第151話【親族の失態】

「いやいやいや、おかしいでしょ!?

え!?

次期社長ってあのクソ兄貴じゃないの!?

そういう予定だったよね!?

まさか、最初からこれは仕組まれていて、私は罠に嵌められたのか?」


社長になってて言われたら普通喜ぶところじゃないの?

経営が厳しいところならまだしも結構な大企業らしいし。

あれ?

でも仕事が増えたり悩み事が増える事を考えるとマイナスになるのか?


「嵌めたわけじゃないから安心せい。

本当に当初はバカ息子を社長にするつもりだったよ」


「じゃあ、どうしてよ」


「そのバカ息子がな、思ったよりも馬鹿だったんだよ。

本当に情けない」


俺に叔父さんがいるっていうのは前々から知っていたが会ったことは一度もない。

理由は簡単で母さんが叔父さんのことが大っ嫌いで絶対に会おうとしないからである。


「で、あいつは何かやらかしたの?」


母さんがムスッとした顔でおじいちゃんに問いかける。


「あぁ、あいつの息子、私のクソ孫がな良くない奴らとつるんどってな、私は前々からそれを息子に注意しとったんだ。

で、そのバカ孫がつい1ヶ月ほど前に強姦をしよったんだよ」


「は!?」


母さんがデカい声を上げて立ち上がる。

まあ、そりゃそうだろう。

身内が犯罪をやらかしたのだから。

沙耶を含めたほかのメンバーも唖然とした顔をしている。


「まぁ、座れ。

まだ話は終わってない」


おじいちゃんにそう言われイライラした様子で座り直す。


「でな。

それをバカ息子はお金の力で無かったことにしようとしたんだよ。

怒った私はそれを許さずバカ孫を牢に入れた」


「当たり前じゃい!

そんな酷いことしてお金だけで済まそうなんて巫山戯るのも大概にしろって感じよ!」


母さん更にヒートアップ。


「それからもしかしてバカ息子の方も金でどうにかしてるだけで何かやってるんではないかと思った私はバカ息子のことを調べたんだ」


おじいちゃんはもう母さんは頬って置いて最後まで話をすることにしたらしい。


「で、結果は黒だった。

強姦ほど酷いものではなかったがパワハラやセクハラは日常茶飯事だったらしい。

訴えようとした人もいたらしいんだが私に気づかれないように金を渡したり脅したりしていたらしい」


親子揃って凄いなそいつら。

母さんが大っ嫌いで一度も俺達に合わせなかった理由がわかったよ。


「息子だとしてもそんな奴を会社に残しておくことは出来ないから直ぐにクビにして今裁判待ちだ。

それで次期社長に誰がなるかという問題が出てきた訳だ」


「まあ、当たり前のことよね。

でも、私も一応あのクソ兄貴の親族なわけだし反感とか出なかったの?」


「私も親族以外から次期社長を選んだ方がいいのでは無いかと考えていたんだが、次期社長には理恵子がいいっていう意見が凄く出てな。

他に候補がいたわけでもないしそんな多くの部下の意見を無視すること出来なくてな。

了承することにしたんだよ。

理恵子は本当に部下や上司と良好な関係を築いていたんだなバカ息子とは大違いだ」


「当たり前でしょ。

あんなやつと比べないで欲しいわ」


「受けてくれるか?」


「拒否権は?」


「出来れば勘弁して欲しい」


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