよし、怖かったね。
次からはちゃんと助けるからな」
俺は沙耶の頭を撫でながらゆっくりとした口調で言い聞かせる。
「ぜっだいだよ!」
「ああ、約束だ」
「あ〜、私らもう帰るね」
「お幸せに〜」
「飛び起きて損した〜。
さ、二度寝二度寝」
そう言い残して母さん達は自分の部屋に戻ってく。
ササッ!
三田さんと照さんが近づいてくるのを察知した沙耶はすかさず俺の後ろに隠れ片目だけ出す。
ホッコリする可愛さだな!
「あの、この馬鹿娘が本当に申し訳ありませんでした!」
「申し訳ありませんでした。
私は松本沙耶さんの大ファンでして、つい興奮してしまいました。
本当に反省しております。
本当に申し訳ありませんでした」
三田さんと照さんの二人が頭を下げ謝ってくる。
「ほら、二人もこんなに謝ってるんだから許してやりなよ」
「わかった。
だけど照さんは半径5メートル以内に近寄らないでください!」
もう沙耶にとってはトラウマレベルのものだったらしい。
「わかりました。
この馬鹿娘には沙耶さんが目に入らないように仕事をさせます」
「そんな〜」
「自業自得でしょ!
この馬鹿!」
ゴンッ!
「痛い〜」
本当に最初に照さんの賢そうでキリッとしたカッコ良さはどこに行ってしまったのだろう。
──────────
今回のはまあまあいい出来かと、、、。
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