第150話【まぁ、どんな人でも驚くことはあるよね】
「おお、みんないらっしゃい」
「いらっしゃい。
長旅で疲れたでしょ。
ささ、座って」
部屋に入るとおじいちゃんとおばあちゃんが出迎えてくれる。
「ただいま〜」
「お久しぶりです」
「おひさ〜」
「久しぶり。
で、この子が俺の彼女の沙耶」
「快人くんとお付き合いをさせて頂いています、松本沙耶です。
よろしくお願いします」
沙耶はそう挨拶をして頭を下げる。
ほぉ、母さんや父さんに挨拶した時はめっちゃテンパってたけど今回は大丈夫そうだな。
何か違いがあるのかな?
ん?
いや、違うな、こやつ足が震えておる。
「あらあら、聞いていた通り可愛い子ね。
ふふふっ。
快人やるじゃない」
いつの間にか近くまで来ていたおばあちゃんにこずかれる。
「ああ、なんだ。
来て貰ってさっそくで悪いんだが少し大事な話があるんだ」
あ、このトーンマジなやつだ。
おじいちゃんは普段は優しいのだがこういった真面目な話をする時に巫山戯るとマジで鬼のように怒る。
なので、このトーンになった途端、先程までヘラヘラしていたカエデも大人しくなる。
まあ、冷静に考えると当たり前のことなんだけどね。
「んー?
どうしたの?
沙耶ちゃんのことを認めないとか言ったら張り倒すよ」
一名、おじいちゃんのマジトーンにも動じていない人がいるけど、さすが娘といったところだろう。
「いや、そういう話じゃない」
「えーっと。
私は席を外しますね」
沙耶は空気を読んで部屋から出ていこうとする。
「いや、沙耶さんにも一緒に聞いて欲しい」
沙耶も関係がある話なのだろうか?
何か不安が増してきたぞ。
「いいんですか?」
「ああ、このまま快人と付き合い続けて結婚まで考えているのなら一緒に聞いてくれ」
「、、、。
はい、わかりました」
そうして、皆はそれぞれ椅子なりソファーなりに腰をかけ聞く体制に入る。
「ごほん。
先に結論から言おう。
理恵子、お前には社長になってもらう」
「は?」
「へ?」
おじいちゃんの一つ咳払いを入れて真剣な声色で放たれた一言に俺とカエデは変な声を上げてしまう。
そして父さんと沙耶もポカーンと
「お、お父さん?
いや、お父様?
今、私が次期社長とかなんとか言わなかった?
あはははっ、そんなわけないよね!
ただの聞き間違いだよね!」
こんなに母さんが戸惑ってる姿初めて見たかも。
まぁ仕方ないか、いきなり社長とか普通聞き間違いだと思うし。
「いや、聞き間違いじゃないよ。
急で申し訳ないのだけど市松グループの次期社長に理恵子を置くことにした」
────
前回に続きお願いです。
星をくださいお願いいたします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます