第146話
ガヤガヤガヤガヤ
「ん?
なんか外が騒がしくなってきてないか?」
「おっ!
もう集まってきたのか!
みんな早いな!」
「あ、沙耶達の巫女服を見に来た変態共か。
どれどれ」
俺は閉まっていたカーテンを軽く開け外を見る。
「は!
まじで!」
そこから見えたのは、人、人、人、人。
なんかの動画で見た超有名アイドルの握手会と同じような風景になっていた。
しかもみんな高そうなカメラ持参してるし。
「な、なあ。
叔父さん。
さすがに卑猥な写真撮ろうとしたり沙耶達に触ろうとするやつとか出てこないよな?
さすがにそれは見逃せんぞ?」
「大丈夫大丈夫!
あいつらそこん所は紳士にやってるから!
握手ぐらいなら求められるかも知れんが、もし変なことをしようとする奴が出てきたら周りのヤツらがフルボッコにしてその辺に捨てに行くって」
叔父さんは胸を張って言う。
いや、胸を張って言うことじゃないだろ。
「そうなのか?
本人がいいなら握手ぐらいならいいか」
「それに、沙耶ちゃんには彼氏がいることも伝えてあるからな!
よし、みんなそろそろ行くか!」
「えっと、私達は何をしたらいいんでしょう?」
巫女初心者の沙耶が質問する。
「特に何かやる必要は無いよ〜。
玄関に置いてある魔女の宅急便が持ってるような箒を持って写真撮られるだけ。
あと、この神社にお賽銭お願いします〜。
みたいなことを言っとけばOK!
私なんか何年かこれやってるけど落ち葉すらはらったことないよ!」
「そうそう。
それするだけで家の売上がぐうーんと伸びるんだよ」
「ぼろ儲け!」
カエデが答えて双子がいらん補足をする。
「それってもう巫女の仕事では無いですよね。
せめてその箒で落ち葉でもはらいましょうよ」
「ぶっちゃけ、ただの写真会」
叔父さんがぶっちゃけるのか。
「ほらほら。
いつまでだべってるんだ。
みんな待ってるぞ」
「あ!
叔父さん、ちょっと待って!
お兄ちゃんこっちこっち!
それと、叔父さん写真撮って!」
「おう、二人で撮るのか?
せっかくならみんなで撮れよ」
「両方するに決まってるじゃん!」
「私もお願いします」
「じゃあ、私達も〜」
「兄ちゃんと写真なんていつぶりだろー?」
そうして俺は五人での集合写真の後、カエデと沙耶はツーショット、双子とは三人で撮影した。
「じゃあ、行ってくるね!」
「おう、みんな頑張ってこいよ〜」
叔父さんに連れられて巫女服を着た四人は外に出ていく。
おれ?
俺は残ったメンバーとお茶をしながらゆっくりしますよ。
途中少し見に行くかもしれないけど、俺の妹と彼女が有象無象に写真を撮られてるのを見るのは少し腹立たしさがあるからな。
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