第148話【どこの悪役だよ!】

「はい、起きた起きた!」


「ひゃい!」


「うおっ!」


突然の大声と共にカーテンが開かれ朝日が顔面に直撃する。


「おはよ。

もう、10時よ。

昼ごはん食べたらすぐに出発するんだから二人とも早く起きて用意しなさい」


「はい、おはようございますぅ、むにゃむにゃ」


いつの間にか朝になっていたらしく母さんに叩き起された。

いつもは早起きな沙耶も昨日のお手伝いの疲れが残っていたのか俺と一緒に起きた。

むにゃむにゃって可愛いなこいつ。


.........。

.......。

.....。


「世話になったな」


「いいってことよ。

また、時間が出来たらみんな連れて来いよ。

もちろん沙耶ちゃんも一緒にな」


「あ、ありがとうございます」


「じゃあ、またな」


「皆、バイバーイ」


それぞれが挨拶をして車に乗り込み母方の祖母の家へと向かう。


「昨夜はお楽しみでしたね!」


「してないからな」


「あそこまでお膳立てされて?」


「逆にできんわ!」


「まあ、いいわ。

でもちゃんと巫女服は貰ってきたみたいだし帰ってから励みなさい」


「本当に母親の言葉とは思えんな」


「あ、そうだ。

あんたコンドーム箱ごと貰ったんでしょ?

半分ちょうだい。

私とお父さんも帰ったら励むから」


「ゴホゴホ!」


「うわっ!

お父さん真っ直ぐ運転して!」


母さんのヤバい発言に運転中の父さんが咳き込みフラフラと運転したため、車に乗った途端、ぐーすか寝だした楓が慌てて起きて父さんに怒る。


「す、すまん。

てか、今のは母さんが悪いだろ!

自分の子供に俺達の性事情暴露しないでいただきたい!」


うむ、俺もどれだけ仲が良くても隠すべきことはあると思うぞ母よ。


「いいじゃない。

別に減る訳でもないし。

私達家族は性事情でも堂々と話し合える素晴らしい家庭なんだから」


「何でも話し合える家族は素晴らしいと思うよ!

今どきの子供は家族でご飯も食べないらしいからね!

でもね、性事情はまあ別の話だと俺は思うんだ!

ほら、沙耶ちゃんもいるしさ!」


「あなた、うるさいわ。

沙耶ちゃんはもう家族みたいなものでしょ。

それに運転に集中して、あなたの大切な家族を皆殺しにしたくないでしょ」


「どこの悪役だよ!

しかもその人質に自分も含まれてるってどんな状況だよ!」


「もう!もう!もう!

みんなうるさい!」


「おー、すまんすまん。

どうどう」


「ん〜んっ〜」


「ごろごろごろ〜」


「くぅ〜すぅっ〜」


怒りが爆発し暴れだしたカエデを俺があやして寝かしつける。

赤子かこいつは。


「はい、皆さん無事カエデが寝付きましたのではしゃがず大人しくしていましょう」


「おう」


「は〜い」

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